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-突然の珍客-5P


「リーウィンちゃん、ちょっと買い物に出かけてくるわね」と一声、家をあとにした。


 僕は、母さんが家を出たあと、直ぐに粗茶を出す準備を始める。どれだけ気に食わない人物だとしても、来客にお茶を出すのは基本的なマナーだ。


 僕はお茶を用意しながら、|カルマン(あの人)はどうして上から目線なの? 誰にでもああなの? そんな疑問を脳裏に過ぎらせていた。


 母さんの方が歳上なんだから、(うやま)うべきでは!? そんな不満がフツフツと沸き上がると同時に、僕の中に(ひそ)む悪魔が、とある〔嫌がらせ〕を思いついた。


 その思いつきに素直に乗っかり、僕はカップにお茶を注ぎ──。


 ガチャッ


「邪魔するぞ」


 カルマンはノックもなしに僕の部屋に入り込む。


 そんなカルマンのあとを追い、僕も部屋に戻ったあと、表向きは丁寧な所作でクロムティーを差し出した。


 そのクロムティーは、悪魔が囁いた〔とても苦いお茶を出してやれ〕というもの。


 さすがに、〔とても苦いお茶〕をだすのは良心が傷んだから、少しだけ〔苦め〕に抽出するくらいで手を打ったんだけどね。


 正直、事故を装って熱々のクロムティーを打っ掛け(ぶっか)てあげてようかとも思ったんだけど、さすがに可哀想だなって良心が傷んだから止めておいた。

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