010-突然の珍客-1P
あれから、空白のひと月を埋めるように、慌ただしい日々を過ごしていた。
|隕石(化け物)が現れて以来、メテオリットの欠片が活発化し始めたらしい。僕は、昼夜問わず、何度も教会からの要請で、駆り出されていた。
フェルとはそれなりに上手くやっている……と言いたいところだけど、正直、関係は良好とは言えない。現実はそんなに甘くなくて、魂を貸し出すことになれば、嫌々ながらもアシストしてくれるけど、その度、「協力したガウから、金寄越せガウ!」とか言ってセクトを無心してくる。
本当は、ちゃんと仲を深めたいんだけど……。タイミングがほんと悪すぎる。僕の欠点が露見しちゃって、仲を深める時間がない……。
魂を遣う者に魂を遣われるたび、一時的な昏睡状態に陥ってしまうっていう欠点がね……。
魂を遣われた瞬間、心臓を掴まれるような激しい痛みに襲われ、気づいたら家のベッドで寝ていた……。なんてこともしばしば。
そのほとんどが、連続使用だったり乱暴に扱われたりで起こるんだけど、中には触れられただけで意識を失ったこともある。
まあ、カルマンに魂を貸した時のように、ひと月ほど生死の狭間を彷徨うなんてことはなかったから、それだけは幸いだけど……。
この欠点が、以前カルマンの言っていた『魂の脆さ』から来るものなのか、それとも体力面の問題なのか判らない。でも、命の危険を幾度となく経験した、そんなある日のこと──