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-ギャンブル狂-3P
フェルはどこか分が悪そうに、僕とは一切、目を合わすことなく答える。
「……ということは、負けたってこと?」
ピエピエ? なんて一瞬、頭を悩ませる。だけど、考えてもよく解らないし、無視でいいや。
それよりも、ははーん。負けたっていうことだな。僕は負けを確信しつつ、ちょっとした意地悪な心が湧き上がり、いたずらっぽく問いかけた。
「負けてないガウ!」
だけどフェルは、それを認めようとしない。
「じゃあ勝ったの? いくら勝ったの?」
負けたということは、最初の言葉からして理解している。だけど、絶対に負けたとフェルは言わないだろう。
僕は捲し立てるような口調で、満面の笑みを浮かべる。
「ゼロガウ!」
そんな僕の笑顔に騙されたのか、フェルはどこか誇らしげに墓穴を掘る。
やっぱり僕の予想は正しかった。
「それって、負けたってことじゃないの!?」