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-変わった夢-6P
その下には、それらしきイラストも丁寧に描かれている。
「リーウィンちゃん、どう、し──」
母さんはそんな僕の声に驚き、脱衣所までやってくるなり、一瞬、理解し難い様子でポカーンと口を開き、フッと顔を逸らした。
「違うよ、母さん! フェルにいたずらされたんだ!」
僕は必死に弁明するけど、母さにはそれが面白かったらしい。笑いを堪えきれず、プッと吹き出し爆笑し始めた。
「笑わないでよ!」
冷静に考えれば、顔の落書きはかなりおかしい。だから笑われるのも無理はない。だけど僕は今、絶賛怒り心頭中だ。
ムスッとした顔で、一生懸命、顔を洗う。だけど油性ペンで書かれているからか、落書きは簡単には落ちてくれない。
ほんと、フェルはどうしてこんなバカげたいたずらをするのかな? それに、まだ会って数時間程度だよ!? 普通、ありえないじゃん! そんなことを考えると、余計に腹が立ってきた。
「リー……ウィン……ちゃん……こ、これを使って……頂戴……」
そんな僕に哀れみを感じたんだと思う。