-ポンコツとの出会い-9P
ほんと、ポンコツというか……もしかして、気性難だったりする? 気性に難がある魂を守護するモノとかほんと最悪すぎるんだけど……。はぁ──。
「ほらほら、喧嘩しないの〜」
毛玉に対し、不満を募らせていく僕に気づいたのか、母さんは諭すように笑顔を向ける。
はぁ──。毛玉で良いじゃん。そんな不満を胸中に抱きながらも僕は、渋々、毛玉を観察する。
毛玉は猫の様な見た目だけど、耳は翼のような形状で、顔はとても憎たらしく、目つきも悪い。どこからどう見ても……カルマンっぽいんだよね〜。
そう思いつつも、とりあえず毛玉を撫でる。
意外にも、毛玉の毛並みは良好で、シルクのような肌触りにひんやりとした体が、なんとも言えない癒しを提供してくれる。
そんな毛玉をモフりながら観察して気づいたことがいくつかある。
その一、全体的に黒い絹の様な、モフモフな毛で覆われている。
その二、口元からお腹にかけて、白い毛が薄らと生えている。
その三、背中には、黒くて小さな……コウモリの様な羽が付いていて、尻尾は通常の猫とは違い、太くて、先端を尖らせたスプーンフォークのような形をしている。
まぁ外見は翼や尻尾を除けば完璧猫のソレ。普通の猫同様に、喉を撫でると喜ぶし。
「う〜ん………そうだな〜……。ポンコツっぽいし、ポンタはどうかな?」
かなり熟考したのち、僕はそう提案する。
「却下ガウ」
「却下って……うーん……。なら、お金に汚いし、お金に汚い強欲魂を守護するモノ!」
「オマエ、喧嘩売ってるだろガウ!」
最後の方はもう適当になっちゃったけど、僕なりに色々と名前を提案してみた。だけど、ことごとく却下され続け──