プロローグ1-運命の序曲-
ゴオオォォォォ。
ゴシック建築の建物や家々が並び、レンガを並べて舗装された道に、馬車が往来し、ザワザワと喧騒溢れる街の中──
勢いよく地面が轟き、激しく揺れ始め、それと同時に、隕石のようなナニカが、太陽を覆うようにして落下してくる。
遠目からでは空から降り落ちる物体がなにかは特定できない。しかし、その付近にいた人間らは、只事ではないと瞬時に理解し、顔を蒼白させていく。
そして──
「なんだあれは!」
「隕石か……?!」
「あんなモノが落ちて来ればひとたまりもないぞ!」
不安をはらむ声がひしめき、瞬く間に街はパニックに覆われていった。
その混乱は瞬時に広がり、人々は避難所でもあるフォルトゥナ教会を目指しひた走る。
そんな中、待つことを知らぬように隕石は、地上に落下し人々や建物ごと街をまるで、砂の津波のように呑み込んでいく。
そして、最悪なことに、どうやら隕石はただの石ころではなかったらしい。地上へ落下するなり、ひし形の形態を変化させ、目玉や触手のようなものを生やし、街を混沌へと導いていく。
阿鼻叫喚が産まれる中、逃げれなくなってしまったのだろう。愛らしい銀髪の少女が腰を抜かし、恐怖に慄いた表情で固まっている。
この天災の中で、そんな行動をとるということは、すなわち死あるのみ──
命は有限、残念ながらこの少女は死に行く運命にあったのだろう。
そう儚げな命を見送ろうかと思ったが、
「記憶の欠片に眠りしゼレルよ、迷い子の鎧となれ」
そんな声が少女の耳を打つと同時に、キーンっと金属が擦れるような音が響き渡る。
砂埃が舞い、一瞬なにが起こったのか理解が追いつかなかったが、どうやら彼女は、間一髪のところで誰かに命を救われたらしい。
少女が恐る恐るその誰かを確認するが、なぜか相手はフードを深々と被り素性を隠している。
(だれ……?)
そう不安気に瞳を揺らす少女だが、誰かも解らない人間が助けるということは、まず有り得ない。多分だが、相手は教会が所持する人間。
彼女は(助かった……のかな……?)内心そう安堵しかけたのも束の間、
「おい、おまえのその魂を俺のために捧げろ!」
人間が語気を強め、少女に命令を降し始めた。
「えっ?」
少女は突然のことに困惑を覚える。しかし、教会の人間の命令に逆らうことなど許されない。彼女は無意識的な暗黙の了解に引っ張られるように、戸惑いながらも
「──────に魂を貸す!」
そう宣言したと同時に、『無色透明』の炎が彼女から抜け、兵器の元へ吸い寄せられていく。
(今からなにが起こるの!?)
そう思っても、闘いなどに無縁のこの少女にはなにも判らないこと。
彼女の魂を人質に、隕石と兵器の闘いが繰り広げられ、激しさが絶頂に達しかけた頃──
少女の体に突如、異変が。
(ここで意識を失えば、死んじゃう──っ!)
そう無意識的に理解し、必死に意識を保とうと努力する。だがしかし、戦闘経験のない人間には到底無理だったのだろう。彼女の決意など虚しく、まるでなにかに誘われるかのように、意識を手放した。
それはまるで、これから起こる運命に導かれるように──
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PS.早いめに上げ直しします。
この度はポンコツがやらかしてしまい申し訳ございませんでした。
一週間以内にはあげていた話を全てあげ直せるように努めます。