人物紹介と国家紹介
登場人物
・湖上有栖
十六歳の日本人
黒の長髪をリボンで結ったポニーテールが特徴で、整った顔と小柄な背丈の少女。
魔族の輪に入れば埋もれがち。柔軟でありながら、決心すれば梃子でも動かないと思わせるほど頑固。
人には言えない身の上のため基本的に己の命には頓着していない。
・ロボ
魔族全体を統べる若き青年。マスカヴィア王国国王。
年齢は人間換算で二十五ほど。実年齢は七十を超えている。狼に似た外見の神秘的な白銀色の体毛と紅の瞳を持つ。
長身で無駄な贅肉がない筋肉質な引き締まった身体。
有栖がその場しのぎにつけたロボという名前を存外に気にいっている。
目新しい物が好き。
・ベフデティ
王国宰相。
王の二人いる最側近の一人。隼に似た外見。年齢は王と同い歳。
いつも苦虫を噛み潰した顔をしている。神経質で小言も多い。
働き者で文官の鑑ではある。
・ウィンディゴ
王国軍事大臣。
王の二人いる最側近の一人。ヘラジカにも似た外見の大男。年齢は主君より一回りは年上の壮年。
自称老人。有能であり、お節介焼き。
・シェリル
王国第一王女。
ロボの実妹。歳は人間換算で十九。
兄と同じ鋭い目つきと灰色の体毛のうら若き乙女。
いたずら好きで兄や有栖を見て楽しんでいる。
・ガルム
王国第一王子だった軍事大臣補佐。
兄や姉に似ない優し気な青年。駆け引きや権謀術数などは不得手。姉と同じで灰色の体毛。
愛され気質の元王子。
・コルキス
王専属のお針子。
紫紺色の体毛で山羊に似ている。幼少期から英才教育を受けてきた万能の才女。
出身は王国の北東に位置する大山岳地帯。
・リーガス
王国軍人。ヘレニア城塞の城代。
王にも信頼されている。
・ズメイ
紅い巨大な竜。
ロボと幼少期に盟約を結んだため、好々爺を気取っている
普段は湖の奥底のさらに地下で眠っている。ズメイ湖に古くから住み着いていた。
国家紹介
・マスカヴィア王国
三千年近く続いている押しも押されぬ魔族世界の覇権国。巨大な連合国家の中心。
西方国境に人間の国が存在し、直接接している。東方と南方には属国関係の王国や公国が多数。
東の果てには海を隔ててエルフやドワーフの国もある。
文化水準は概ね中世から近世ほど。
王都は王国発祥の土地。巨大な海と見紛う湖のズメイ湖が隣接して水運が盛ん。
・人間の国
正式な国交がない。皇帝を頂点とする大帝国を築いている。
東方の魔族と千年前に魔族と二十年に及ぶ戦争をした。
