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チューニングを終え入る第2音楽室
友美は、
ユーフォニウム、チューバ、コントラバスを担当する人が集まる場所に向かう。
音楽室を出て左に少し歩き、
左にある階段の前の広場だ。
「じゃあ、みんなベーの音出してね」
ベーの音とは、
楽器のチューニングをする際に出す、
ユーフォニウムでいうシbの音のことだ。
「ぷぉ〜ん」友美が吹く音は、
ヒョロヒョロと頼りなく、
カスレていてお世辞にも綺麗とは言えない音だ。
「やっぱり高いね。夏で気温が高いからね」
先輩に言われ、友美は楽器の音を調節する管を引き伸ばす。
「今度はすごく低い」
高かったり低かったり。
何度もベーの音を吹いて、
音程を、
先輩が手に持つ、
チューニングの際に使う機械であるチューナーの正しい位置に合わせる。
「よし。これでみんな、音程そろったね!」
先輩がOKサインを出す。
先ほど友美がいた第1音楽室より奥にある第2音楽室に向かい皆歩き出す。
もう既に、サックス、ホルン、フルートの人たちはチューニングを終え第2音楽室に入っていた。
机が第2音楽室の奥にそろえて詰めて置かれ、
60個ほどの椅子が窓に向けてまあるく並べられる。
窓の手前は、指揮台が置かれる。