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第9話 子ギルド?剣使い赤丸、弓使い蒼、槍使い穂緑



「あの、非常識を承知でお聞きしたいのですが、さっきの技はどの選択肢なのでしょうか?」


 3人組の唯一の男の子(赤丸あかまる)ジョブは剣使いが質問してきた。

 多分、俺がさっき助けるときに使った双剣技『サイクロン』のことを言ってるのだろう。


【スキル名】剣術

【術  名】サイクロン

【M  P】 5

【熟練度】 5

【説明書】二本の剣を右手と左手に持ち、サイクロンと唱え振ることにより周りを巻き込む竜巻を発生させる。巻き込まれたものは、上へ上へと持ち上げられ竜巻が消えるとともにその上部より落下する。


 

「剣術スキルの①の②の②の③の①で覚えられるよ」


 他人のスキルや魔法の詮索はご法度である。

 同じパーティやギルドメンバーでなければ尚更。


「5段階なんて。お強いんですね」


 女の子、弓使いのあおいが、俺の返答に対して感想を述べる。

 5段階とは、


①→④→⑦→⑩→⑬

② ⑤ ⑧ ⑪ ⑭

③ ⑥ ⑨ ⑫ ⑮



の⑬までスキルを覚えている者のことを言う。

 覚えれるスキル技は右に伸びて行く。

 右横に進んだ数を、その回数+段階という言葉で表す。

 ①を覚えた後に、右のスキル技を覚えず②を覚えた場合は1段階ということになる。

 

 

「剣術スキルの①の5段階目から双剣を扱えるようになるよ。あと、剣術の情報としては、②の7段階目で大剣が扱えるようになる」


 扱えるというのは、うまく扱えるという意味だ、

 別に、5段階に進まなくても双剣を武器として使うことはできる。

 

「あの、大剣も扱えるのですか?」


 女の子、穂緑ほのり、槍使いが聞いてくる。


「あー、俺は使えないよ?以前、大剣をうまく扱っていた人がいたから情報交換した際に教えてもらったんだ」



「なるほどです」


 俺の言葉をメモしている女の子。

 その姿を見ると、もっと教えたくなっちゃうね。


「もしも、このダンジョンをクリアしたいと思っているなら、9階層じゃなくて7階層でレベル上げすることをお勧めするよ。経験値は、上層の8階層、9階層には劣るけど、レアドロップアイテムの確率が他の階層よりも高くて、モンスターの個体数もそこまで多くなく、いのちの危険も9階層に比べて低いからね」


「知らなかったです」


 だろうね。直接、餅祐に聞いたから。

 各ダンジョンの情報やモンスターの情報はギルドタワーが買い取ってくれる。

 だけど、発見者の名前が他者に知られてしまう為、情報提供は行なっていない。


「どうして、そんな貴重な情報を教えてくれるんですか?」


「君たちが魔法使いじゃないからかな」


「どういうことですか?」


 ?顔の3人。


「俺のギルドは、『魔法少女 ほしつき』っていうんだけどね、加入条件に魔法使いっていうのがあるんだよ。だから、魔法使い以外のことに関して、今後情報不足になる可能性がある。だから、魔法使いじゃない君たちに恩を売って、今後情報を提供してもらえたら嬉しいかなーっなんてね、俺は思ってるわけ」


 大人って汚いよな。

 賢いと言うべきか。


「分かりました。僕たちは、『魔法少女 ほしつき』の子ギルドになります」

「うん。そうだね」

「私も、その意見に賛成」



「えっ?いいの?俺は別に構わないんだけど。子ギルドの意味、わかってる?」


「「「はい」」」 


「分かった。じゃぁ、配下には何かプレゼントしなくちゃな笑」


 子ギルドは別名、配下ギルドと呼ばれる。

 親ギルドの管轄内という意味の子ギルド。


 子ギルドの利点として、親ギルドが守ってくれるというものがある。

 だが、守るとはいっても、実際に守るという確証もないため、子ギルド制度はあまり使われていないと言ってよい。


 子ギルドの悪い点として、最低でも1割の上納金が自動的に親ギルドのギルドタワーの銀行エリアにて搾取されることだ。

 100Mマネー入手したとして、10Mが自動的にとられるわけだ。

 子ギルドに加入する最初の契約時に、上納金の割合、レアアイテムの強制搾取などを決定する。


「じゃぁ、赤丸には火魔法の付与されたこの炎剣を、蒼には水魔法の付与された氷弓を、穂緑には、風魔法の付与された嵐槍をプレゼント」


 メニュー画面を操り、3種類の武器を渡す。


「えっ、いいんですか?」


「こんな高価なものを」


「やったー」



「確認してみて、武器を装備したら装備欄に説明書きが出てくるはずだから」


 俺が、錬金術スキルを8段階まで上げて作り上げた魔法武器。


「わぁーすごい。所有者のレベルに応じて、武器から放たれる魔法の強さが変わるんだって」


 3人とも、喜んで試し始めた。


『ジョロジョロジョロ』 飲み水が出る


『ポッメラメラ』 手元を照らせる程度の火が出る。


『ヒュー』 風鈴が鳴るだろうな程度の風が吹く


 最初は、かなり地味だ笑笑

 


「それと、これ渡しておくね」


 ささっと書いた、赤丸、蒼、穂緑の3名が所属するギルドを子ギルドにする書類。

 ギルド『魔法少女 星月』を作成した際に専用印として作った、☆(ほし)と☽(つき)の描かれたスタンプを押印してある。

 これをギルドタワーに提出すれば、俺を親ギルドとして認可してもらえるはずだ。


「えっと、本当にいいんですか?」

「どうしたの?」


 驚く赤丸の持つ書類を覗き込む蒼。


「なになに、上納金の搾取割合1割、レアアイテムの強制搾取なし。子ギルドに加入した者の上納金の搾取は2か月あるいはレベルが30を超えるまでの間、無し。その代わり、スキルについての情報を定期的にまたは必要と子ギルドリーダーが思考したとき、親ギルドに報告すること」


「わぁー、すごい。太っ腹―」


 おなかを両手で、太っ腹を表すかのように表現する穂緑。



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