第3話 ギルド『魔法少女 星月(ほしつき)』加入条件!?
「あのー」
翌朝、ダンジョンに向かうためにLP回復ポーションを購入して、街を出ようと門まで差し掛かったところで、女性に声をかけられた。
「はい。どうしましたか?」
女性に言葉を返す。
女性の見た目は、おっとりとしてそうな感じ。
髪の毛は、クルミ色のセミロング。毛先がくるんとしていて可愛らしく思う。
身長は、155cmほどで、ローブでは隠しきれない大き目のおっぱいが自己主張をしている。
ローブの胸元に刺繍されている星を見る限り、白魔法の持ち主のようだ。
「良かったら、パーティーに入れてもらえませんか?」
唐突に女性にお願いをされた。
女性、胡桃沢 真白さんに話を聞いたところ、ギルドに所属していないいわゆる無所属パーティとして活動していたらしいが、パーティを追い出されたみたいだ。
白魔法(対象にハッピーステータスを与える魔法)の持ち主として、最初は重宝されたみたいだが、おっとりとした性格もあって、スピードを重要視していたパーティの役に立てなかったらしい。
年齢は、俺よりも1つ下の20歳。
専門学生で調理師専門学校に通っていたみたいだ。
胡桃沢さんのレベルは5で、所持白魔法技は、
【魔法名】白魔法
【呪文名】アライジング
【M P】 3
【詠唱文】我が名は〇〇、純白を司る者、我が手に宿れ、アライジング
【熟練度】 5
【説明書】対象のAPを一定時間上昇する白魔法。白魔法の低級魔法で顕現させた白色の星☆を対象に当てないと効果は発動しない
白色の星を味方に当てれず外すことも多かったのだとか。
確かに魔法を対象に当てることは難しいよな。
最初の方は、熟練度が低く、顕現させた魔法の操るのもぎこちなく、コントロール時、硬さや重さを感じるし、動かせる速度も遅く大きさも小さいため、当たらず避けられることもしばしば。
「愛月、真白さんをギルドに入れてもいいよね?」
「うん。いいよーお兄ちゃん。ましろちゃんは女の子で魔法使いだから問題なし」
OKと言った風に両手で丸を作る愛月。
俺たちのギルド『魔法少女 星月』の加入条件は、
1.女の子であること
2.俺よりも年齢が低いこと
3.魔法使いであること
の3つだ。
俺は男で女の子ではないのだが、愛月曰く、お兄ちゃんは良いみたい笑
「ありがとね。あづきちゃん。ありがとうございます星斗さん」
愛月と俺にお礼を言う真白さん。
☆☆☆☆☆
「私の名前は真白、純白を司る者、私の手に宿って、アライジング」
「えいっ」
短剣を持ち前衛を務める俺、その後ろで、愛月と真白さんがいる。
「なんか、身体が温かいよ、力がみなぎってくる」
アライジングの☆が愛月に無事命中したようだ。
まぁ、真白さんのすぐ近くで動かずに愛月が立っているから、外れることはないはずだ。
「わたしのなまえは、あづき。ビリビリを愛する、あれっ??」
「愛月、どうかした?」
「あたたかいの消えちゃった」
「ごめんなさい。熟練度が低くて持続時間が短いんです」
なるほど、やっと、パーティを追い出された理由が合致した。
なんで、真白さんが追い出されたのか疑問だったんだよ。
白魔法で付与してもらった後に、こうげきに移行すれば使える人材となるはずだと思ったから。
「よしっ、分かった。じゃぁ、今日の狩りはやめにしよう」
「えっ!?はい。ごめんなさい」
俺に謝ってくる真白さん
「お兄ちゃん、ましろちゃん悪くないよ??」
俺が怒るとでも思ったのだろう愛月がフォローを入れる。
「ごめん、言葉足らずだったね。モンスターが現れても門番が退治してくれる場所で、今日は、熟練度を高めようって思ってね」
「わかった?」
「わかりました?」
俺の考えを理解できていない様子の2人。
「熟練度は対象に当たらないと上がらないことが分かったからね」
そうなのだ、例えば俺の所持する氷魔法(水魔法の一種)のアイスダーツは、モンスター(多分、人でも良いとは思う)に的中しないと熟練度が上がらない。
その考えを当てはめると、白魔法のアライジング、ひたすら、愛月に命中させれば熟練度は上がる。熟練度が上がれば、持続時間が上がるはず。
「では、よろしくおねがいします」
2人に、熟練度について俺の考えを伝えた。
門番の騎士に、2人を任せて、俺は街に買い物に出かけることにした。
「お兄ちゃん。愛月、プリンが食べたい」
「あっ、私は、イチゴの入ったクレープが食べたいです」
愛月に釣られて真白さんも食べたいものを告げる。
「はーい。パシリね、了解」
「ごめんなさい。そういうつもりじゃなかったんです」
頭を下げる真白さん。
おっぱいが揺れる。
大きい。
「いいよ。だから、熟練度上げ、頑張っててね」
「はいっ、がんばります。あっ、クレープは生クリーム盛り盛りでお願いします」
真白さんは、甘いものに目がないようだ笑笑
「これ、クレープ屋のポイントカードです」
紙で作られたベリーのクレープ屋と書かれたポイントカードを手渡された。
日付が書かれているけど、毎日食べてるね真白さん。