大きな木の大きな桃のお話。
ある場所に、1本だけ大きな木がありました。
『桃の木』 です。
しかも、立派な桃の実が1つあります。
ただ、大きな木の一番上についている
その桃は木をゆすっても落ちてきません。
鳥も、何故かその桃を食べる事がありませんでした。
どんどん、大きくなっていくその桃は...?
いつの間にか、巨大風船のように大きく立派に育っていました。
余りにも大きくなり過ぎて、木が桃を支えられなくなり、
木がボキッと折れて、桃が落ちてきました。
そうすると? 桃の中から小さな女の子が出てきました。
背中には、羽が生えています。
そう! 『妖精』 です。
綺麗な羽をつけた、かわいい妖精さんです。
そこに、1匹の子豚さんが妖精さんを見て言いました。
『なんて? 綺麗な羽なんでしょう! そしてなんてかわいい妖精さん
なんでしょう?』
そしてまた、1匹の子ヤギさんが妖精さんを見て言いました。
『ほんとうに、綺麗な羽だねぇ~ それにかわいい。』
最後に来た、1匹の仔牛さんが妖精さんを見て言いました。
『まぁ~ こんなに綺麗な羽を見たのは初めて~ 妖精さんもなんて
可愛いのかしら?』
妖精さんが目を覚ますと...? 3匹の子豚さんと子ヤギさん仔牛さんが
妖精さんをじーっと見ていました。
妖精さん 『あら? 恥かしい。そんなにじーっと見ないで!」
子豚さん 『ごめんね!』
子ヤギさん『あんまり、良く寝ていたから。』
仔牛さん 『可愛い寝顔だったよ。それにスヤスヤ寝ていたよ。』
妖精さん 『良かったら? 私とお友達になってくれない?』
3匹は 『いいよ~!』 と答えました。
3匹と妖精さんは、何時も仲良く楽しそうに遊んでいました。
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でもある日、子豚さんのお母さんがやって来ました。
『もう帰るわよ。ここにはもう来れないと思うの? 私たちには行く
ところがあるから。ごめんね。』 と言うと子豚さんを連れて行って
しまいました。
また、少しすると? 今度は子ヤギさんのお母さんがやって来ました。
『おいで~帰るわよ。もう二度とここには来れないわ!ごめんなさいね!』
と言うと子ヤギさんを連れて行ってしまいました。
そうしてる間に、今度は仔牛さんのお母さんがやって来ました。
『ここにいたの? もう帰るわよ。今日でお別れね、今までありがとう。』
と言うと子牛さんを連れて行ってしまいました。
さて? 何処に連れていかれたのでしょう?
妖精さんは、一人ぼっちになってしまいました。
妖精さんがしょんぼりしていると......?
遠くから妖精さんを呼ぶ声が聞こえます。誰だろうと思っていたら?
妖精さんと同じ綺麗な羽を持った、妖精さんのお母さんでした。
『貴方を迎えに来たのよ。さあ~私と帰りましょう。』 と言うと
空高く、2人は妖精の国に帰って行きました。
そして、あの大きな桃の木には、また小さな桃が1つ実がついていました。
おしまい。
最後までお読みいただきありがとうございました。