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超脳力者の不善業  作者: 高島良太
3.超脳力者の偸盗
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喚声

 紗英と最可は川岸に来ていた。


「ねえ!これ見て!!」


 紗英は最可に指差してアピールするが、最可には全く見えない。


「イヤリング!!これで最勝を探せるよ!」


「え?なんで?」


「私最近鼻がいいの!急ごう!」


 紗英は喜んだが同時に不安を感じた。


 何で血の匂いがしたんだろう...早く見つけないと.....!

 

ーーーー


「この"新作"を倒すと1000万円貰えるので是非頑張ってください!」


 仮面をした司会の男がバサっと赤い布をめくり、山盛りの札束を見せるが、最勝は見ている余裕がない。


 観客席は高さ12m.....いけるか...⁉︎


 "新作"と呼ばれたこいつはドダドダと煩くこっちに向かってくる。


「死に"たくなあ"あ"ぁい」


 思ったより足が速えな...これは人を混ぜ合わせてんのか.....!気持ち悪い....


 そして最勝のとこまで追いつくと、30本の指を一斉に曲げ、重そうな右腕を重力に従わせて振り下ろした。


どぉぉぉぉぉん!



 床に穴が空き、煙が出る。


 鈍いから躱せたが威力が尋常じゃねえ....


 その後もバンバン打ってくる拳を紙一重で躱す。だが、限界だ。俺の特殊な力は攻撃力と防御力が増すだけで、動体視力は良くならない。


どぉ"ぉ"ん"!


 ついに奴の拳が腹を抉り、最勝は宙を舞う。そしてそのまま壁に頭を打ちつける。血で壁が汚れ、観客から喝采が聞こえてくる。


 そしてまたドダドダと奴が向かってくる。


 ぐぅ......やべえ吐きそうだ.....だが逃げるな....奴を最大限度まで引きつけろ....!


ーーーー


 俺は歩きながら吉野さんの話を聞いていた。


「よいか。多分じゃが、奴は自分で考えてない。人を殺せとだけ言われておる」


「つまりどういうことっスか?」


「つまりじゃな....」


ーーーー


 ふらふらと立ち上がり、わざと動かない。長すぎる1秒......来るーーー


 奴は拳を横に大きく振る。最勝はいない。


 よしやっと隙ができた!

 しゃがんだ勢いでそのままジャンプする。


「おぉぉおわゎっ!!」


 自分でもこんなに跳べることに驚く。手を伸ばして観客席の手摺りを目指す。


がしっ......


 「よっしゃぁあ!」


キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


 そしてそのまま最勝は観客席に入る。


 奴も釣られて壁を穴を開けながらよじ登り、こっちに来る。


 そしてとうとう、観客席にいるのは3人と1つだけになった。


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