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超脳力者の不善業  作者: 高島良太
3.超脳力者の偸盗
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怪物


 何してんだ......俺......



 最勝は正気に戻っていた。


 男達はさっきまで叫び声をあげていたが、いつの間にか静かになった。きっと気絶したのだろう。


 ........やべえ....クソ頭痛え


 痛みに思わず倒れ込む。

 痛いところを触って見ると、大きなたんこぶが出来ている。後頭部右側。金属バットで殴られたところだ。


ガサッ


「誰⁉︎」


 最勝は気配に気付く。


 さっきの......見られたか.....⁉︎


「焦らんでいい。救急車はよんだが、警察は呼んどらん」



 現れたのは白髪頭で前歯がない老爺。....多分ホームレスだ。



「あ、すいません......でも警察呼んでください...」


 最勝がそう言うのも当然だった。紗英だけでなく知らない人をも傷つけた罪悪感は最勝を殺そうとしていた。


「...そんなこと言わんでわしの話を聞いておくれ...あんたの力で儲かる話があるんじゃ」


「はあ....」


 胡散臭すぎる話だ。


「まあ、歩きながら話そう。付いて来ておくれ」


 最勝はうなづきこの場を立ち去ろうとしたが、足が止まった。


 あれ....何か大切なことを忘れてる気がする.....


 最勝はそれを頭痛のせいにして歩き出した。


ーーーー


「ここじゃ」


 木造の古い家同士の隙間にあるゴミ箱を名前は吉野というらしい老爺は退けた。


 そこには一つのマンホール。


 ガラガラとマンホールを開ける。


「は?」


 最勝はもちろん唖然とする。


 そんなことも気にせず、吉野はコツコツと降りていく。


「どうした?早くこんかい。あと、入った後蓋をしておくれ」


「あ、はい」


 最勝もマンホールの中に嫌々ながら入る。


「あの、こんなところで何するんスか?」


「もうじきに分かる」


コツコツコツコツ.....


「よいしょと...わしは先にいっとるぞ」


ガチャ....バタン!


 暗くてよく見えないが吉野さんがドアを開けたらしい。俺も行くか....


ガチャ....バタン...カチッ!


 は⁉︎閉まった..... 


ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア


 急な光とともに音も流れ込んできた。スポットライトと歓声だ。

 そこは窓のない学校の体育館のような場所で2階の席は昼間にも関わらず、観客で埋め尽くされていた。

 そして一階は、ーーーー


 なんだあれは....⁉︎



 それは赤黒く変色し、異常に筋肉質で大きい体。30本ぐらいはある指を一つ一つ不規則に動かしいくつもの顔は泣いていたり怒っていたり多様だ。



「さあ挑戦者が来られたので、開始します!準備はいいですね!!」


カーン!!



 人の形をしたそれは檻から放たれた。



 


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