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猫が招くとダレが言った!?  作者: 山神ゆうき
第一章 『アディアホ村まったり(?)生活』
5/53

4・力の差があるとワタシは思った。

こんにちは。

久々に投稿しました。

これからもよろしくお願いします。

「あ・・・ああ・・・・・・・ああああああ!!」


フランは大きく叫び、後悔していた。それはキョッボウベアーに出会ったこと・・・・・ではなかった。


「ああっ!お客さんの武器を落としてしまった!しかも血まで付いてる!」


血だらけになったフランは膝から崩れ落ち、1yのルーキーソードを落として両手で頭を押さえて叫んだ。


キョッボウベアーはというと、頭と振り上げた右手が地面に落ちており、首から噴水のように血が吹き出て、それが雨のように降り注いでいる状態だ。フランは無傷で彼女に付いた血はモンスターの返り血なのだ。

一通り血を出したキョッボウベアーの胴体はズドン!と大きな音をたてて倒れた。


フランは再びルーキーソードとお客さんの武器を持ち、立ち上がった。


「どうかなさってー?って、きゃあっ!!」


フランの叫びを聞き付けたのかキョッボウベアーの威嚇を聞き付けたのか、さっきの2人組が駆けつけてきて私の光景に少し悲鳴をあげた。


「こ、ここに倒れているのはキョッボウベアーですわ!」


魔法系の服装をしている女の子が倒れているモンスターを指さし言う。


「あっ!そうだったね。」


フランは倒れているキョッボウベアーのところへ歩いていった。そして転がっている頭を拾い上げた。


ボタボタ・・・・・。


フランがキョッボウベアーの頭のてっぺんを掴んだので本来首があった場所から血が滴っていた。


「はい!あなた達キョッボウベアーの首が欲しかったのよね?これ、よろしかったらどうぞ。」


「あ、ありが・・・とう・・・。」


男性が首を受け取ったのだが、2人とも顔がひきつっている。


「あ、そうそう。あなた達のレベルではキョッボウベアーに勝てないですよ?もっと自分達に合ったクエストをした方がいいと思います。では、私は人を探しているので、失礼します。」


フランは2人に忠告して、そのあと深々と頭を下げ王国へ続く道を歩き始めた。


「あの・・・。」


フランは女の子が出したその声に振り向く。


「私の名前は『ヨウジョ・メデ・ルダーケ』といいます。」


(わたくし)は『コヒィ・ノムノスキー』でございます。」


「キョッボウベアーの頭、ありがとうございます。何かお礼がしたいのですが・・・。」


前まで若干お嬢様口調だった女の子はとても丁寧な口調に変わっていた。

フランはその"お礼"に反応してニヤリと口がにやける。


「お礼?本当にいいの?」


「え?ええ。いいわよ?お金かしら?何か道具かしら?」


フランは凄くニヤニヤしているので、ヨウジョは再び顔がひきつって言った。


「じゃあ、図々しく3つのお願い!」


フランは右手で指を三本立てて言った。


「1つ目は約束なんだけど、私がキョッボウベアーを倒したことは王国では絶対に喋らないでください。2つ目、これは人探しなんですが、この道を筋肉ムキムキな男性2人が通りませんでしたか?」


「えっ?ええ。さっき酔っぱらっている男性2人が肩を組んで『やべぇ!武器を忘れた。』とか言いながら素手でモンスターを倒していましたわ!」


そう言ってヨウジョは王国への道を指さした。


「そっか。ありがとう!じゃあ、私は急ぎます。」


フランはヨウジョが指さしている道を走り出した。


「あの・・・・・。」


「うん?なに?」


走り出したのだが、数歩動いた時にヨウジョが話しかけてきた。


「3つ目のお願いがまだでしてよ?なにかしら?」


そうフランは3つお願いをしたのに、2つしか言ってなかったのであった。


「ああ!そうだったね。3つ目は宣伝です。今度アディアホ村に遊びに来たときは、是非!宿屋兼食事処『アジュウ』をよろしく!」


フランは手を振るようにルーキーソードを天に掲げ、ブンブンと振った。そして、また王国への道を走り出す。




ーーーーー




フランが王国への道を走っているときに、それをコヒィとヨウジョは目をまんまるくして見送っていた。そして、お互い顔を見合わせる。


「なんだったんでしょう、さっきの方。楽にクエストを完了したことは嬉しいですが、私たちが負けるなどと言ってましたわね?有り得ませんわ!」


「いいや、そんなことはないでしょう。正直にいいますと、今回のクエストはちょっと無理をしたかな?と思っていたのでございます。あの少女はそれを知っていたのでしょう。」


「そうでしたの!?」


コヒィの放った真実に驚きを隠せないヨウジョ。ヨウジョは思わず持っていた杖を落としそうになった。


「それにしてもすごい人でしたわ。筋肉質な男性が両手で持つ武器を2個片手に1yのルーキーソードでキョッボウベアーを倒すなんて・・・・。あんな細身の体のどこに力があるのかしら?」


「そうでしたね。けどあの少女、見たことはないのだけど、辞めて消息不明になっている副団長の2つ名通りの人物だと思いませんか?」


「『殺戮初心剣士(スロータールーキー)』でしたっけ?確かにぴったりと思うけど、若すぎですわ!」


「いや、ですが、『寸止破壊神(ストップファイター)』も10代という噂でございます。」


コヒィ・ノムノスキーとヨウジョ・メデ・ルダーケはフランがいなくなった道端で夕方まで話していたのであった。

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