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猫が招くとダレが言った!?  作者: 山神ゆうき
第二章 『凶悪犯(?)と招かれざる者』
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16・見た目幼女はスゴク攻撃的だった!

しばらくの間、アジュウの中は沈黙が続いていた。


「そ、そんな・・・」


その沈黙を破ったのはベルであった。ベルは信じられないという表情で両手で口を覆った。


「フラン様が・・・犯・・罪者!?」


その言葉をネイティブは見逃さなかった。


「『様』?どうして知らない奴に様を付けるんだ?」


ベルは『しまった!』という表情をしたが後の祭りだ。ネイティブはゆっくりとベルに近付いていく。


ラジルはフランが犯罪者という言葉にショックを受けて動くことができなかった。ベルもショックとネイティブの殺気漂うオーラに動くことができない。


またしてもアジュウに沈黙が襲う。しかし、次の沈黙は前とは違い、ここにいる全員がフランを居場所を吐くために拷問されるか、あるいは殺されるようなオーラが部屋全体、いや、もしかしたらアジュウの店全体に漂っている。


「冗談じゃないわ!」


次に沈黙を破ったのは、出入り口にいた上半身だけ出しているマンドレイクのシアーであった。


「みんな、目を覚まして!フランちゃんがそんな事するはずないわ!確かに、フランちゃんからは人殺していたり、モンスターを殺した匂いがプンプンしていたけど、フランちゃんが理由もなくそんなことをする人じゃないわ!」


「ああん?」


「ひぃっ!!」


ベルを睨み付けていたネイティブは、その足を止めてゆっくりと頭ごとシアーを見つめ、睨んだ。その動作にシアーは青ざめて小さな悲鳴を出した。


「あ、ああんたな、なななんか・・・こ、こわくなないん・・だ・・・だから・・・ね!・・・わ、わわ、わたしのっ・・・ひめいで・・・こ、ころして・・・た、たたた、たべてやる・・・から・・・ねっ!」


シアーは強がりで言ってみたが、所詮は強がりである。その声は震えており、全然恐怖などはなかった。


「雑魚モンスター風情が!オレちゃんを殺すだって?あっはははは!」


ネイティブは腹を抱えて笑っている。


「お前は引っこ抜かなければ、攻撃力も小さい雑魚なんだよ!オレちゃんが一瞬で殺してやろうか?」


ネイティブがそう言った瞬間であった。ベルの近くまで歩み寄っていたネイティブが一瞬でその場から姿を消した。


「消えたっ!?」


その声を出したのはラジルであった。ラジルの視界に入っていたのは、ベルとネイティブだけだったのでそう見えたが、ベルの視界にはネイティブとシアーが入っていたからベルには分かっていた。

ネイティブは消えたのではなく、一瞬でシアーの側へと移動したのだ。


『シアーが危ない!』


ベルにはそう思うよりも先に、ネイティブは拳を頭近くまで上げており、今にもシアーに殴りかかろうとしていた。


シアーも自分が危ないという思考回路が追いついていないので、なにがなんだか分かっていなかった。


「オレちゃんに喧嘩売った運命が、てめぇの命の終わりだ!」


ネイティブの拳がシアー目掛けて動いたときであった。


ドン!!


とネイティブが座っていたカウンターテーブルに何か物を少し力強く置く音がした。


「はーい!チャーハン超大盛り一丁!あと、お客様。店で暴れるのはご遠慮ください!」


料理を持ってきたのは、他でもない。ネイティブがずっと探していた『犯罪者』のフランであった。


「フラン、てめぇ・・・。よくオレちゃんの前にのこのこ顔を出すことができたな!」


「本当はずっと隠れていたかったんだけどね。ネイティブが私の大切な従業員に手を出そうとするから出てきたんだよ。私の大切な人達に手を出さないでくれる?」


「フラン様!うっ・・・」


ベル、ラジル、シアーは、フランの登場で喜びのあまり金縛りみたいになっていた状況から解放されてホッとしたのだが、フランもネイティブに対してネイティブに近い怒りなどのオーラみたいなのを出していたので、フランを見たベル達は再びピリピリとした空気に固まってしまった。


「おい!ここではなんだ・・・。表へ出ろよ!」


ネイティブは親指で出入り口のドアを指差した。


「いいよ」


フランの返事はそれだけだったが、ネイティブが少し動いたときにプルンと揺れた巨乳を見つめていた。


そうとは知らずに、ネイティブは先に外へ出ていった。


フランもネイティブが見えなくなってから外へと出ていく。


ベル、ラジル、シアーの3人は、しばらく何が起こったか分からずにその場から動くことがなかったが、ベルがハッ!と我に返り走り出してフランを追うように出入り口に向かう。


「ベル、危ないから俺達はここにいたほうが・・・」


ラジルがそう言ったのだが、ベルは既に外へと飛び出したあとであった。


「ベルが危ない。俺も行くけど、シアーはどうする?」


「私も行くわっ!」


ラジルとシアーは顔を見合わせて同時に頷き、アジュウの外へと走っていった。

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