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猫が招くとダレが言った!?  作者: 山神ゆうき
第一章 『アディアホ村まったり(?)生活』
13/53

12・猫が招くとダレが言った!?

こんにちは。

最終回ではないです。 まだまだ続きます。

前回のあらすじ!


ベル「フラン様が、キトに『さぁ、ここがキトの新しい家だよ。』と言ったよぉ。この時のフラン様はドアの前に立っており、肩幅まで足を開いて、そして私はフラン様から見て右側、ラジルは左側でお互いフラン様とは約30センチ離れていて、そのあとゆっくりと、フラン様が腰を下ろしてキトを・・・・・えっ?もう始まる時間なんですか!?」




ー(幕間)ー




日が沈み暗くなってきた頃、キトは寝ていたのでフランの部屋に残し、3人は食事処でせっせと働いていた。


食べに来ているお客さんはというと、男の子を2人連れている4人家族と、若い男性、そして、前に武器を忘れた上半身裸のムキムキな男性2人も来ていた。


フランの聞き耳によると、男性2人は王国を目指して酔いながら道を歩いていたのだが、テントで寝て目が覚めたあとに、「やっぱり村にしばらくいよう。」と戻ってきたらしい。


「がーっはっはっは!やっぱりここで飲むビドゥは最高だぜ!」


「まったくだ!でーっはっはっは!」


2人は豪快に乾杯をしてグビグビとビドゥを飲む。


「ここも猫が招いたらお客さんがたくさん来るのかな?」


フランは2階の階段を見つめてボソッと言った。キトは招くことをせず、フランの部屋で寝ている。

次に彼女は食事処を見回す。


「ハァ、ハァ。ここは天国ぅ!」


筋肉質な男性の近くでベルはハイテンションでクルクルと数回回り両手を上げて万歳みたいにして、片足を上げるポーズをとって舞い上がっていた。

フランはその光景を不思議そうに見ていたが、スルーすることにした。


「ねぇ、パパ!僕、甘いものが食べたい。」


「よし、いいぞ!好きなものをたくさん食べなさい!」


「すみませんー!マシュメロくださーい。」


家族連れの父親が右手をあげて、子供が食べたいものを注文する。


「あいあいさー!」


それにたいしてベルは敬礼みたいなポーズをして厨房に入っていく。


(甘いものか・・・・・。私も食べたいな。何か材料を摘まみ食いをしよう。)


フランはニシシと笑い、ベルの後を着いていくように厨房に入っていった。




ー(幕間)ー




「フラン様?何をしているのですかぁ?」


自分と一緒に入ってきたフランをジト目で見ながらベルは言った。


「いやぁ~。甘いものが食べたくなってねぇ。確か、ナイトビーのビー蜜があったな、と思って舐めに来たのだよ!」


フランは腰に手を当ててどや顔で言った。ベルは額に手を当て左右に頭を振る。


「はぁ~。仕方ないねぇ。確か、この棚に・・・・・。あれ?」


ベルは棚をガサゴソ探したあとに、ナイトビーのビー蜜の瓶を取り出して驚いていた。


「フラン様!大変です!ビー蜜がないですぅ!」


ベルはとても悲しそうな顔をしてフランに瓶を見せる。フランが覗き込むと、瓶の表面には微かに蜜が付いているだけであった。


「あっ!やべっ!」


フランは何かを思い出したかのように顔が青ざめて目をそらした。


「ん?フラン様ぁ。心当たりがあるのですかぁ?」


ベルはフランの様子がおかしいことに気付き、彼女に聞いた。


「あっ!いや・・・。なんでもない。」


フランは目をそらしたまま答えた。

実はビー蜜はフランが10日前から、夜な夜なこそっとスプーンで皿に移して舐めていたのだ。そして3日前になくなってしまっていたのだった。


(まぁ、近々取りに行けばいいか。)


フランはなくなったときにはそう思っていたのだが、そのあとすっかり忘れていたのであった。


「そうだ!ちょうど夜だし、私がナイトビーの蜜を取ってくるよ!ついでに、ビーの巣も取ってこようかな。」


「あっ!ちょっと・・・。フラン様ぁ!」


フランは言うことを言ってからすぐに厨房を出た。ベルはフランの不振な行動の理由が知りたかったのか、呼び止めたのだがフランはすでにいなかった。




ー(幕間)ー




「ねぇ、ラジル。私は今から森に行ってナイトビーの蜜を取ってくるから、後はよろしくね。」


フランは大声で言いながら、レジの下にある愛剣のルーキーソードを取り出した。そのフランを何となく見ていた上半身裸のムキムキな男性2人は、ギョッとしてフランを見る。


「おい!お嬢ちゃん。死にに行くのかい?」


「ううん。私はまだ死ねないよ?だって17歳だし、まだ子孫繁栄もしたいし。やりたいこともあるんだよ。」


「なぁ、お嬢ちゃん。夜のモンスターは危険だぜ?夜はキョッボウベアーよりも強いモンスターも出るし、昼のモンスターだって月の力で昼間の2倍の強さになっている。」


「うん。知ってるよ?」


心配をしてくれている男性とは違い、フランはなんでそんな当たり前のことを言うの?みたいな感じで不思議そうにしていた。


確かに10代の見た目がか弱い少女が、最弱の剣を持って外に出るのは自殺行為である。ムキムキな男性2人は何度も行くのを辞めるようにいったのだが、フランは「行く!」の一点張りであった。


「まったく!強情なお嬢ちゃんだぜ!」


「そうだな。では、俺達もついていくぜ!」


男性2人はお互いに顔を見合わせて頷いた。


「えっ?ついてくるの?私は一人で大丈夫だよ?」


「いや、そういうわけにはいかないぜ!ここアジュウには、誰だか知らないが忘れ物を届けてくれた恩もあるしな。」


そう言って男性2人はビドゥ代をテーブルに置き、壁に掛けていた大きな斧と大きな剣をそれぞれ持った。


フランは一人で行きたいと言ったのだが、男性に『じゃあ、俺達が行くのを止めるか、一緒に行くか選べ。』と言われたので、仕方なく3人で行くことになったのであった。

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