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幼児退行  作者: 藤原
全ての始まり
9/104

施設の説明

二日目の朝、二人はベルの音に起こされた。


起きてすぐに朝食が出された。


味噌汁とご飯、ヨーグルトもあった。

夜もそうだが、健康的である。


量もそこまで多くないので、15分ほどで食べ終えると職員が部屋に入ってきた。


そして職員は少し急いだ様子で言った。


「今からこの施設の案内をするから、ついてきなさい」


最初に案内されたのは、大広間だった。


この大広間は、メインとなる棟の一号館にあ

りかなり広かった。


俺の目測でも二百人は入れるような広さはあった。

しかもそれは最大人数ではなく少なく見積もって二百人だ。

建物の規模が違うと感じた。


そして職員は大広間の説明を始めた。


「ここで様々な更生プログラム行事や説明などのいろいろなことを行う。

暫くは使わないだろうが場所は覚えておけよ」


次に案内されたのは、一号館の二階、三階に

ある教室だった。


「ここは、見ての通り教室だ。

しっかりとここで勉強してもらう」


教室の次は、グラウンドに案内された。

そのグラウンドもしっかりと整備されれてい

て広かった。


400メートルのトラックもあったしサッカー

コートもあった。


そのままずっと、いくつかの建物を回った。

そして最後に案内されたのは、A棟。


ここだけ六号館ではなくA棟となっているこ

とに二人は違和感を感じた。


A棟は医療設備のある病院のような棟だ、

職員は自慢げに言った。


「ここはこの施設の病院だ。

手術から応急手当て、なんでもできる。


さらにさらに医療機器も最新だ。

ここで治らないものはない!


…流石にどこか失った部分を復元するのは無理だが」


最後は自慢気にではなく少し残念そうに言った。


俺が見ても明らかにヤバそうな薬品がたくさん保管されていた。


そこでこんな質問を職員に投げかけた。


「一体こんなにたくさん医療機器があってそんなにこの施設には医療機器が必要なのですか?

そして一体いくらかかっているんですか?

この医療機器を揃えるのに」


「ん?


んーそうだな…


この施設に国から貰っている補助金は年間

三億。


でもこのA棟だけは特別に年間60億円は貰っ

てるらしい。


それにしても改めて考えるとすごいな!

さすが国の運営なだけはある」


そう言うと職員は豪快に笑った。

豪快に笑うと顔が一瞬で真剣な表情になりこちらを見た。


「君の最初の質問には答えることができない」


そして和人はもう一つ質問をぶつけてみた。


「あの…」


「何だ?」


「俺たちこの施設に来てから職員の人以外誰

一人として、入所している人を見ていないん

ですけど他の入所者はどこにいるんですか?


まさか俺たちが最初の入所者だと言う訳では

はないですよね?」


「お!

鋭いね。

その通りだよ。

君たちが最初の入所者だよ!」


「えぇ!!!」


「あははは、冗談だよ、冗談!

それにしてもこんなに驚くとは思わなかった

よ。

安心していいぞ。

この施設には、だいたい120人は入所してい

るはずだ。

まぁいま見ないのはそのうちわかるさ」


そしてその後も少し自慢を聞かされてやっと

案内が終わった。





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