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幼児退行  作者: 藤原
全ての始まり
8/104

身体検査

「まずは君たちの持ってきた荷物を見せて」


部屋に入ると職員にそう言われた。


手荷物検査だ。


そして職員は荷物を入念に確認するとスマホを見て和人と美香を見て言った。


「悪いけどこれは出所するまで預からせてもらうよ」


他の荷物も大半はそうだった。


持ち込みの許可が出たのは筆記用具くらいだ

った。


そして次に美香と空間が仕切られると

「脱げ」と言われた。


和人は聞いた。


「どこまで脱ぎますか?」


職員は表情一つ変えずに答えた。


「悪いが全てだ


この施設ではないが昔、下着の中に物騒なも

の入れていた奴がいてそのせいだ。

悪いな」


そして言われた通りに脱ぐとジロッと見られ

た。


「問題ありません」


この一言で和人はホッとした。


職員は続けて言った。


「よし問題はない。

それではこの服に着替えてもらおうか」


そう言われて手渡されたのは、ジャージのよ

うな服だった。


動きやすそうな服でもあったし、色も紺色と

普通だった。


美香も全部脱がされていた。

しかし女性の職員で検査をしていた。

当然といえば当然な配慮だった。


そして美香もジャージに着替えた。


二人とも検査が終わると今度は、別の建物の

教室のような部屋に連れていかれた。


そして職員から少し驚きのことを言われた。

「これから君たちの学力を図るためのテストを行う。


問題は小中高の問題だから多いと思うが頑張

ってくれ。


教科は英数国理社の順で行う。


時間は一教科あたり70分。


間の休憩は10分昼食は英数国が終わったら取

る。

時間は50分。

それでは始めてくれ」


そうしてなぜかテストが始まった。


テストは結構簡単な問題から応用問題まであ

った。


しかしあまり解けなかった。

英数国全て同じような感じだった。

昼食の時美香は「和人わかった?私、全然分からなかった…


これできなかったらなんかあるのかな?」


「それはないと思う。

ただ俺たちの学力を図っているだけだよ」


和人はこう答えた。


その後理社も終わるとしばらく、待機となった。


30分くらい待っていると、結果が返ってきた。


そこには田中和人、全国平均は超えている。


成績としてはトップレベルといっても過言で

はない。

ただし、高校からは明らかに勉強をしていな

い解答が見受けられる。


よって高校の内容をしっかりとやるべきである。


また、中学校も所々抜けているところがある

のでそこは復習をするべきである、と書かれ

ていた。


美香もショックを受けていた。


藤野美香、全国平均を下回っている。

小中高レベルいずれも不合格。

しっかりとやり直すべきである。

と書かれていた。


「以上がテストの結果だ。


これから精進してほしい」


テストの結果が言われたら、二人は移動した


「見終わったか?」と問われた。


そして「はい、終わりました」と答えると


「移動する。


荷物を持って外に出なさい。」と言われた。


そのまま二人は別の棟に移動した。


その棟は、外観は大きく、清潔だった。

中も綺麗だった。

そこは学校のような感じであった。


ただし学校とは少しちがう雰囲気も醸し出し

ていた。


そしてある部屋の前で職員が止まった。


「ここがお前たち二人の部屋だ


綺麗に使いなさい」と言って中に入れらた。


そして「今日はもう夜飯を食って寝ろ」


この施設の詳しい説明は明日する」


そう言って鍵を閉めた。


部屋の中は綺麗だった。


二段ベッドに机も二つあった。


なぜか美香と一緒に入れられた。

トイレは一応分かれていた。


つまり部屋の中にはあるが個室のような状態

になっていた。


そんなことを思っているとすぐに、夜飯が運

ばれてきた。


メニューは普通に味噌汁とお菜それにご飯に

少し大福もあった。


野菜もたっぷり入っていたので体には良さそ

うだと思った。


二人は食事の途中で会話をしていた。


「和人、この施設誰も入所している人がいな

いのかな?」


「まさか、そんなわけないさ。


どこかで勉強でもしてて会えなかっただけだ

よ。


そんな心配はしなくても大丈夫だよ!

きっと」


実際和人も感じていた疑問だった。

なので美香に不安を悟らせないように少し笑って答えた。


「それにしても、この部屋綺麗だね」


「俺の部屋よりよっぽど綺麗だよ」


「当たり前じゃん。


だって和人、部屋片付けてないじゃん!」


「でもそれは美香も同じだろ?」


「それはそうだけど〜」


「でも友達みんな片付けてないな」


「私達の友達はみんなヤンキーじゃん。


あいつらが片付けらわけないよ」



「それもそうだな。

まぁあいつらはヤンキーうんぬんっていう問題よりも片付けるのが苦手っていう元来の性格が影響しているような気がするけどな。


もっともヤンキーの例しか出せないことに問題がある」


その一言は美香には結構辛いようだった。


「そうだね…」


美香から明るさが消えた。


しまった。

少しまずいことを言ってしまった。

美香はそうならざるを得ない環境だったんだ…

俺とは違う。



この日はそのまま会話の途切れて気まずい雰囲気のまま消灯した。




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