入所の日①
いよいよ入所する日となった。
朝一番で警察署に行くとそこには美香もいた。
和人はやはり一緒に送られるのかと思った。
そして警官から言われた。
「大丈夫か?
忘れ物があれば今なら取りに帰ることができ
るぞ」
美香と和人はこの警官は優しいと感じた。
そして答えた
「一応確認させてください」
警官は優しい声で言った。
「分かった。
時間はあるから焦らずゆっくりと確認してくれ」
そして何も忘れ物がないことを15分ほどかけ
て確認した。
終わったら警官に 二人は言った。
「「終わりました。大丈夫です」」
すると警官は
「よし、出発しようか。
まずは護送車に乗ってと言いたいところなんだけど、今から使わなくちゃいけないから、警察のミニバンで行こう。
ほらよくニュースで犯人が乗せられてるワゴ
ン車だよ。
それじゃぁ乗って」
そう言われて二人は乗った。
乗って席に着くと、あんまり僕もしない方がいいと思うんだけど、ルールだから…。
そう言うと警官は手錠を取り出して和人と美
香にかけた。
ただこの警官はそこまで閉めなかった。
痛かったら言ってくれ。
とまで言ってくれた。
運転席からは君たちの話し声は何も聞こえな
いからなに話しても大丈夫だからな。
と言って、運転席に乗り込んだ。
そしてエンジンをかけて、とうとう出発した。
和人と美香はこれから少なくとも約16年は
自由なことはできなくなる。
社会から遮断されるのだ。
出発して2分くらいして美香が話しかけてき
た。
「私たち今からすごい長い時間自由じゃなく
なるんだね…。
そう思うとこの手錠の重さがよくわかるよ。
それにこんな姿人に見られたくない。
でも和人とはお互い様かな。
そういえば和人はどんくらいの期間なの?」
「んー俺か?
俺はな最短で16年だ。
長いよ。
今更なんであんなことしたんだろうって思っ
てる。
美香はどう思ってる?」
「そっかー私の16年と同じか…。
最短は。
私はやってしまったことには常に後悔をする
と思う。
でもしたことはしょうがない。
潔くやっていくしかないよ…」
そう言う美香は少し不安そうな趣をしていた。
当然といえばそうだ。
和人も不安そうな面をしていた。
「未成年矯正施設ってどんな感じなのかな?
和人は知ってる?」
「知らない。弁護士も知らなかった。
でも多分スパルタでしごかれたり反省させら
れたりとかそんな感じだと思う。
気になるのはまだその施設ができたから2年
しか経っていないと言うことかな」
美香は「きっと沢山怒られて走らされてボロ
ボロになるのかな」と笑って言った。
「もしかしたら俺らが思っているのと違って
いたりして」
「でもそんなんだったらどんなことするの?
ひたすら社会勉強?」
「それはそれで怖いな」と笑いながら和人は
言った。
時間をみると、出発してから一時間くらい経
っていた。
美香は「もうこんなに経ったの!?
短いね。
もうすぐこの住宅街ともお別れだね。
私、もう和人と会えないのね。
ねぇ和人。」
「なに?」
「お互いに出所したら結婚しよ!」
「えっ…本気!?」
「本気だよ。」
「今はいいよ。
もし出所した時にも同じ気持ちだったら結婚
しよう。」
「ありがとう。
でも私達もうかなり長い時間会えなくなるん
だね。
さみしいよ」
「仕方ない。自分たちの手を見ればなぜここ
にいるのかすぐにわかる」
そしてすぐに美香は自由な聞かない腕である
建物を指した。
「和人、あれが未成年矯正施設じゃない?」
確かに美香の指した建物は塀もあった。
場所を考えてもほぼそこで間違いなかった。
「そうかもしれない。」
見ていると、塀の門が開いた。
すると車が、門の方に曲がった。
どうやら到着したらしい。
見た感じ普通の建物だった。
ただ未成年とかがあっているだけあって、学
校のような施設もあった。
そして車を止めたのは、一番大きな建物の前
だった。
きっと正面玄関そう思った。
「和人、がんばろう!絶対結婚しようね!」
美香はそう言った。
和人も「おう!絶対結婚する」と言った。
話し合えるやすぐに警官が入ってきてこう言
った。
「大丈夫だったか?今から、この施設の所長
に挨拶しにいくから、降りなさい。」と言っ
た。