活動計画
「私の考えている計画はこうよ。
大型のマシンを使って二人ないしは三人で操作していく。
それで侵入経路なんだけどねこの学校のローカルネットからでは絶対にダメ。
そこでまずはここがどこかということから突き止めたいと思っているの。
だからそのためにすることは、電波の傍受とジャック。
それにはかなりの数の部品が必要になるけど買うわけにはいかないから自作ということになる。
だからその大量の部品を買っていたのでは怪しまれる。
一応パソコンのパーツ集めの一環という目的で私も少しずつ集めているけどまだ、四割くらい足りない。
だから田中君にはまずそれを集めることをして欲しいの。
お願いできる?」
「それを聞くのは愚問だな。
俺はもう覚悟なんてものはできている。
お前の計画が正しいと思う限りは実行しようと思っている。
それで具体的には何が必要なんだ?」
「潔いことに感謝します。
必要なものですけど、パソコンの部品とかなり被ってくる部分もあるの。
まずはーーー」
そうして、稲村は和人に10分にも渡り和人に必要なものを説明していった。
量としては多いと言えるだろう。
しかし、それを言っていては何も始まらない。
なので俺は言われた通りにすることにした。
そして、部品集めに和人達は奔走した。
数日後には部品は集まり組み上げに入りその3日後には完成した。
「とりあえず完成したわ」
稲村が言った。
和人も疲労感と達成感満足感からくる脱力感に襲われていた。
しかし、ここが到達点ではなく今からが本番だとわかっていたので和人は気持ちを引き締めた。
「それじゃ早速電波について調べてみましょう」
そうして、調べていくうちに一時間が経過した。
解析するのに手間がかかっていたのだ。
そこについては和人も領域外のため何も手伝うこともできなかった。
結果的に稲村に全てを任せてしまうことになってしまい和人達は申し訳なくも思っていた。
そして、そこからさらに30分が経過したタイミングで突然稲村が声をあげた。
「何よこれ…ふざけているの?」
「どうしたんだ?」
「これをみて」
稲村は質問には答えずにそう言って画面を見せた。
そこには、電波の発生源と思われる場所が緯度経度で示されていた。
「ここは分かりやすくいうと、太平洋のど真ん中よ。
小笠原諸島の南東200キロってところかしらね。
つまりここは離島ね」
「離島?俺が弁護士に聞いた時には長野か山梨かとにかくそこらへんは山奥にあるって話だった。
それに、実際バスで護送された時についた施設は山奥だった」
和人は驚きを隠すことができず明らかに動揺していた。
それはみんな同じだった。
そして、田村がつぶやくように言った。
「恐らく騙していたのね。
なんのためにかはわからないけど。
でも、そんなところにこんな広大な島なんてあったかしら?」
「多分人工島だろうね。
もしかしたら海の上じゃなくて海底にあるとかもしくは空中に浮いているとかいろんなことが考えうるね」
義孝が言った。
そして、少し下を向いて続けた。
「それにしてもこれでますます所長の目的が分からなくなった…
やることはまだ残っているからとりあえず進めていこうか。
ここまでなら恐らく所長も気がついていないはずだけど次からはやっていることが筒抜けになる可能性が極めて高いのだから…」
「そうね。
ここからが本番よ。
この施設が利用している電波はどうも東京と最もよく接続されている。
だから東京にあるかなり弱いサイトを次々と経由して途中で海外サーバーを経由させれば多分問題はないと思う。
外のサイト大量に閲覧しても怪しまれないように今までたくさんみてきたから。
それじゃぁ始めるけどいいかな?
田中君も準備はできた?」
「こちらは問題ないいつでも始めてくれ」
「それじゃ田中君まずはーー」
そうして、ハッキングが始まった。
しかし、最終的にこの施設のサーバーまでたどり着いたもののセキュリティが硬く侵入は困難な状況に陥っていた。
そして、勇敢にチャレンジしていくこと30分。
ついにその時は訪れた。
そう、施設のコンピュータに侵入することに成功したのだ。
そして、限られた時間の中でできる限り情報をコピーした。
中身など確認しなかった。
「よしコピー終わったぞ!」
「それじゃあ回線を切るわよ」
そう稲村は言い回線を遮断した。
「これでとりあえず終わりなのかな?」
義孝は聞いた。
普段は全く疲労感を漂わせないのに義孝は疲労感が少し漂よっていた。
それだけ精神を使ったのだろう。
「ええ後はコピーしたデータを確認してとりあえずは終了よ。
それじゃ早速見ていきましょう」
そう言いコピーしたデータの入っている記録媒体をパソコンに接続した。
そして、その中にあったデータに和人は少しワクワクしていた。
この施設の真髄に迫ることができると思っていたからだ。
待ちきれずに数とは稲村に聞いた。
「解析終わったか?」
「なによ…これ…」
「どうした?」
「みんなこれをちょっと見て」
そう言って稲村は画面をみんなの方に向けた。
その画面に表示されていたのは明らかに自分たちに向けられた加藤社長からのメッセージだった。
そこにはこう書かれていた。
最初に言ったでしょう?
君たちの行動は全て監視してあると。
すぐにばれます。
この施設のことについて知りたいのなら姑息な手段ではなく正々堂々と攻めて来なさい。
真実がわかればの話ですが。
それではみなさんが無事に退所できる日が来ることを祈って。
短い文章だった。
これが指し示すことは一つ。
「計画の段階から漏れていたな。
監視カメラいや登頂騙されているのか?
それとも俺たちの知らないところで…マイクロチップか…」
和人はマイクロチップの存在を完全に忘れていたのだ。
和人達の体内には現在マイクロチップが埋め込まれていた。
その中に盗聴器くらい仕掛けるのは造作もないと和人は考えたのだ。




