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幼児退行  作者: 藤原
小学生の生活
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再開と夢

美香には顔を赤らめたけど部屋で話すことは伝えた。

美香もそれには承諾してくれた。

だけど、しっかりと話せるかはどうかは自分にもわからない。…でもやらなくちゃいけないだって自分で選択をした道なのだから。


美香には放課後の4時に俺の部屋に来るようにっ伝えた。

承諾を下とは言っても所詮は口約束だから実際に来るかどうかなんて全く分からない。

でもそれでも待つことしかできないだろう。

考えていたずっと不安だった。

昼休みにずっと考えていたら笑った義孝が地下ついてきて俺に話しかけた。


「そんなに不安なのかい?

そんなに不安ならやめてもいいんじゃないかい?でもその時は君はその程度の男だったとしか見られないんだよ。

もし、それでもいいならやめてもいいんじゃないか?

でも、君がそれをして後悔するというのならばしっかりと話をしたほうがいい」


疑問に思った。


「なぜ、俺にそこまでいってくれるんだ?」


義孝は数秒考え込むと顔を上げてしっかりと答えてくれた。


「友達だからだ。

友達ならば時には叱責みたいなことを言うこともできるはずだ。

俺は和人ともそんな関係を目指していきたい。

いや、お前はそう思っていなかったとしても俺はもうそう思っているんだよ。

だから、あんなことを言おうと思ったんだと思う」


疑問が晴れたような気がした。

何か前が見えたような気がした。

これなら美香と話しても大丈夫だと思える。


和人は義孝に軽く目線を送ると、寮の自室に戻ることにした。

しっかりと準備をして美香を迎えようと考えたのだ。


「さてと、美香を迎えるにあたって必要なものはっと。

えーっと…あ、あったあったこれこれ」

そう言って和人が取り出したのはとあるチョコレート菓子だった。

このお菓子は和人自身も好きなお菓子で値段が安いのにコスパがいいと昔からある超ロングセラー商品だ。


その商品は以前の美香は1日に一回は絶対に食べるくらいの好みっぷりだったのだ。


だから、和人はたくさんそのお菓子を用意した。

そして、堂々と美香が来るのを待った。

1分が過ぎ五分が過ぎた。

まだ、美香は来ない。

当然だ。まだ、約束の時間ではないからだ。

そして、常識的には約束の時間よりも少し遅れて来るのがマナーらしい。

理由は、訪問先の人にゆとりを持って焦らせないためらしい。

そのため、早く着くなどマナー的にはもってのほかというわけだ。


ただ、美香がそれを知っているとは限らない。

むしろ知らない可能性の方が高い。


だから、早く来る可能性が高い。

そのように心の準備をしておこう。

そう思った。


「さて、お菓子の次は…掃除か」


和人の部屋は少し散らかっていた。

理由は和人の料理やその他に関するこだわりが強過ぎたせいで、掃除をすることが疎かになってしまっていたのだ。


掃除をすると結構埃がたまっていた。

いろいろも整理をすることも出来たので、ちょうどいい機会だった。


掃除も終わって心がウズウズしていた。

しかし四時を回っても美香は来なかった。

「待つんだ。落ち着け…落ち着け…大丈夫だ」


呟く呟く呟く。しかし、和人の不安はたまっていく一方だ。

1秒が永遠にも感じられた。

と、その時部屋に設置されているベルが鳴った。

そう、美香が部屋に来たのだ。

突然の音に心臓がビクッとして強く鼓動を始めた。

まるで走った後のように。

息は上がっていないのにその時以上の鼓動を打っていた。


落ち着いて入り口に向かおうとした。

しかし、体は震え歩くのが精一杯だ。

それでも、美香に応対しなければならない。

そのために呼んだ。


ドアを開ける。

そこには、思っていた人がいた。美香だ。さっきとなんら変わらない。

昔と変わったところはある。

たくさんあった。

でも、それを聞く意味でも呼んだ。


…なぜそんなに冷徹な目をするようになったのか。

疑問で仕方がなかった。

しかし、和人に今それを考えている余裕などない。


「…来てくれてありがとう。

と、とりあえず上がって」


「お邪魔させてもらうわ。

…あなたの部屋意外と片付いているのね」


相変わらず表情はほとんど変わらかった。


「そ、そうかな。

あ、それよりも俺、君の好きなもの用意したんだ。

まぁ、食べてよ」


そう言い和人は用意したチョコ菓子を出した。

美香はそれを見て言った。

「いつ以来かしらね。それを見るのも。

それと、私の好きなものを忘れていなかったんだ。

ありがとう素直に嬉しいプレゼントね。

それで、私に話があったからここに私を呼んだんでしょう?」


和人はお菓子の入った籠を机に置くと座って真剣な表情になった。


「俺は、いくつか聞きたいことがあった。

だから美香を呼んだんだか。

大丈夫か?」


「ええ私の答えられる範囲なら問題はない」


「でも、その前に言わせてくれ。

長いこと話せなくてごめん。

そして、ありがとう。

君がいてくれたから俺はここにいることができているような気がするんだ」


美香はその言葉を聞くとため息を吐いて言った。


「そっか…私ねもう人があんまり信用できないんだ。

例外なく誰でもね」


「どうして…なんだ?」


和人は驚きを隠せずに質問をした。


美香はうっすらと笑って答えた。


「私が今までどんな風に過ごしていたと思う?

罰則と言う名のひどいことをされていたのよ。

それも今、教室にいるいやもっと限定すると、同じ部屋にいた人数人にね。

もちろん何かしたら私も誰かにそれをしなくてはならなかった。

だって、私がしなかったら…私も同じことをされたから」


最初こそ笑っていた美香もすぐに涙目になっていた。


…俺がいたところでは懲罰はあったがそんなことはなかった。

なんだ?人によって待遇が違っているのか?

それの基準は一体なんなんだ?

そして、美香もここまで精神的に疲弊してしまう懲罰とはなんなんだ?


そう思うと質問をせずにはいられなくなってしまった。

たとえ美香が起こっても真相を知りたいと思ったのだ。

それがこの施設の本質を知る手がかりになるかもしれないからだ。


「美香、一体どんな懲罰だったんだ?」


そう聞くと美香は明らかに辛そうな表情をした。

「和人には聞かれると思っていたよ。

…分かった言おう。

どうせいつか言おうと思っていたことだ。

今話してもそのうち話しても大差はないと思う」


そう言った美香の顔は何か覚悟を決めた顔だった。

そして、美香は語り出した。

自分が一体どのような環境で生活して来たかを。


衝撃を通り越して驚愕した。

愕然とした。

美香が冷徹な冷たい目になってしまった理由そして、美香が誰も信用できないと言った理由が分かった。


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