初めての授業
午後から始まる最初の授業は、数学小学校風に言うなら算数だった。
俺のやる範囲はまだよくわからないが最初は全員でじっくりと復讐をしていくのだろうと思う。
だから先生は分かりやすい人がいい。
そうして待っていると、チャイムがなり先生が教室に入ってきた。
見た目的には40歳程で身長も高く顔は普通。
しかし物凄いオーラは感じられた。
そして話を始めた。
「私が君たちの数学を担当する堺信之だ。
私の授業ではいろんな生徒を当てるからしっかりと集中するように。
それから先に言っておくが数学が出来るようになりたいんだったらしっかりやる。
これに尽きる。
さてそれでは授業を始める。
まさかとは思うが教科書忘れたやつおらんよな?
おったら手を上げてください。
一応コピーはあるんでね」
そう言ってざっと周りを見渡した。
挙手をした生徒もいなかった。
「いないっすね。
ええっすか?もし今言わないと今日は教科書なしで過ごさなあかんのですよ。
よし、いないようなので授業を始めていきます。
教科書の三ページを開いてください。
ここにあるのは君らも昔習った簡単な足し算、引き算、掛け算、割り算ですね。
所謂四則計算というやつですね。
取り敢えずやって見ましょう。
今からプリント配るんでどこまでできるか試してください。
問題数は50問あります。
時間計っできるかするんで終わったら隣と交換して答え合せをしてください。
それでは始め」
そう言われて問題を見ると確かに簡単なそれこそ小学生ならば誰もができるような計算だった。
50問とは言ってもこの程度の難易度ならば五分もあれば上等。
一体何を考えて10分も取ってあるのか、時間の無駄なのではないか。
…いやこの施設のやることに今まで時間を無駄にする行為はなかったはずだ。
ならば本当にできない奴がいるとでもいうのか?
…今は考えるよりも解くか。
解いてから考えても遅くはない。
簡単に解けると思って油断していた…
これは難問だ…
和人がそう感じたのも無理はない。
最後の問題は四則計算ではあるがそれに手を加えてかなり高度な解き方をしないと解けない問題だったのだ。
数分考えてこんだ後和人は考えるのをやめた。
そしてこのテストが終わるのを待った。
「そこまで。
どうっすかね?
多分最後の問題はできた人はいないんじゃないでしょうか?
もし解けた人がいたらそれは相当な数学の力持ってますよ。
あぁそれからこの問題は証明問題です。
多分これができるのは大学で数学を専攻している人だけなんじゃないんでしょうか?
計算は計算ですが色々と出てきますしね。
もはや計算とは言わへんでしょう。
それでもこの問題を出した理由誰か分かりますか?」
そう言い堺先生は周りを見た。
そして目が合った女子を当てた。
「そこの誰だ?えー」
そう言って名簿を見た。
そしてそれを見るともう一度目線を女子に合わせた。
「稲本わかるか?
答えてみろ」
少し稲本はパニクっていた。
理由は突然分けながらないことを聞かれたからだろう。
どう答えるのか気になるな。
「私は…」
そこで言葉が止まった。
それを見た堺先生は優しい声で言った。
「別に間違っていたからって何もしない。
聞いているのはお前らがどんなことを考えているのかを知りたいから。
それだけだ。
だから、稲本は安心して答えていい」
稲本はそれを聞くと少し落ち着いた顔をして答えた。
「私は力を図るためというよりも私たちの忍耐力を確かためたかったんじゃありませんか?」
「理由は?」
「勘です」
理由を聞かれると稲本は満面の笑みでそう答えた。
堺先生はその答えを聞いて苦笑して言った。
「理由がダメだな。
稲本の言ったことは正解だ。
この問題を出した目的は君達がこれを見た時に諦めずに挑めるかということを見ていたんだよ。
そして、そんなことをした理由は君達が今どれだけ諦めたくないつまり負けたくないという感情を持っているかを知りたかった。
それがあると成績は飛躍的に伸びる。
それもその体だとよく伸びる。
これはデータを見ても明らかだ。
だからこの問題を諦めてしまった者はこれから諦めずに挑戦するということをしていって欲しい。
それでは授業に入る。
そうして授業に入ると、普通に進行していった。
内容は、簡単な計算の復習とその応用。
感覚を思い出していくのにはちょうどいい問題だった。
そして授業の最後に先生は連絡をした。
「今から今日の宿題を配ります。
一応プリントになっています。
明日提出してください。
申し訳ないけども稲本、明日集めて職員室の俺の机に置いといてくれへんか?」
稲本は頷いた。
「そうか、すまんな。
本来これは係の者の仕事だ。
また決まったらしっかりと仕事をしていくように。
また、明日忘れた場合は俺のところに申告しに来るんだ。
それもしなかった場合はそれ相応の対処をさせてもらうからそのつもりで。
はい!それでは授業を終わります」
そう言って挨拶をすると教室を去った。
「さて、と次は…社会か。
清水先生だな。
どんな授業をするのか…見ている感じそんなに悪そうな人には見えないけどどうだろう?」
「おやおや独り言かい?」
その声を聞いて振り向くと、そこには義孝が立っていた。
「なんだよ、
義孝か、驚かせるなよ」
「悪い悪い」
義孝は笑いながら言った。
「あれ?本気で怒ってる?
もしそうだったら悪かったな。
でも、マジで面白かったんだよ。
和人が一人でぶつくさ言う姿がさ」
「そんなに面白かったのか…」
「一人で何時間でも腹抱えて笑っていられるくらいには面白かった」
「そうか。それなら仕方ないな。
それよりも次は社会だな。
どう思う?!
「どうって。
普通なんじゃない?
さっきの堺先生?も普通だったし。
あの人が特殊とは考えにくいし第一それなら、さっきあんなこと言わないだろう」
それは俺も思っていたことだった。
もし本当の悪人なら、そんなことはしないと言い切れるくらいのことを言ったのだから。
そして始まった社会の授業では最初に清水先生から少し長めの連絡があった。
「私の社会ですが、挙手してもらうことはありますが特に当てると言うことはしません。
それから、提出物に関してですが忘れた場合はまた、申告して持ってきてください。
テストの時にノートも提出してもらいますのでしっかりととっておいてください」
そう言うと、じゅぎょうがはじまった。
授業は滞ることなく進みまた、本当にまた誰も当てずに丁寧に解説をしていった。
わかりやすい部類と言える先生だった。
これは当たりだ!と思った。




