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幼児退行  作者: 藤原
小学生の生活
31/104

対処の仕方

「さて、これで全員グラウンド3周走ったな。

今日は初めて走った。

だから、スピードは問題にしないが次回からはスピードも見ていくから注意するように。

また、遅刻や集合の遅れなどがなくても体育の授業の時なはウォーミングアップとして絶対に一周は走ってもらう。

俺がチャイムが鳴っても来なかった場合には各自で走るように。

それでは授業の前に体操だ。

全体体操体型に開け!!」


天宮先生はそう叫んだ。

その合図に従い全員が体操体型になった。


それを確認すると天宮先生は言った。


「それでは一列目の者は二歩前に出て回れ右。

そのまま真ん中の者の号令に従って、体操!」


そう言われて体操を始めた奴は最初に屈伸、三脚、アキレス腱伸ばし、腕回し、前屈などの無難な体操をした。

もちろんその間の掛け声もしっかりと言って。


体操が終わると天宮先生は予想通りに集合の号令をかけた。

集合し終えると説明を始めた。


「それではこれより身体検査に入る。

身体検査となっているが、基礎体力と身長、体重、視力、聴力、心電図検査、歯科検診、耳鼻科検診、あとは…」


そう言って紙を目で追っていた。


「えー血液検査そして最後に、精神鑑定。

これを行う。

要は基礎体力とお前らの体に何か異常がないかを調べるということだ」


天宮先生がそう言うと、一人の女子が挙手をした。

もちろん天宮先生はそれに反応した。


「どうした。

質問か?」


女子は答えた。

「はい、この身体検査は二回に分けても良かったのでは?

これでは私たちの体力が持ちません。

翌日に支障をきたします」


「確かにそうだ。

だが俺は基礎体力とその他の検査をすると言っただけで何をするかは言ってないぞ。

それこそお前のいうようにたくさんの量をする可能性もあるしない可能性もある。

お前が質問すべきはなぜという疑問よりもどのようなことをするかということを聞くべきだった。

違うか?」


そう言われ質問した女子は俯いて黙り込んだ。


「よしそれでは質問もないので説明を始める。

身体検査の内容だ。

最初に身長体重等の検査を受けてもらう。

それが終わり次第、このグラウンドのここに再集合してそこから50メートル走とハンドボール投げそして、握力を測ってもらう。


今日はそれで終了だ。

君たちの想像する体力テストの残りの種目については次回の体育の授業で行うものとする。


以上だ。

何か質問はあるか?」


さっきと同じような口調だった。


「ないなら今から校舎で検査だ。

場所は別の先生方が誘導してくださる。

それでは解散!」


そう言うと天宮先生はその場を歩いて去って行った。

その佇まいはまるで軍人のようだった。

もしかしたら昔何かそう入ったことをしていたのかもしれない。

そう思った。


そして言われた通りに移動すると一つ一つ検査をした。

屋内でやる検査の中で最後に行ったのは、精神鑑定だった。

今どのような精神状態なのかによって色々と対策を練る気なのだと思う。

これもすぐに終わった。


終わると外に出て体力テストに移った。

この間に会話はなかった。

喋ると怒られるし何よりも罰が怖かったからだ。

この施設では何をされるかが分からない。

なるべく目立たないように過ごす。


そう決めていた。


しかし人数の少ない中で目立たないと言う考えは捨てるべきだった。


それは他の人にも共通して言えることだろう。


その後体力テストも終わり教室に戻ると担任の清水先生が待っていた。

そして、全員が着席をすると話を始めた。


「それではホームルームを始めます。

えー今日はまだ何も決まっていませんので出席番号一番号令をお願いします。

それから本来この役割は室長がやることです。

それではお願いします」


「起立、気をつけ、礼」


この三拍子が揃って号令というものだ」

そして礼をするという一言。

「着席」

この一言がとても重要。


と思っていると連絡を言い始めた。


「はい今日はみなさん一日お疲れ様でした。

初日から強行日程で疲れたと思います。

それでは明日の連絡をします。

午前中は体育館で教員の紹介や理念についての説明です。

午後からは平常授業が開始されます。

詳しいことは教室の後ろに掲示してある時間割を確認してください。


授業後は三時間程で校内案内そしてこの学校の仕組みについてお話をします。

それで放課後が明日は7時半になりますので覚えておいてください。


連絡は以上です。

今日は早いので遊んで入っても構いませんが門限は守ってください。

もし門限を過ぎると大変なことになりますからね。


それでは号令をお願いします」


そう言って号令を掛けさせると、清水先生は足早に教室を出て行った。

どうやら掃除などはないようだった。


俺は何があるのかよく分からないのでとりあえず帰ることにした。

周りも同じだった。

体は小学生でも脳は高校生。

いや、生きている時間だけならもう立派な大人だ。

しかし体自体が戻っているために精神年齢もかなり逆行している部分があった。


そのいい例が遊びの嗜好だった。


俺自身走り回って遊ぶのが好きだ。

他もそうだ。

そして我儘が増えた。

これは幼児化した大きな影響の一つだ。

そんなことを考えながら歩いているとすぐについた。


今住んでいるのは寮のようなところだった。

一人部屋ではあるが、まだ夜11時になると部屋の鍵が閉められてこちらからは出ることはできなかった。

もちろん出られたとしても、この個室がフロアにもエレベーターなどの外に出る設備のあるところには手前に鉄格子があり、そこも時間になると施錠されていた。


もしもその時間に間に合わなかった場合は問答無用で懲罰棟に放り込まれた。

そこでは反省文原稿用紙20枚を書いてからもうしませんと大声で叫ばされた。


そしてこれは機械がしているがケツを棒で叩かれた。

それはもう真っ赤になるくらい。

それが終わると寝かせてもらえるが、懲罰棟は牢屋といってもいい空間だった。


鉄格子で囲まれて圧迫感のある狭さ。

さらに枕はあるが布団はなかったので硬い床で寝る必要があったのだ。


対して普段いる部屋は施錠されているとは言っても不自由はなかった。

風呂もトイレも付いていた。

さらに簡易的なキッチンもあり自分でお茶など入れることができたのだ。


さらに部屋にはベッドに机、エアコンまでもがあった。

エアコンは自分でつけたいときにつけることができた。

ただし、温度によって勝手に消えたりはするが、それでもかなりいい設備の個室だったのだ。


しかし、だからと言ってそんな空間を与えられてもうかうかすることはできなかった。


すみません。

書くのが遅くてこの時間になりました。


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