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幼児退行  作者: 藤原
警察
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屈辱

 美香も当然のように派手な格好をしていた。


 しかし警察の前ではそのような格好も突っ張りも通用しなかった。


 当然のことだ。


 さすがに女子なの坊主にはされなかったが

 それでもショートカットにされた。


 服装は逮捕されていて留置されているので、

 グレーのジャージのようなダサい服装だった。


 その状態で一日を過ごすのだ。


 しかも起きている時間の三分のニは取り調べ

 を受けている。


 その取り調べの最中は腰縄をされていた。


 移動するときには手錠は必ずされていた。


 それも、かなりきつく…。


 痛いと言っても、緩めることはできないとい

 われた。


 トイレに行くときさえも入り口で見張られて

 いた。


 これが犯罪者なのか…と感じていた。


 和人は、その頃面会をしていた。


 相手は、友達だった。


 そして言われた。


「和人、お前がこんなことをする奴だとは思

  わなかった。


  はっきり言ってやる。


 お前のした放火で焼けた家のうち一軒は俺の

 家の持ち物だ」


「…な、何だと!?」


 和人は思わず大きな声をあげた。


 そして友達は冷徹に言い放った。


「驚いたか?


 だけどそれが事実だ。


 お前はそんなことをしていたんだ。


 親は何を思ってるだろうな…。


 だけど今日来たのはそんなのを話して和人を

 責めるために来たんじゃない。


 別に俺の家が燃えたと言っても住んでるのが

 燃えたわけじゃないしな。


 どっちかというと怒ってるのは俺の親だな。


 本題に入ろうかな。


 今日来たのは和人を励ましたいなと思ってさ。


 多分これから大変なことになると思う。

 損害賠償は泣き寝入りしてもらうしかないがな。

 きっとこれから裁判とか色々あると思うんだ。

 その間に、多分高校も退学になると思う。


 でもそれでも頑張って欲しいんだ。


 裁判で情状をして欲しかったらいつでも頼んでくれ。

 いや、俺に頼んでくれ!」


 和人は疑問に思ったことをぶつけた。


「何でだ?


 何でこんな俺を見捨てようとしな


 いんだ?」


「何言ってるんだ?


 友達だからだ。」


 その言葉に和人はとても嬉しく感じた。


 すると突然看守が大きな声で怒鳴った。


「432番時間だ」


 時間制限は容赦なくやってくる。

 たとえ話の途中であっても…。


 和人は友達に「時間みたいだ。今日はありが


 とう」と言った。


 友達は「おう!またな」と言った。


 その間に和人は、手錠と腰縄をかけられてい

 た。


 その瞬間和人は、友達にこんな姿を見せてし

 まったという恥ずかしさを感じた。






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