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幼児退行  作者: 藤原
和人の過去
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一つのかけら

適当に男達との会話を流していた。


そして歓迎会も終盤に差し掛かった頃に話しかけてきたのは男ではなく女子だった。


「君が田中和人くん?

私は藤野美香。

よろしくね!」


「女子もこのグループにいたんだ」


「いるのが意外だった?

理由はそこにいるリーダーさんに聞いて」


「そうかそうするよ」


そう言って立ち上がり、五十嵐に聞いた。


「このグループに女子がいたんだな」


五十嵐は笑って答えた。


「あぁいるよ。

あいつはちょっと家庭事情が特殊だ。

変な誤解を生まないために説明しておこう。

彼女は父親から家庭内暴力を受けていた。

だからその、人格が壊れてしまってな。


俺が最初に会った時にはひどかった。

敵意むき出しだったからな。

すぐにでも殴られそうだったよ。

殺気も感じたしな。

でも殴り合いなら男女の差のおかげで俺が勝つ。

結論から言うと勝った。


そしてこのグループであいつらと過ごしているうちに、感情が戻ってきているんだ。

それでもまだ怒らせたりするとやばいし今は二重人格に近いな。

あいつは俺らの中では一応戦闘力高めだし特攻隊のトップだ。


まぁこのグループの幹部だな。


だから何が言いたいかって言うとあいつの事情を知った上でそこに触れずそして何もないように接して欲しいんだ」


五十嵐は和人の目を見ながら言った。


俺は答えた。


そう返事をするべきだと思ったから。


「そうだったのか。

分かった。


それもそうだが今日はありがとう。

すっかり遅くなったな」


「泊まってくか?」


「いいのか?

ちょうどよかった。

今家に帰ったら大変なことになっていたよ」


「分かった。

準備しとくから、少しそこらへんのゴミとか片付けておいてくれないか?」


「泊まらせてもらうんだからそれくらい当然だよ」


「助かる」


五十嵐はそう言うとリビングから出て行った。


「さてとやりますか!」


俺は言った。

多分誰にも聞こえていない。

でも言いたいから言った。

それだけだった。


そうして和人はリビングのゴミをテキパキと片付けていた。


もともと掃除には慣れていた。


そうして暫くしていると五十嵐が戻ってきた。

そして五十嵐は言った。


「だいぶ綺麗にしてくれたな。

ありがとう。

風呂入れたから入れよ」


「それじゃぁそうさせてもらうかな」


そして、風呂に入った。

風呂は高く気持ちのいいものだった。

当然だ。

その日の疲れを癒してくれるものなのだから。


風呂から出ると五十嵐には感謝の言葉を伝えた。


「五十嵐、ありがとう。

感謝してる。

俺を仲間にしてくれたこと。

この空間に入ることができたのはこんなにも心地よい空間に入れたのは五十嵐のおかげだ。

ありがとう」


言葉では言い表せない感謝だった。


「僕は君がそう思ってくれるのならそれは本当に嬉しいことだな。

こっちが感謝したいくらいだよ」


そうして始まった生活。


成績は伸びた。

しかし遊びも全力で行った。


参謀としても、グループをいい感じに導くことができた。

美香とも仲良くなることができた。

仲間とも打ち解けあって楽しく過ごすことができた。

親ともなんとか和解することができた。


そうして三年が過ぎていた。

大学もどこに行こうかと考えていた矢先の出来事だった。


それに対する衝撃とショックは大きかった。

全てのものが消え去るような感覚に陥った。

今まであった大切なものが簡単に崩れてしまった。

そんな感覚。

それを知った時頭の中が真っ白になった。

何も考えられなくなった。

死のうかとも考えた。

この世に絶望を覚えた。

怒りを覚えた。

何もかも放り出したい気持ちになった。


そして放り出した。


短いですがごめんなさい。

ただ最後の方の意味がわかった方は今までの流れを知っている方だと思います。


僕の書く話は自分が描きたいように書いているので結構わかりやすい構成になっているはずです。

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