野心
何とか10000pvに到達しました。
もっとたくさんの人に読んでもらえるような作品にしていきたいです。
また、感想、評価お待ちしています。
これからも週一の更新ではありますが書いていきますのでよろしくお願いします。
「所長今の言葉はどのような意味なのでしようか?」
鈴木の声は震えていた。
まるで目の前で何かに襲われているかのような震えだった。
そんな鈴木に加藤所長は微笑んで言った。
そのせいで鈴木の恐怖は増幅されていた。
「そのまんまの意味です。
私にとっては有益かと言うことですね。
何がそんなに怖いんですか?
鈴木くん」
「あなたがそんなことを言うなんて…」
鈴木は後ずさりしようとしていた。
とその時少し普段より低い所長の声が聞こえてきた。
「…鈴木君どこに行くんですか?
まだ私の質問には答えてもらっていませんよ
私に聞かせてください。
話したいことはたくさんありますからね」
加藤所長は普段と違い、オーラがドス黒く感じられた。
「私は…私は貴方が己の野心のために動くなんて聞いたことがありません。
なのに今日その言葉が飛び出してきた。
私は驚くと同時に普段の貴方と違う雰囲気を感じたのです。
だから私は怯えているのです」
「なるほど。
つまり私はいつもと違うと、そう言いたいわけですね?」
「その通りです。
何があったんですか?」
「何もありませんでしたよ。
これは私の本音です。
私も人間だ。
野心を持たないはずがないでしょう」
「それでも、それでも私には信じることができない」
「貴方は何もわかっていない。
人間をそして私を。
当然といえば当然です。
私もそんなことを言ったことは今までありませんからね。
ですが、誰が何と言おうとも私は私自身の目的のために動く。
そのためには、汚れ仕事もやりますよ」
「そんな…」
鈴木はまだ現実が受け入れることができない様子だった。
ただ慣れてきたのか顔面蒼白で体が震えることはなくなっていた。
「つまり私は加藤所長の見えなかった部分を今知った。
そういうことですか?」
「はい。
そのような認識で構わないと思いますよ」
「それだとしたら貴方の目的は一体何なのですか?」
「私の目的ですか…。
私の目的はすべての計画が終わってからにしたい。
そもそもこの研究が半分くらいの成果になったら自然にわかるでしょう。
だから…」
鈴木は加藤所長の言葉を遮って言った。
「それでは遅いんです!
あなたはなぜこんな研究をしようとお考えなのですか?」
「どうしてもしりたいというんですか?」
「その通りです。
しかしそれを話すには私自身も心の準備そして物理的な準備時間も必要です。
なので話すのは明日にしてくれませんか?
そしてその話はかなりの長くなります。
それでもよろしいですか?
これを聞いてもこの施設をやめないでくださいね。
私は信じています。
貴方が衝撃を受けすぎて、混乱しないことをそして短絡的な行動に出ないことを」
「私は貴方の言ったようなこのにはならない。
絶対にです」
「ほう?
本当ですか?
もし一ミリの動揺がなかったや私はすごいと思いますね。
そんな人はよっぽどメンタルが強いか話を聞いていないかの二択です」
「そうかもしれません。
しかし所長あなたはもしかして和人君と美香さんにはそれを打ち破るような力を感じたのではないですか?」
「本当に察しがいいですね。
君は。
一体何者なんですか?」
軽く呆れたような笑いを浮かべて所長は言った。
この人は一体何を考えているのかはわからない。
ならばなぜ和人君の美香さんの二人に執着するのか、それだけでもいや本当に少しでもいい。
とにかく情報が欲しい。
ならば私が為すべきことは…
「私はただの研究者ですよ。
それより貴方こそ何者なんですか?
私にはただの出世した公務員には見えませんがね。
和人君きっと気になっていると思いますよ。
私の言葉に対しても何より貴方の言葉に対して。
恐らくあの子は気づいてしまったでしょう。
この研究の裏に隠された陰謀があることに。
私はこの国のために必要なこと。
研究者を騙すのにはそれで十分なことだと思います。
しかし貴方は知っているのでしょう?
この研究に隠されている陰謀を。
いやもしかしたら貴方が主だって進めているのではないですか?」
加藤所長は少し焦った顔をした。
そして手が震えていた。
馬鹿な…
しかし私の計画に気付くものなどいるものか。
今バレたら全てが終わる。
私が30年近くかけて進めてきたこの計画を崩されてたまるものか。
もしこの計画が頓挫しそうになったらこの若造は真っ先に消す対象になるかもしれないな。
こんなところで立ち止まっているわけにはいかない。
ここは慎重にいかなければならない。
「それを知ったところで貴方はどうしたいのですか?」
「単純に興味があるだけですよ。
お気に障ったのなら謝罪しますが」
「いえ構いませんよ。
研究者ならそれくらいの探究心がなくては困りますしね。
私への用はそれだけですか?」
「元は所長が私を呼んだのですが…」
「おっとそうでしたね。
しかし私が抱いていた疑問は消えました。
和人君のことよろしくお願いしますよ。
少なくとも彼は後3年は動けない。
今できることを最大限進めておいてください。
時間はあまりありませんよ」
「…わかっています」
鈴木は一言そういうと部屋を去っていった。
この計画に勘づき始めているな。
何で感の良さだ。
しかし、それも優秀であるという証拠。
これは思っていたよりも早く進むかもしれない。
和人君には陰謀があるといったようなもんだ。
あとは彼がどう動くかによって全てが変わってくる。
しかし面白いことになった。
君の意思と私の意思、どちらが強いかの勝負です。
和人君、美香さん!




