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母の家
買い物を済ませ母の住む家へ向かう。
何とも言えない不安や恐怖心を抱きながら、知らぬ土地を歩く。
いつか自力で帰れるように周囲をキョロキョロと見渡しながら、、、
「もうつくよ、今日からここがお前の住む家だ」
その母の言葉を受け、前を向く。
二階建てで、一階部分が居酒屋になっており、横にある階段を上がると玄関があった。
「左奥の部屋は居候の部屋、その手前がお兄ちゃん、右奥がお姉ちゃん、手前がお母さんよ。
お姉ちゃんの部屋はほぼ物置になっていて、お母さんの部屋で一緒に寝ているから、お前の荷物もお姉ちゃんの部屋に置いておくね」
『…わかった』
私はすぐにでも帰りたい気持ちが強く、荷物が入っている段ボールから必要最低限なものだけを取り出し、物置部屋に籠った。
これからずっとここにいなければならないのか、うまく母たちとやっていけるのか、どうやったら帰れるのか、様々な思いや考えが頭の中を一斉に巡り感傷に浸る。
自然と涙がこぼれ、携帯を握りしめ、梨花たちに到着したことをメールで報告した。
それから顔も何も覚えていない母、姉、兄たちとの生活が始まり、中学校の転校手続きを行い、児童相談所の新しい担当者とも顔合わせをした。
母方の祖父母や、叔父にも顔を見せに行き、知らない人ばかりで辟易する。




