1。出会い
普通の学園モノ予定です。
「ぼくの神様」と平行して頑張ります。
唯我独尊、自己中心、美人で華麗で、文武両道。
「あんたなんかだいっきらい!!」
「え…だって、君…」
「言いがかりとかいらないから。さよなら。あんたに私は似合わないんだから!!」
お姫様は、ツイと顔を背けて歩き出した。
「ちょ、ちょっとー…!!」
男は半泣き。
彼女の名前は弓藍翡翠。
姫と言うより女王様かしらん…。
「翡翠ちゃ〜ん」
「あぁ、亞胡。なんか用?」
翡翠に声をかけたのは、山居亞胡。
彼女の幼なじみだったり、実はそうじゃなかったり。
「またフッたでしょ。この女王様がっ♪」
軽くウィンク。女王は眉間にしわ。
「うるさいな。ほっといて。別にどうでも良いもの。男って、何?だって、うざいじゃない」
綺麗な顔を不快そうに歪ませて。
何がそんなに気にくわないか。
「その内、王子様が現れちゃうカモよ♪そんな態度だと、その王子様にも嫌われるかも」
ニヤリと笑う。不機嫌さ三割増し。
もちろん当社比。
「王子って、意味わかんない。あたし帰る!」
フッた男にしたように、彼女はふいと不満げに背を向けた。
その時。
ドサドサドサッ−−−。
「わ、わぁっ…!!」
「きゃっ!」
これはほぼ同時。
「何するのよ!!」
先に反応したのはもちろん翡翠。
辺りには、相手が抱えていたであろうプリントとノートが散乱していた。
「す、すいません…。あ、もう本当にすいません」
相手の顔。
綺麗だけど、黒いフレームに厚いレンズ。
いまいちあか抜けない感じ。
うーむ…恋のフラグは立つかしらん…。
「気をつけてよね!」
女王様はおかんむり。
ギロリと相手を睨み付ける。
「本当にごめんなさい。前方不注意で…すいません」
相手は腰を折って、頭を下げていた。
「ねぇ、あなたお名前は?」
「は…?あ、唯牙聡司です。すみません…」
何度も謝る。
「聡司くんね。ほら、翡翠ちゃん。謝ってるし、許してあげて」
「…なんで許すのよ」
本当に不機嫌。
「あ、気分を害させて本当にすいません。これ、良かったらどうぞ。学食の無料チケットです」
そういって、聡司はチケットの束を手渡してきた。
極秘情報なのだが、翡翠は学食が大好きだ。
「…く、くれるの?」
見ただけでも、ざっと五十枚はある。
「良いです。お弁当を毎日持ってきてますから」
「じゃ、じゃあ。貰ってあげる。もったいないしね…。あと、許してあげるわ……」
少し恥ずかしそうにしながら、彼女は言った。
正直驚いた。
女王様の期限を見事に直し、許すことまでOKさせたのは彼が始めてである。
面白いわ。
口元に笑み。
これが女王と騎士のファーストコンタクトなのかしらん♪
ここから先はまた次回よ。
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です。