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第1話 初めまして。勇気あるもの。わたしはあなたをずっと待っていました。

 天才魔法使いの男の子のシロと本の中のひとりぼっちの悪い魔女のエラン


 初めまして。勇気あるもの。わたしはあなたをずっと待っていました。


 忘れられた塔


 古い時代に建設されて、やがて、その塔を建設していた国が滅んでしまって、そのまま忘れられてしまった古い塔がありました。

 その忘れられてしまった塔には、いま一人の男の子の魔法使いが暮らしています。

 天才と言われるその魔法使いの男の子はその塔の中で、たくさんの魔法の本を読みながら、毎日をずっとその塔の中で過ごしていました。(のんきなものですね)

 ある『一人の変わった魔法使いの友達』と一緒に。

 天才魔法使いの男の子の名前はシロと言いました。

 そのお名前と同じ、白い魔法使いの服に身を包んだとてもかっこいい顔をした黒い髪と黒い瞳をした小柄な男の子でした。(猫みたいによく眠って、いつも静かだなと思うと寝ていることが多かったです)

 魔法の学校を飛び級で卒業して、今は子供なのに世界最高の魔法の大学に通っています。

 そして、今はその大学も飛び出して、魔法の勉強をしながら世界を旅していて、この忘れられた塔を見つけて(それはとてもすごいことでした。だってわたしが誰にも見つからないようにこの塔には魔法をかけていたのですから)塔の中で暮らすようになりました。

 シロは今、十三歳の男の子の魔法使いでした。

 シロは今も、雨の降る音だけが聞こえる忘れられた塔の最上階の部屋の中で、ずっと魔法の本を読んでいます。

 分厚い本で、その本のほかにもたくさんの本が、机の上や床の上に積み重なるようにして置いてありました。

 そのたくさんの本は全部、塔の地下にある封印されている古の大図書館からシロが勝手に(わたしの許可もとらずにですよ)持ってきたいわゆる外の世界では『禁断の魔法の本』と呼ばれている本当なら読んだり学んだらしてはいけない魔法の本ばかりでした。

「シロ。暇なので本ばかり読んでいないでわたしのお話の相手になってください」

 とわたしはシロに言いました。

「いやだよ。悪い魔女の言うことは、聞かない」

 と分厚い本のページを(こっちを見たりもしないままで)ゆっくりとめくりながらシロは小さな声で言いました。(わたしはかちんと頭にきました。勝手にわたしの塔に入ってきたくせに。なんて口のいいかたなんでしょう)

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