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魔女が住まう街にて〜Incident analysis by modern witches〜  作者: nashlica
file1:【魔女と欲に溺れる魔術師】 2020年 6月
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第1節 魔女が営む探偵事務所⑤

AM 11:25 北海道警察 中央警察署


 五十嵐(いがらし)さんに案内(あんない)され、遺体安置室(いたいあんちしつ)に向かう。薄暗(うすぐら)()らされている廊下(ろうか)を歩くこと数分(すうふん)、五十嵐さんは(とびら)()けた。

 安置室に入ると、警官(けいかん)らしき人達(ひとたち)敬礼(けいれい)をし、五十嵐さんは遺体(いたい)が置かれている場所(ばしょ)へと(わたし)を案内する。

 ドラマで見るような台に、白い布で(おお)(かぶ)されたそれは、素足(すあし)にタグがつけられその素肌(すはだ)からは生気(せいき)すら(かん)じなかった。


「これが今朝(けさ)、うちに(はこ)ばれた遺体(いたい)だ。法医(ほうい)連中(れんちゅう)が言うには、死後(しご)2日経過(かけいか)してるそうだ」


 五十嵐さんが布を取ると、全裸(ぜんら)(よこ)たわる10代の女性(じょせい)の遺体が(あらわ)れる。見た目から判断(はんだん)して、女子高校生(じょしこうこうせい)と見て間違(まちが)いないだろう。

 (くび)のあたりには、刃物(はもの)で切った(あと)がくっきりと見えてる。(おそ)らくは、こっちが(ころ)した方で間違いないだろう。

 遺体を観察(かんさつ)していると、胸部(きょうぶ)(なに)かの(あざ)がある。本来(ほんらい)なら、あるはずのない痣がなぜあるのだろうか?


「この痣は?」

鑑識(かんしき)調(しら)べだと、関連(かんれん)してる事件(じけん)被害者(ひがいしゃ)の胸部に()()()()らしい。何を(あらわ)してるのかは全く分かってないんだそうだ」


 五十嵐さんが言うには、鑑識でもわからないものらしい。当然(とうぜん)だ。これは魔術(まじゅつ)によって()けられたものだからだ。

 被害者は、これを付けられては、()のままに(あやつ)られ、(よう)が済んだら自殺(じさつ)させたのだろう。

 私は、(かばん)から道具(どうぐ)を出す。(すな)が入った(びん)を取り出し、コルクを開けてそれを左手(ひだりて)につける。

 五十嵐さんたちは、私の動作(どうさ)()を向ける。私は、それを気にせず作業(さぎょう)(つづ)ける。

 小杖(タクト)を持ち出し、砂だらけの左手に向けて魔力(まりょく)を込める。

 すると、左手に(まと)わりついてる砂が反応(はんのう)し、遺体の痣に纏わりつく。


(なん)だこりゃ? 手品(てじな)の類か?」


「砂に魔力を与えて痣を調べさせている(ところ)です。もうそろそろ、(こた)えが出ますよ」


 私は五十嵐さんにそう説明(せつめい)していると、痣が()()てきた。浮き出たそれは、『藍色(あいいろ)』の烙印(らくいん)だった。

 それを()た2人は、呆然(ぼうぜん)とそれを見つめる。


 ――――――――――――――


 そもそも、魔術とは何なのか?

 この(ほし)神秘(しんぴ)具現化(ぐげんか)したものを、『魔術(まじゅつ)』と呼ぶ。

 星の神秘の具現化には、使用者(しようしゃ)(てき)してる『色素(エレメント)』が必要(ひつよう)となる。

 そして、使える魔術も使用者の『魔素(マナ)』に依存(いぞん)することになる。

 基本的(きほんてき)には、『赤 青 黄 緑 橙 藍 紫』と区分(くぶん)されると(かんが)えられている。

 これを『原色(フロントカラー)』と()び、人類(じんるい)はこの7色から基本的には一つは適してるそうだ。

 中には2つ以上(いじょう)適応(てきおう)する者のいるんだとか。

 反対(はんたい)に、『白 黒 灰』に区分されてるものを、『無色(ロストカラー)』と呼ばれる。

原色(フロントカラー)』に相反(あいはん)するもののためか、これを(あつか)うものはそうそういないほど、これらは()(きら)われているくらいだ。

 そして、これら星の神秘を具現化できる連中(れんちゅう)を人は『魔術師(まじゅつし)』と呼ぶ。

 まぁ、大抵(たいてい)は自分の私利私欲(しりしよく)で動くろくでもない奴らしかにいないのだが。


 ――――――――――――――


 と言うわけで、犯人(はんにん)断定(だんてい)した。間違いなく首謀者(しゅぼうしゃ)は魔術師だ。

 何かの媒体(ばいたい)で人を(あつ)め、実験(じっけん)のためにこの烙印を胸部に付けさせ、被害者に犯行(はんこう)をさせたのだろう。


「こ、これが魔術ですか!? すごい! 初めて見ましたよ、これ!!」

「テメェは黙ってろ!! お嬢さん、これがあんたの言う魔術って奴か?」

「はい。これは(まぎ)れもなく魔術によるものです。首謀者はこれを被害者に付けさせて、犯行に(およ)ばせたに違いないでしょう。しかし、疑問(ぎもん)(のこ)ることはまだあります。(やつ)()()()()()()()()()()か。それさえ分かれば、後は楽でいいのですが」


 五十嵐さんは、(ひら)いたかの様に私に質問(しつもん)する。


「それじゃ、あれも同じ手口(てぐち)ってわけか」

「あれとは?」

札幌近郊(さっぽろきんこう)刑務所(けいむしょ)で、囚人(しゅうじん)失踪(しっそう)する事件も発生しているんですよ。しかも、二箇所合(にかしょあ)わせて30人程度(ていど)失踪したそうです」

「それもこれが(から)んでるんじゃないかってことさ。(しん)じがたいが、全部(ぜんぶ)()()()()()()()ことになるな」


 どうやら、他にも奴は関与(かんよ)しているらしい。しかし、なぜ囚人たちが()えるのか?一体、何の(ため)に囚人たちを連れ去るのか? ますます(なぞ)が増えるばかりだ。

 魔術の実験だったら、同じ手を使えばいいのに、そんな手間(てま)をしなくてもいいはずだ。


「とにかく、もう時間だ。早く出ねぇと鑑識に怒られてしまう」


 五十嵐さんの声と共に、片付けを始める。私は、烙印を移した砂を紙に乗せる。私は、五十嵐さんに案内されるように、エントランスに向かった。


色々(いろいろ)とありがとな。また何かあったら頼むな」


「いえ、こちらこそ。では、失礼(しつれい)しま――――」


 警察署を()ろうとした時だった。魔力を(かん)じ、振り向くと学生(がくせい)たちが警察署に()しよせて来た。

 見るからに、男子校生(だんしこうせい)らしい。しかし、()を見ると(うつ)ろな目をしている。

 私は、彼らが手に持っているものを見て、(いや)な予感を感じた。五十嵐さんは、学生たちを追い払おうとした時だった。


 フォンッ。ボッ!!


 五十嵐さんは即座(そくざ)に避ける。なんと、学生から火球(かきゅう)が放たれた。もう1人の学生は、ペットボトルの(ふた)を開けて、飲み物を落とす。すると、水は地面(じめん)に落ちず、私たちに(おそ)いかかる。

 放たれた水は、望月さんを襲う。だが、私は火球を放つことで(まぬ)れた。学生たちは、もう一度魔力を込める。私はその(すき)(ねら)い、火球を放つ。火球は学生の(つえ)を落とし、それを持っていた学生は倒れ込む。学生たちは逃げ始める。しかし、そのうちの1人が逃げ遅れる。私は、その隙に学生の(かげ)に向けて魔術を放ち、学生を拘束(こうそく)する。


「誰の差し金だ?」


 私は、質問(しつもん)をするが、反応(はんのう)がない。学生はもがくが影が拘束されて動けれない。私は小杖(タクト)解呪(かいじゅ)を魔術を唱え、小杖(タクト)先端(せんたん)を学生の胸部に付ける。


 ジュゥゥゥッ。


「ギャァァァァッ!!」っと悲鳴(ひめい)を上げる。しばらくすると、学生は泡を吹いて気を失う。


「キサラギさん!? 今、何を!?」

「これの先っぽに、魔力を与えて解呪を(おこな)ってるところです。付けた(がわ)の魔力が()く側より魔力が(ひく)いと解けるはず」


 五十嵐さんは、私の行動に何かを(さと)る。

 

「どうやら、俺らは()み入れちゃいけねぇ(ところ)に足を入れたみたいだ。それも、あんたがいないとダメなやつに」

「そうらしいですね。五十嵐さん。彼を頼みます」

「分かった。おい望月! こいつを運ぶぞ!」


 望月さんは(あわ)てながら、五十嵐さんと共に警察署に戻る。

 かくして、私は、2人を見送った後事務所に戻るのだった。

次回の投稿は未定です。気長に待ってクレメンス。

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