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魔女が住まう街にて〜Incident analysis by modern witches〜  作者: nashlica
file3:【魔女と信仰を歪めし枢機卿】 2022年 7月
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第4節 魔女が住まう街④

前回までのあらすじ

抗争が終わるが、目が覚めたアルトナは魔力が枯渇してしまい酒を浴びるように飲む。

そこへラスティアが入るが、勢いよく飛びつき、ラスティアの血を吸ってしまったのだった。

PM 6:20 大通公園(ビアガーデン会場)


「「かんぱーい!!」」


 ジョッキを重ね合う音が、鳴り響く。キンキンの冷えたそれは、蒸し暑さが残る夜にはピッタリだった。

 豪快にビールを飲み干すセシリア。どうやら、酒が欲しかったみたいだ。


「いや〜! 無事に終わったわね!! 正直、ダメかと思ったわ!」


「無事に終わったじゃないですよ。始末書の処理にどんだけ時間がかかっと思ってますか!?」


「それに、キサラギさんまで呼んだからって、どんだけピッチャー頼んでるんですか?」


「いいじゃないそれは。あなたもそうでしょう? アル」


 セシリアは、話しながら、私の方に腕を置く。女同士でも、暑苦しいから勘弁してほしいものだ。


「別にいいが、酔い潰れないでくれよ。そこまでは面倒見る気はない」


「ま〜たまた」っと言いながら、勝手に私のジョッキにビールを足すセシリア。配慮というものがないのか?

 だが、勢いがあまり、泡が溢れ出してしまった。急いで拭いてると、美羽とリリィとイロハが、私たちの席に来たみたいだ。


「おぉ! やってるねぇ!! 僕らも混ぜてよ」


「遅いじゃないですか、議長。 もうやってましたよ!!」


 美生とアリスは、3人を席に案内する。すると、ジョッキが二つ追加された。


「僕は飲めないから、君らで嗜んでておくれ。それに、君が来てくれるなんてね」


「ここは私の街さ。せっかくの誘いを断るわけにはいかないだろ?」


 リリィは、オレンジジュースを飲みながら、私に話す。


「まぁ、そうだね。君がいなきゃ、今回の件は最小ですんだ訳だし。感謝してるよ」


「報酬はしかと受け取ったからいいよ。それで? いつこの国を出るんだい?」


「明日には出とうとは思ってますが、セシリアさんのあの様子では、難しそうですね」


 美羽は、セシリア達の方を見る。あんな様子では、帰るのは難しいの取ろうとは思うのは無理もないだろう。


「それで?『グリモワル真書』はどうだったの?」


 リリィは、私に『グリモワル真書』について、聞き出す。


「紛れもない本物だったよ。それを知らず、聖典なんて言ってんだ。馬鹿げた話さ」


「まぁ、奴らにとって、そう捉えたいんだろうさ。それが、敵対組織の開祖の書いた書籍と知ったら、それこそ終わりさ」


「『グリモワル真書』は、模造品でさえ国宝クラスの代物ですからね。それの本物を手にしていたと考えたら、この世の全てを手にしたと変わりませんから」


「そうさ。アレを手にしただけで、魔術世界にとっては富の全てを手にしたと言っていいだろう。だが、アレは一冊では真価を発揮しないさ。

『グリモワル真書』は、9冊揃ってこそその真価を発揮する。

 人間というのは馬鹿なものさ。9冊揃わんといけないものを、たかが一冊手にしただけで、この世の全てを手にしたと勘違いしやがる」


 そんな話をした後、私は、ビールを口に含む。ジョッキが開いた後に、ピッチャーに入れてあるビールを、ジョッキに注ぎ込む。

 その話を聞いた後、美羽は話を続ける。


「では、キサラギさんは何のためにそれをお集めになるにです?」


自分(虹の魔女)を知るためさ。奴が、何のために、いたのか。それを知るためかな?」


「相変わらず、その探究心は強いよね。まぁ僕も、それを知りたいから、君に協力してるんだしね」


 リリィは、オレンジジュースを飲みながら言う。


「それに、この街を君を置いたのは僕な訳だし。そのせいで、この街(札幌)はこう呼ばれてるんだよ」


 リリィの言葉に、その名称は何なのかはわかった。


 ――――――――【魔女が住まう街】


 巷では、この街をそう呼ぶものが多いだそうだ。迷惑な話はこの上ないのは確かだが、みんな他の魔術師が住み着かないようにはしている。

 汚職に近い事は確かだが、こうまでしないと、より面倒な事になるのだから。


「何4人で水臭いことしてるのよ!! 今日はパーっと飲みましょうよ!!」


 セシリアが、私たちに席に来る。すでに出来上がっていたようなので、やれやれと思いつつ私は付き合う事にした。



 ――――2時間後


 セシリア達は酔い潰れてしまい、その場から動こうとしない。当然である。あれ程の勢いでビールをたらふく飲むのだから。

 幸い、私とイロハとリリィは酔っていないが、他のメンツはもうダメみたいだ。

 

 

「それじゃ、あとは頼むね」


「はい。セシリアさんたちは後で連れて行きますので!」


 イロハにセシリア達を任し、私はあるところへと向かう。


「待ってたわ。今日も極上の酒を用意したわ」


仮面の魔女(ジャンヌ)』が、出向いてくれた。どうやら、私の為にいい酒を用意しながら待っていたそうな。

仮面の魔女(ジャンヌ)』は、ロックグラスにウィスキーを注ぐ、会場では吸えなかったので、席につくなり私は煙草を吸い出す。

 

「今回はかなり大変だったわね。ここ最近では、5本の指に入るほどよ」


「一時はどうなるかと思ったが、まぁ終わればいい訳だしね」


「そうね。【虹の魔女(あの方)】の力なしでは、難しかったのもあるわね」


仮面の魔女(ジャンヌ)』は、灰皿を私の前に置く。私は、遠慮なく吸い殻を灰皿に落とす。


「それで? 今後の予定は?」


「さぁね。今まで通り、その時次第に動くさ」


「あなたらしいわね。でも、たまには自分の目的のために動くのもありよ。待ってるだげじゃ、何も進まないわ」


「それもありか。だが、易々とこの街を離れるわけにはいかないさ」


「あのお子様との約束があるなら、致し方ないわ。でも、そうならなく時もくるんじゃない?」


仮面の魔女(ジャンヌ)』は、私に指摘する。今はリリィとの誓約がある以上、安易にこの街を離れられない。

 でも、私は、この街を離れる気はない。


「確かに。でも、私はこの街を離れる気はないよ」


「まぁ、あなたがそう思うなら、構わないわ」


 私は、グラスの酒を飲み干し、席から上がる。そして、紙袋を置き、ここを後にする準備をする。


「これ、置いていくよ」


 そう言うと、『仮面の魔女(ジャンヌ)』はそれを受け取る。


「確かに、受け取ったわ。それじゃ、またね」


仮面の魔女(ジャンヌ)』が受け取るのと同時に、私はここを後にした。

 少しすすきのの街を歩く。しばらく歩いていると、事務所に帰ってきた。私は自分の席に座ると、急激な睡魔が私を襲う。 

 こうして、私は眠りについたのだった。

後1話で完結です。

※お酒は20歳になってから

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