表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女が住まう街にて〜Incident analysis by modern witches〜  作者: nashlica
file1:【魔女と欲に溺れる魔術師】 2020年 6月
17/127

第3節 魔女が与えし鉄槌③

戦闘シーン1です。怒らせてはいけない人を怒らせるとどうなるんですかね?

PM 10:10 36号線の廃病院


 首謀者(しゅぼうしゃ)の魔術師と遭遇(そうぐう)し、交戦に入る。洗脳した学生たちを使役し、私を追い詰めようとする。

 奴は、洗脳した子達を人形を操るかのように操り、左右から私は攻撃する。

 持ってる包丁を振り下ろすが、私はそれを回避する。

 流石に、一般人を巻き込んでいるようでは、私にとっては非常にやりづらい。


「どうした!? さっきの威勢(いせい)はどうした?」


 奴は、私が学生たちを攻撃できない事を逆手に、執拗に洗脳した子達を使って攻撃を繰り返す。

 どうしたものか? すると、視界に何かを見つける。

 糸のような、小さな魔力に流れを視認する。どうやら、これが学生たちを洗脳して操ってるらしい。

 私は、すぐに理解した。これを断ち切れば、学生たちの洗脳を解くことができる事を。


「糸……。なるほど、何本かに連結しているなら、1本からジャミングすれば解けるはず」


 私は、その方法を試みる。しかし、それを行うためには、学生たちをどうにかしないといけない。

 私は、ひたすら距離をとる。その間にも奴は、執拗に操られてる学生たちを使って私は追い回す。

 4階から、非常階段で上の階まで登る。5階、6階と上り詰める。次の階を登ると、そこは屋上だった。


「もう追い詰めたぞ! ここで貴様も終わりだ!」


「そうかもな。だが、お前は一つ、重大な失態を犯した事を気づいてないようだ」


「何をほざいている? 追い詰められて、気がおかしくなったか?」


 奴は、勝ちを確信したかのように、私にトドメを刺す。すると、洗脳された学生たちは、突如としてもがき苦しみだす。

 否、私が奴の構築(こうちく)した術式の乗っ取り、強制的に洗脳を解き始めているのだ。

 左手に宿る『白の色素(エレメント)』を使い、奴の糸のような魔力の流れを遮断する。そして、奴の魔力の線は燃え始め、消えていった。


「言っただろう? お前は重大な失態を犯したって」


「な、なぜだ!? 私の、使役の術式が、解除されていくだと!! ありえん!! な、何をした!?」


「簡単のことさ。お前が使った洗脳の魔術を構築していた魔力の糸を1本だけを掴み取って、私の『白の色素(エレメント)』を送り込んだ。

 その結果、お前の持つ『藍の色素(エレメント)』が拒絶反応を起こし、術式の構成が保てなくなり強制的に術式が解かれたと言うことだ。

 まさか、旧体制の名高い魔術師様も、それに気づかんとはな」


「そんなハッタリ、信用するか!? 私の研究は、完璧だ! こんなのも対処できるはずだ!!」


 奴は、再び学生たちを洗脳する。しかし、彼らは奴の魔術に反応することはない。


「ハッタリなわけないだろう? 同じ魔術は時間をおかないと効果を発揮しないと習わなかったか?

 それとも、目の前の功績にヤッケになってそれすらも忘れたか?」


「馬鹿な!? そんなはず――――――――!?」


 奴は、私の顔を見て、顔面が真っ白になる。私も、奴のことをゴミを見る目で眺める。


「お、思い出した!! 貴様は!! 貴様はァァァ!!」


「ほう? 私を知っているみたいだな? 私を知っているなら、どうなるかもわかっているんだろうな?」


 奴は、後退りで私から逃げ出す。


「か、かつて、元老院の精鋭部隊を全滅に追いやり、その元老院を追い詰めたという伝説を持つ魔術師がいると……。

 その高水準の『魔素(マナ)』と、『赤、白、黒』の3色を持つ上、たった1人で国を壊滅させれる魔術師がいると聞いたことがある!!

 ま、まさかお前が噂に聞く……」


「あぁ、そうさ。私がその魔術師さ。

 ――――――『特級魔術師(イレギュラー) キサラギ・アルトナ』と聞けば聞いたことがあろうよ」


 奴は、逃げるように私から距離を離す。しかし、私は容赦なく奴の影を縛る。


「そ、そんなバカな!! まさか、こんな街に貴様が、『魔女(まじょ)』がいたなんて!!

 あ、ありえない!! この街にいるなんて、何も聞いていないぞ!!」


「ほう? それはそうだろうな。あの老害共にとって、私はトラウマとも言える存在だからな。

 それと、今の言葉を私の前で言ったらどうなるか、わかるな?」


 どうやら、こいつは私を怒らせる天才らしい。あれだけの悪行をしておきながら、その言葉を言ったのだから。


「な、何をする気だ!?」


「昔からの決まりでね。身内以外の奴が『魔女』といえば、誰であると殺すことにしている。

 それが例え、あのじじい共であってもな」


 私は、奴を殺すために接近する。すると、奴は必死にもがいて術式を唱える。

 奴が術式を唱えると、後ろから魔物を召喚した。


「この後に及んで、魔物とはな」


「そ、そうさ!! 貴様を殺すには、十分だ!! 貴様さえ殺せば、あの方々にまた融資(ゆうし)を出してもらえるはずだ!!」


 私はグラムを展開し、魔物を相手に戦闘を行う。


「『牛魔人(ミノタウルス)』か、少々厄介だな」


「こいつは特別だ!! 貴様でもどうにも出来まい!!」


 奴は、再び勝ちを確信しているようだ。『牛魔人(ミノタウロス)』は雄叫びをあげ、拳を振りおろす。

 私は避けるが、再び拳を振るう。


「どうだ!! その魔具だけでは、貴様も耐えられんだろう!!」


 確かに、グラムだけでは、どうにもならない。しかし、まだ私は保有している魔具が()()()()()()()()()()()()()のだから。


「仕方ない、これを使うか」


牛魔人(ミノタウロス)』が、私は潰すように拳を振るう。


 ボォォォォォォン!!

 

牛魔人(ミノタウロス)』の拳で私が圧殺されたと思ったその時だった。


「『喰らい尽くせ! 『ティルフィング』』!!」


 私を潰したと思われる右腕の拳が、抉られる。いや、違う。喰らい尽くされたのだ。

牛魔人(ミノタウロス)』は右腕を喰らわれた為、雄叫びを上げながらもがく。

 

「う、嘘だろ!! 何故だ、何故魔具を二つも持っているのだ!?」


「確かに、魔具は本来は1人一本しか持つことができない。だが、私は特別でね。このように、魔具を複数持てる。

 まぁ、この二つの他に持ってるんだがな」


 奴は、私の両手に持ってる魔具を見て驚愕する。白の大剣と、黒の大剣を携える魔術師を見ていると、誰であろうと恐怖を感じているのだろう。


「一気に肩をつけるか」


 私は、『牛魔人(ミノタウロス)』にとどめを刺す。『牛魔人(ミノタウロス)』は立ち上がり、雄叫びを上げる。


「『三重術式 上級展開 黒炎(こくえん)』!!」


 右腕に、黒い炎を纏いそれを『牛魔人(ミノタウロス)』の左腕を補食する。左腕を食い千切られた『牛魔人(ミノタウロス)』は再びもがく。


「これで、終いだ!!」


 大きく飛び上がり、『牛魔人(ミノタウロス)』を縦に真っ二つにする。そして、『牛魔人(ミノタウロス)』は切られたところから炎が広がり、灰になった。


「何故だぁ!! あの『牛魔人(ミノタウロス)』が消えるとはぁ!!」


「私の『黒の色素(エレメント)』は少し特別でね。対象の魔力を捕食(ほしょく)して、私の魔力のストックになるのさ。

 そして、その分だけ私は魔術を行使するのに使う魔力を抑えられるわけだ」


奴は、そんな私の状況に怯え出す。


「茶番はここまでだ。お前に選択肢をやろう。

 お前の研究で死んでいったものたちに懺悔(ざんげ)しながら死ぬか、(むご)残酷(ざんこく)に私に殺されるか」


 奴は、あまりの恐怖で、漏らしてしまう。そして、首を泣き顔と共に横に振るう。


「拒否権なんざ貴様には無いぞ。さぁ、選べ。懺悔して死ぬか、無様に殺されるか」


 奴は、私の提示した選択を選ばない。そうしているうちに、私の怒りも限界に達している。

 そうこうしていると、物を音が聞こえ振り向く。


「冗談だろ?」っと私はドン引きを隠せないでいる。

 なんと、さっきの『牛魔人(ミノタウロス)』と昨日の『蛇怪女(ラミア)』がまた現れたのだ。

 その隙に、奴は屋上のドアから逃げる。私は奴を追うが、あの2体に行く手を阻まれる。


「どうやれ、こいつらは早めに潰さないと聞けないらしい」


 私は、グラムとティルフィングを携えて2体の魔物に挑む。

 かくして、私と2体の魔物の戦闘が始まるのであった。

戦闘シーンはまだ続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
良ければブックマーク・評価お願いします! 感想とイイネも良ければ是非!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ