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【88話】雷◾️選ばれる立場


◾️◾️サンダー視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



【サンダー】

「・・・なんでお前、鷹に仕えてんだよ?」


これは俺の好奇心からの質問だ


【氷歌】

「火族にも同じ質問したのかしら?」


ファイヤーの奴は色々聞いて何と無く分かる

使えると言うより友達に近い存在なんだろう


【サンダー】

「まぁ、似たような事はな」


だが、コイツは違う

コイツは性格的に、人に仕えるタイプじゃない気がする


【氷歌】

「・・・ふ~ん、気になる?」


いたずらっぽく笑って見つめてくる


【サンダー】

「・・・話したくないなら別にいい」


何故か、その顔に寒気がして目線を反らした


【氷歌】

「別にいいわよ、教えてあげる」


体制を崩しソファーに背中をもたれながら話し出す


【氷歌】

「鷹様の家では代々跡継ぎに技能者を付ける決まりがあるの、各属性の技能者を集めて、その中から選りすぐって仕える技能者を決めるの」


・・・あたかも当然の様に言葉を向けて来るが


【サンダー】

「なんだよ・・・それは・・・」


とてもじゃないが信じられない事だった


・・・どいつもこいつも

・・・次元のおかしい話をしやがる


【サンダー】

「技能者を集めて選ぶ?そんな偉そうな事、簡単にできねぇだろ?」


【氷歌】

「だから言ったでしょ?あんたが考えてる様な甘い世界じゃないって」


少し焦った様に詰め寄る俺を小馬鹿にした様に笑ってきた


・・・どんな世界なのか

・・・それを聞くのは後だな

・・・今はそれより


【サンダー】

「・・・各属性の技能者を集めるってどういう方法でやるんだ?」


やはり自分の種族の事が気になった


【氷歌】

「そうね~スカウトもあるみたいだけど、大体は各属性の都市から代表を推薦するのよ」


【サンダー】

「都市からの推薦?」


【氷歌】

「あ!ちなみに私は氷都市ケルビンの代表なのよ?」


胸を張ってとても自慢げだ

・・・ケルビン、確か氷の技能者の街の中では最大の都会都市だ

・・・何と無くムカつくので、あえて無視してやろう


【サンダー】

「・・・って、事は俺の街にも、そんな話があったって事か?」


【氷歌】

「・・・・・・」


何かに気づいた様に急に真顔になり


【氷歌】

「・・・やっぱり今の話忘れて、アンタが技能者だって忘れてたわ」


頭に手を当ててバツの悪そうな顔をしている


だが・・・正直、俺はそんな話聞いた事もなかった

おそらく、選ばれた人間しか知らない極秘事項なのだろう


・・・だとしたらコイツは


【サンダー】

「お前、本当に都市の代表なのか?」


【氷歌】

「・・・・・・」


・・・無言か


おそらく、そこから鷹の身分がバレるのを恐れているのだろう


【サンダー】

「・・・安心しろ、俺はそんな話、聞いた事もねぇよ」


自分がコイツより劣ると認めているようでイラつくが

それより質問に答えてもらいたい


【氷歌】

「・・・まぁ、知らない人間の方が多いと思うから、気にしない方がいいわよ」


少し申し訳なさそうに言われた


・・・コイツに、こんな態度されるとマジに情けなく思える


【サンダー】

「・・・本当に代表なのか?」


もう一度同じ質問をしてやる


【氷歌】

「そうよ~私の凄さが、やっと分かったでしょ?」


各都市には、それぞれの属性の技能者のみが生活している


その中で選ばれたと言う事は

・・・こいつは、かなり優秀な氷使いと言う事だろう


・・・ッチ!

・・・ファイヤーといい、コイツといい


・・・どんだけ俺とレベルが違うんだ?


【氷歌】

「しかも、私は選ばれた技能者の中から更に選ばれたのよ!!」


胸を張って自慢げに叫んだ


【サンダー】

「・・・そんなに、その家の技能者は凄いのか?」


少し嫌味っぽい言い方で言ってやる


【氷歌】

「・・・勘違いしないでよ?私は鷹様の肩書きに使えてる訳じゃない、鷹様に使えてるの」


俺の態度にイラついたのか声のトーンが下がった


【サンダー】

「・・・だけど、選んでもらった立場だろ?」


【氷歌】

「・・・私も最初は気に食わなかったわ、今のアンタみたいにね?」


不愉快そうに顔を歪めて睨んでくる


【氷歌】

「呼び出して選ぶなんて、どんだけ偉そうな人間か想像できたし・・・それに、どうせ女を選ぶなんて事するはずないと思ってた」


・・・確かに

・・・わざわざ集めて選ぶのに女を選ぶとは考えにくいな


【氷歌】

「だから、試験は適当にやってたのよ」


・・・コイツの事だ、余程ふてぶてしかった事だろう


【氷歌】

「でも・・・第一試験の時、鷹様が試験を見学に来られてたの」


少し微笑みながら話し始めた


【氷歌】

「その試験は闘技場での生き残りをかけた試験、最後まで立ってた者が勝ちと言うものだった」


・・・なんとも分かり易い


【氷歌】

「私は適当に避けながら、適当に闘技場で暇を潰してたの・・・そんな時ね!」


ガバッと身を乗り出し輝く様な目を俺に向けてきた


【氷歌】

「鷹様が私の前にいらっしゃったのよ!「お前は何をしてるんだ?」って!」


声色を変えて話す氷歌のテンションが見るからに上がって行く


【氷歌】

「私は「だって私、女だし~別に関係ないでしょ~?」って笑ってやったの!そしたらね!」


頬に手を当ててうっとり顔を赤らめ


【氷歌】

「・・・殴られたの」


【サンダー】

「・・・・はぁ?」


【氷歌】

「殴られたのよ・・・顔面を・・・グーで」


本当に幸せそうにうっとりしている


【サンダー】

「・・・なんで嬉しそうなんだよ?いきなり殴られたんだろ?」


【氷歌】

「だって信じられる?初対面の女を手加減無しにグーで殴るのよ?私は壁に激突して、物凄く痛かったわ~」


・・・最低としか言い様が無いだろ


【氷歌】

「そして鷹様が倒れた私の前に立って「女を理由にやらないと言うなら、俺が今すぐ殺してやるから、男に生まれ変わって来い」って言われたの、その時の恐ろしい鷹様の目が今でも忘れられないわ」


【サンダー】

「・・・無茶苦茶だな」


【氷歌】

「まぁ、一緒に来ていらっしゃた、お父様が止めて下さって、私は今、こうして生きているけどね~」


氷歌には珍しく歪みのない笑顔を見せた


【氷歌】

「去って行く鷹様の姿を見て思ったの、この人なら、私はなんの隔てもなく戦力として使って貰えるんじゃないかって・・・」


・・・確かに女でも容赦なしにコキ使いそうだな


【氷歌】

「それから、私は鷹様にお使え出来るように必死に頑張って最終選まで残った、最終選は鷹様の判断、5人の中から一人をお選びになると言うものだったの」


【サンダー】

「で、お前を選んだって訳か・・・なんで?」


【氷歌】

「見ていてくださったのよ!私の事を!」


頬の手をあてテンション高々に叫ぶ


【氷歌】

「選びの時、鷹様は私の前に立って「お前、すげーマジに頑張ってたよな?そんなに、ここの技能者になりたいのか?」とおっしゃった、だから私は「貴方が居る場所に興味はありません、貴方にお使えたいのです」って言ったの~!そしたらね

「へ~、じゃあ、お前にしようかな」ってなんとも輝かしい笑顔で選んで下さったのよ!」


何とも上機嫌に満面な笑顔で役でも演じているかに様な声をあげている


【サンダー】「・・・えらく簡単に決まったな」


・・・鷹はめんどくさかっただけなんじゃ

まぁ、そんな事を言ったらマジで殺されそうだから言わないでおこう


【氷歌】

「それからと言うもの、鷹様の事を知り、見て、更に尊敬し、お使え出来る事を誇りに思うわ~」


この上なく上機嫌な様子


【サンダー】

「で?お前達の居る世界はどんな世界なんだ?」


この期に乗じて話しを切り出してみる


【氷歌】

「鷹様を見れば分かるでしょ~あのお方はっ」


話し出したと思ったら急に言葉を止めた


【サンダー】

「・・・あのお方は?」


【氷歌】

「っ!言うわけないでしょ!?」


さっきまでと一転、不機嫌な顔になり怒鳴りつけてきた


【サンダー】

「・・・なんで言わないんだよ?」


【氷歌】

「そういう所は火族からも聞いてないでしょ?だから私が言う必要はないわ」


・・・自信があるように断言したな


【サンダー】

「・・・なんでそんな事が分かるんだよ?」


【氷歌】

「言わな~い」


つまらなそうに髪の毛をいじりだした

・・・コイツなら聞き出せそうだったんだけどなぁ


ファイヤーも氷歌も自分達が何者なのか

どんな世界に住んでいるのか


そこを隠そうとしているのは間違いない


・・・何故、そこだけ完全に一致して隠そうとしてるんだ?


・・・人には簡単に言えない事

・・・って事になるよな


だとしたら

・・・俺たちは本当にコイツら一緒に居ていいのか悩む


・・・だが

・・・ファイヤーも氷歌も悪い奴には思えない


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