【8話】雷◾️名前
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
抵抗する事なく首を掴まれたまま、俺を真っ直ぐに見つめて来る目は迷いを感じない強い意志を感じた
・・・何なんだコイツは?
・・・触れてはいけないモノに触れている感覚
・・・コイツは魔力なんて持ってないはずなのに
・・・・体が
・・・拒絶する?
【サンダー】
「・・・っ!」
押さえつけていた腕を放し立ち上がった
・・・・これ以上触れていられない
・・・やはり、コイツは何かあるな
【サンダー】
「・・・いいだろう」
女を見る事無く静に言葉を向けた
・・・見返りなど興味はない
ただコイツが何を持っているか
それに興味を持った
【白髪の女】
「っ!?ほっほんとに!?」
少し体を起こし驚きの表情で俺を見つめている
【サンダー】
「ただし、途中で気が変わったらそこまでだ」
面白くなければ途中でやめればいい
【白髪の女】
「いい!それでも全然大丈夫!」
本当に嬉しそうに声を上げた
【サンダー】
「・・・お前、なんで」
・・・そこまでしてルルーカに行きたいのか
・・・聞きかけてやめた
別に知らなくていい事だ
【白髪の女】
「ん?」
俺の言葉に不思議そうに首をかしげている
【サンダー】
「いや・・・行くぞ」
奪った荷物を女に投げ返してさっさと歩き出した
【白髪の女】
「あ!待って!」
慌てたような声を無視して歩き続ける
【白髪の女】
「お礼!ちゃんとお礼言わせて!」
そんな俺に駆け寄って来て道を塞ぐように前に立った
【白髪の女】
「本当にありがとう!」
満面の笑顔で
【白髪の女】
「私の名前はルナ!よろしくね!」
握手を求めるように右手を差し出してくる
【サンダー】
「・・・行くぞ」
その手を無視し、女を避ける様に再び歩き出した
・・・馴れ合いはごめんだ
【ルナ】
「はい!今度こそ見失わないように付いて行くね~」
ご機嫌な様子で俺の後ろを付いて来ているようだ
・・・意外とだるい事になるかもしれない