【71話】◾️◾️赤い記憶◾️◾️
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「・・・・・・・」
暗い廊下を歩きさまようように部屋に入った
その部屋には使われた形跡のない調理器具が沢山ある
「・・・・・・・」
部屋に置かれた大きな扉を開けると冷気が僕にかかってきた
「・・・・・・・」
でも、僕の求める物は何も無かった
「・・・何してるの?」
背後から聞こえた声に少し目を向けた
「・・・どうしたの?」
技能者の服を着たその子は何故か真っ直ぐに僕を見ていた
「・・・何か探してるの?」
そう言いながら何故か僕に近づいて来る
「・・・もしかして、お腹空いてるの?」
近づいてきたその子は僕に目線を合わせるように少し腰をかがめ首をかしげた
「僕も今からご飯なんだ、一緒に行こうよ」
そう言ってニコッと笑い僕の手をとり歩き始めた
何故かとても暖かく感じる手に引っ張られながら真っ暗な廊下を進む
廊下の先に広がった広い部屋で男の子は足を止めた
その部屋は美味しそうな匂いでいっぱいだった
「おせーぞ?なにやってんだ~?」
広い部屋にある大きなダイニングテーブルに座り食事をしている男の人が声を上げた
その向かいはこちらに目を向ける事もしない男の人も食事をしている
「・・・天地さんが僕に用事を頼んだんじゃないですか」
少し落ち込んだように僕の手を握ったまま男の子は答えた
「こんな時間かける事じゃねぇだろうが、早く食わないとお前の分食っちまうぞ~?」
そう言って男の人はからかうように笑った
「・・・あの」
少し遠慮がちに男の子は言葉を返し僕を引っ張りながら男の人に近づいた
「・・・この子も一緒に良いですか?お腹空いてるみたいなんです」
「・・・・・・・・・」
でも、男の子の言葉に男の人は何も答えない
「・・・天地さん?」
何も答えない男の人に男の子は更に言葉をかけた
「あ~?なんだよ?」
男の子の呼びかけに男の人はめんどくさそうに返した
「・・・この子も一緒に食べても良いですか?」
「・・・・・・・・」
男の子の言葉に男の人は何も答えない
「・・・あのっ」
「いつまで突っ立ってんだよ?ほんとにお前の分食っちまうぞ?」
男の子の言葉をふさぐように男の人が言葉を発した
「・・・・・・・・」
そんな男の人の様子に男の子は黙り込んだ
「・・・・・・・・」
男の子の手から逃げるように僕は男の子の手を振り払った
「・・・・あ」
少し戸惑ったように男の子は声を上げた
でも、それに続く言葉は無い
「・・・・・・・・・」
僕はダイニングテーブルに置かれたパンを一つとって
真っ暗な廊下に戻った
「・・・・・・・」
一人で廊下を歩きながら我慢ができず僕はパンを一口食べた
「・・・・・・・」
その時、窓に反射するようにパンを食べてる僕が映った
窓に映った僕は
何故か
沢山
涙を流していた
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