【70話】雷◾️このまま仕えたい
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
【サンダー】
「なら・・・頼みがある」
そう言いながら起き上がり、ベッドの上に座った
それを見てルナも同じ様にベッドに座り
【ルナ】
「ん?なに?」
笑顔で問いかけてくる
【サンダー】
「・・・俺を、このままお前に仕えさせてくれないか?」
【ルナ】
「えっ!?」
目を大きく見開いて驚いている様だ
・・・まぁ、自分自身こうなるとは思ってなかったからな
【サンダー】
「・・・お前と一緒に旅してきて思ったんだよ、誰かと一緒に居るのも悪くないなって」
たまには素直な気持ちを言ってやる
【ルナ】
「・・・・」
ルナは黙って俺の話を聞いている
・・・いや、言葉を失ってるのか?
【サンダー】
「意味分かるか~?」
【ルナ】
「あ!うっ、うん!」
俺の言葉に慌てて返事をしたが
・・・おそらく理解してないだろうな
【サンダー】
「・・・あいつらを見て、更にお前に仕えたくなった」
そんなルナを無視する様に更に言葉を続けた
【ルナ】
「あいつらって・・・?」
【サンダー】
「ファイヤーと氷歌だ」
【ルナ】
「ん?なんで?」
全く意味が分からない、と言った様子で首をかしげている
【サンダー】
「ファイヤーは竜輝と、氷歌は鷹と、それぞれ契約して使えてるんだよ」
【ルナ】
「え!?ほんとに!?全然気づかなかった・・・」
・・・まぁいい
【サンダー】
「あいつらを見てたら誰かの為に支えて行くのも面白いんじゃないかって思って来たんだよ」
今まで俺が見て来た技能者とは明らかにあいつ等は違う
強い信念を持って使えているのだと感じた
【ルナ】
「ん~、私は嬉しいけど・・・私なんかで、サンダーは本当にいいの?」
心配そうな目で俺を見つめてきた
【サンダー】
「あぁ、お前がいいんだよ、俺にはお前が合ってるみたいだからな」
【ルナ】
「あはは~なんか照れちゃうな~」
はっきり答えた俺の言葉に本当に照れたように顔を赤くしている
【サンダー】
「それに・・お前と居たら、とんでもない世界が見える気がするしな・・・」
【ルナ】
「ん?なにそれ?」
【サンダー】
「・・・いや、暇しなさそうだって事だよ」
コイツの周りには何かが起こる
普通じゃ見えない世界が見れる
そこに、俺の探していた居場所がある
そんな気がした
【ルナ】
「んじゃあ~改めてよろしくね!サンダー!」
初めてルナの名前を聞いた時と同じような笑顔で
あの時と同じように右手を差し出してくる
【サンダー】
「・・・あぁ」
あの時とは違い
笑顔でその手をしっかりと握ってやった
【サンダー】
「で?これからどうするんだ?」
【ルナ】
「ん~!もう、お金なくなっちゃたしね・・・」
俺がベッドに横になるとルナも自分のベッドに横になった
・・・ファイヤーからもらった金もなくなっちまったか
・・・まぁ、ほとんど俺が食ったけどな
【ルナ】
「・・・明日からは野宿しようか?」
何故か嬉しそうに笑顔で言葉を向けてくる
【サンダー】
「まぁ、金が無いなら、イヤでもそうなるな・・・なんで嬉しそうなんだ?」
【ルナ】
「ん~私、意外と野宿は嫌いじゃないんだよね~星とか綺麗だし!」
・・・勝手に寝て起きてする奴はお気楽でいいよな
こっちは寝てる間も神経使って警戒してるってのに
・・・でも、まぁ
【サンダー】
「確かに星は綺麗だな・・・」
そこは認めてやる
【ルナ】
「・・・あのね、サンダー」
少ししんみりとした声で言葉を続けてくる
【ルナ】
「・・・ありがとう」
【サンダー】
「・・・なんのお礼だ?」
【ルナ】
「ちゃんとお礼を言ってなかった気がして、ここまで連れて来てくれた事に」
【サンダー】
「・・・はいはい、どういたしまして~」
【ルナ】
「あれ~?もしかして照れてる?」
適当に返した俺をニコニコしながら見てくる
【サンダー】
「んな訳ねぇだろ」
その顔を横目に睨んでやった
【ルナ】
「でも、良かった~サンダーが、まだ私と一緒に居てくれるって言ってくれて」
【サンダー】
「・・・なんでだよ?」
【ルナ】
「実は不安だったんだよね~・・・一人になるのイヤだなって」
寂しそうに枕を抱きしめて目を閉じていく
【ルナ】
「ルルーカに着いたのは良いけど、その後の事なんて何も考えてなかったし・・・でも、サンダーが一緒なら何とかなる気がする・・・一人じゃないのは・・・心強いよ・・・」
消えかかりそうな声で不安を言葉にしている
・・・まぁ、コイツ一人だと野宿も出来ないだろうしな
あの男達に世話になるって選択もあるだろうが
・・・それこそ既成事実で、そのまま・・・って成りかねないのが怖い
ファイヤーと氷歌なら無理やりでも、もっていきそうだ
・・・恐ろしい
【ルナ】
「・・・く~・・・く~・・・・・」
寝息が聞こえてルナを見と、幸せそうな顔で本当に寝ていた
・・・相変わらず寝つきが良い奴だ
ベッドのすみに畳まれている毛布をルナにかけてやった
【ルナ】
「く~・・・く~・・・」
【サンダー】
「・・・・俺は親か?」
自分の行動に寒気がし、自分も寝てしまおうと電気を消して自分の布団に入った
・・・結局、技能者って奴は世話焼きな人種なんだろう
・・・そう自分に言い聞かせた




