【61話】火◾️赤の2人
◾️◾️火焔視点◾️◾️
・・・行ったな
【鷹】
「・・・ッチ!・・・お前、何してんだよ?」
ルナがいなくなったとたんに怖い顔で鷹が睨みつけてくる
「え~?何が?俺はただ解散の締めをしただけだけど?」
そんな鷹に負けないようにニコニコしながら告げてやる
【鷹】
「・・・ほんとムカつく奴らだね~?お前らは」
怒りに満ち溢れた顔で俺と竜輝を睨んでくる
・・・かなりお怒りのようだ
・・・怖いな〜
【竜輝】
「・・・火焔、いくぞ」
呆れた様に竜輝が俺に声をかけて歩き出した
【鷹】
「・・・イラつく」
不満たらたらで竜輝とは反対方向に鷹も歩き出した
・・・全く鷹の奴は血の気が多くて困る
【火焔】
「・・・上手く解散できて良かったね~?」
チラッと氷歌ちゃんを見ながら話しかける
【火焔】
「あの感じだとやばかっただろうし先に作戦決めといて良かったね~?」
【氷歌】
「・・・・・」
【火焔】
「それにしても氷歌ちゃんも大変だね~?鷹のあの性格は危ないよね~」
【氷歌】
「・・・・・」
色々問いかけたが全く返してもらえず、鷹の後を追うように行ってしまった
・・・なんで俺はこんなに嫌われちゃったのかな?
ため息をつきながら先に行ってしまった竜輝を追いかけた
・
・
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【火焔】
「お~い!俺を置いて行くなって~!」
どんどん歩いて行く竜輝の背中に叫んだ
【竜輝】
「・・・予定なんて無いだろ?」
少し俺に顔を向け呆れた様に言われた
・・・やっぱ、バレてたか
【火焔】
「まぁまぁ!今回はこんな感じで良いだろ~?」
追いついた竜輝の頭をグシグシ撫でてやる
【竜輝】
「・・・そうだな」
無表情で静かにつぶやくその言葉にどんな感情があるのかを感じる事は出来なかった
【火焔】
「・・・竜輝的には会えただけでも良いって感じ?」
少し探るように聞いてみる
【竜輝】
「・・・あぁ・・・生きててくれて良かった・・・本当に」
その言葉を発する声には心からの優しさと安堵を感じた
・・・でも
【火焔】
「・・・欲がないなぁ・・・鷹に捕られて良いのか~?」
【竜輝】
「・・・物じゃない、そんな言い方をするな」
・・・怒られてしまった
・・・ほんと、まじめだな~
・・・まぁ
・・・俺が絶対、鷹に渡したりしないけど
竜輝がどれほどルナを待って居たか
・・・俺が一番知っている
氷歌ちゃんには悪いけど
・・・絶対にルナはこっちが貰う
・・・竜輝にはルナが絶対に必要なんだ
【竜輝】
「・・・余計な事をするなよ?」
何かを感じたのか横目で俺を見つめてくる
【火焔】
「・・・なんだよ~?俺が悪い事すると思ってるのか?」
【竜輝】
「・・・思わないからだ」
【火焔】
「はぁ・・・なんかずるいなぁ〜」
・・・手荒な真似はしない
・・・けど
・・・余計な駒は排除しないといけないよな?
・・・これ以上、竜輝の邪魔は誰にもさせる訳にはいかない