【59話】雷◾️思い出の場所
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
【サンダー】
「っ!?おい!止まれ!」
が、そのルナを慌てて呼び止める
【ルナ】
「ん?どうしたの?怖い顔して?」
ルナの言葉には答えず辺りを見回す
・・・嫌な魔力がヒシヒシ伝わってくる
【サンダー】
「・・・俺が、先を歩く」
そう言ってルナより先に歩き出した
【ルナ】
「え?でもサンダー場所分からないでしょ・・・?」
訳が分からない様子で後ろから付いてくる
【サンダー】
「・・・・・」
・・・このまま真っ直ぐ
・・・そこに、この魔力の根源がある
ゆっくりと近づく
かすかに聞こえる水の音
木々の隙間から開かれた場所が見える
傾きかけた日の光を一心に集めている様な輝かしい場所
【サンダー】
「・・・・・」
突然、上着を下から引っ張られ足元を見ると座り込みうつむくルナが引っ張っていた
【サンダー】
「・・・なんだよ?」
今はそれどころじゃないが、声を出すのは危険かも知れないのでしゃがみ込み小声で問いかけた
【ルナ】
「・・・・・・た」
至近距離でも聞き取れなくらい小さな声でつぶやいてくる
【サンダー】
「・・・あ?聞こえねぇよ」
【ルナ】
「・・・・・・いるの」
【サンダー】
「・・・・あ?」
【ルナ】
「・・・私の・・・会いたい人・・・・そこに・・・・居るの」
【サンダー】
「・・・・マジか?」
俺の問いにルナは顔を真っ赤にしてうなずいた
【サンダー】
「・・・何処に?」
そう聞くとルナが少し顔を上げて指差す
その先には
開かれた場所、輝かしい日差しの中
・・・二人の男が立っていた
短い赤黒い髪の男と肩までの長さの青黒い髪を後ろで1つに束ねた青髪の男
・・・身長が高いせいか雰囲気のせいか年上に見える
・・・嫌な魔力の根源は間違いく、あの二人からだった
【サンダー】
「・・・どっちだ?」
【ルナ】
「・・・・二人とも」
【サンダー】
「・・・・・あ?」
【ルナ】
「・・・二人とも会いたい人なの」
胸の鼓動を抑えるかの様に自分の胸に手を当てて苦しそうに答えた
・・・そう言えば、そんな感じで言ってた様な気がする
・・・まさか一気に会えるとはな
だが・・・この魔力は
・・・正直、近づきたくない
・・・いや、近づいてはいけないだろう
【ルナ】
「でも・・・・なんか良い雰囲気じゃないね?」
ルナに言われて改めて2人の様子を確認してみる
・・・確かに良い雰囲気とは言い難い
お互いに存在は認識しているだろうが一定の距離を取り・・・なんか重々しい空気がある
【サンダー】
「・・・・どうする?」
再び隠れる様にしゃがみこみ隣で小さくなっているルナに問いかける
・・・正直、俺的には関わりたくない
【ルナ】
「・・・・・行く!」
が、小さくなってうつむいたままはっきり返された
・・・まぁ、そうだろうな
・・・そのためにここまできたんだし
「・・・そこに誰か居るのか?」
いきなり男の声で話しかけられた
・・・隠れて居るのがバレたらしい
・・・とりあえず、姿勢を低くして更に隠れた
ルナを見ると
・・・同じように隠れていた
【サンダー】
「・・・お前は行けよ!」
向こうには聞こえない様に小声で怒鳴ってやる
【ルナ】
「・・・だっ、だって!心の準備がっ!」
顔を真っ赤にして焦っている・・・
【サンダー】
「勘弁してくれ・・・今更、なに言ってんだよ!?」
「・・・聞いてる~?」
少し不機嫌そうに向こうから更に話かけてくる
「・・・こっちは少し機嫌が悪いんだよね~無視するなら、そのまま殺しちゃうけど?いいかの〜?」
平然と最悪な言葉を言い放ってきた
・・・今、殺すって言ったか?
【サンダー】
「・・・おいおい・・・マジかよ?どんな奴だよ、お前の友達は?」
呆れた様にルナを見る
【ルナ】
「・・・・・」
真顔でうつむいていた
・・・どうやら固まっている様だな
【サンダー】
「・・・ッチ!」
しかし・・・このままではらちが明かない
仕方なく、ゆっくり立ち上がり声のした方へ目線を向ける
【青黒い髪の男】
「・・・なんか用でもあるの?」
青黒い髪を一つに束ねた男がこっちを見ながら話かけてくる
・・・おそらく、さっきから話していたのはこいつだろう
【サンダー】
「・・・・別に・・・大した用じゃない」
その目線から逃れる用に視線を外し答えた
・・・何故か威圧感を感じる目線だった
【赤黒い髪の男】
「・・・だったら早く行った方がいい・・・ここ周辺は立ち入りが禁止されてる・・・来て良い場所じゃない」
もう1人の赤黒い髪が男がこちらには顔を向けず静かに忠告してきた
・・・コイツはまだ、まともな奴かも知れない
【青黒い髪の男】
「・・・まぁ、お前もだけどね?」
青髪の男が赤髪の男に顔を向かって突っ掛かって行く
【赤黒い髪の男】
「・・・・・・」
男の問いに赤黒い髪の男は無表情で顔をそらしたまま何も答えない
【青黒い髪の男】
「・・・用事が無いなら早く帰りなよ〜」
青黒い髪の男は笑いながら更に言葉を向けたが
【青黒い髪の男】
「・・・お前はここに居ても意味ないだろ」
その言葉と同時に赤黒い髪の男を睨みつけ一気に声のトーンが下がった
・・・かなり、ヤバイ雰囲気だ
・・・このままケンカとか始めるんじゃないか?
・・・出直した方がいいかも知れない
・・・イヤ
・・・そうしたい
「お待ち下さい!」
何処からとも無く女の声がして開けた場所に女が姿を現した
・・・あの女にそっくり
・・・と言うか氷歌だった
氷歌がチラッと俺に目を向ける
【氷歌】
「・・・鷹様・・・あの男が先ほど話した雷の技能者です」
少しバツの悪そうな顔をして青黒い髪の男に告げる
・・・どうやらあの態度が悪い青黒い髪の男は鷹と言う名前らしいな
【鷹】
「・・・マジっ!?」
鷹が驚いた様に声を上げ、それに氷歌が黙ってうなづき、3人がこちらに目を向けてきた
・・・気持ちのいい目線じゃないな
・・・・何がなんだ訳が分かわかんねぇし
「あ~出遅れた~」
また、何処からとも無く声がしたと思ったら、開けた場所に男が姿を現した
・・・今度はファイヤーだ
くるっと、こちらを見て
【ファイヤー】
「悪い悪い、こいつらに苛められたんだろ?怖がらなくて良いから出てきなよ?」
ニヤニヤしながら俺に手招きをしてくる
・・・むかつく奴だが
・・・心無しか安心した
【サンダー】
「・・・どうする?」
下で固まっているルナに問いかける
【ルナ】
「・・・・・・・・・・・」
が、動こうとしない
【サンダー】
「・・・お前が嫌なら、このまま逃げるか?」
そう言うとびくっと反応した
【ルナ】
「・・・っごめん・・・大丈夫・・・」
そうは言っても体は少し震えている様に見える
・・・まぁ、予想外の展開だし無理はないかもな
【ルナ】
「・・・ずっと、会いたかったんだ」
うつむきながら小さくつぶやく
【ルナ】
「・・・やっと・・・会えるんだ」
自分に言い聞かせる様に
【ルナ】
「・・・ダイジョ~ウブ!・・・ダイジョ~ウブ!」
お祈りするようにぶつぶつ言い出した
【ルナ】
「・・・コワクナ~イ!・・・コワクナ~イ!」
【サンダー】
「あーっ!ウザイんだよ!お前はっ!!」
うじうじおまじないをするルナの腕を引っ張り起こす
【ルナ】
「ひぃっ!いっわわーっ!!なになになにするのっ!!??」
慌てて暴れ抵抗してくる
【サンダー】
「うだうだ言わずにさっさと行けっ!!!」
お構いなしに、そのまま腕を引っ張り開けた場所まで連れて行き背中を押してやる
【ルナ】
「っひーー!!まだ準備がっ・・・・・・・」




