【52話】白◾️何気ない森
◾️◾️ルナ視点◾️◾️
昼過ぎの眩しい太陽が森の木々の隙間から照らしてくる
心地よい風は葉っぱの匂いや土の匂いを優しく運んで来る
【ルナ】
「・・・・・」
・・・一体あれから何日経っただろう?
ソルロンから出発して
幾つかの町を越えて
森を進みルルーカを目指している
・・・けど、ここ数日は町どころか
・・・人も見ていない
【ルナ】
「・・・ねぇ、サンダー?」
隣を同じペースで歩いてくれてるサンダーに言葉を向ける
【サンダー】
「なんだよ?」
【ルナ】
「森、飽きた〜」
毎日毎日、大して変わり映えのしない風景に
本当に前に進んでいるのかすら分からなくなる
【サンダー】
「だったら空でも見とけ」
めんどくさそうに返されてしまった
【ルナ】
「・・・お風呂に入りたい」
体が気持ち悪い
水浴びだけでもしたいけど湖すらない
【サンダー】
「・・・大体、誰のせいで、こんなに遅くなったと思ってんだ?本当ならとっくに着いてんだよ」
不満そうな顔で睨まれた
【ルナ】
「まるで、私のせいみたいな言い方だなぁ・・・」
【サンダー】
「お前のせいだろうがっ!」
なぜか怒られてしまった・・・
確かにサンダーみたいに、私は上手く歩けなくて遅いけど
それでも、少しは歩ける様になったんだけどなぁ・・・
【サンダー】
「なんだ、その心当たりありませんみたいな顔は?」
不満が顔に出てしまったみたいだ
【ルナ】
「最近はちゃんと歩ける様になってきたでしょ?」
【サンダー】
「問題はそこじゃねぇ」
【ルナ】
「じゃあ、どこ〜?」
暇を潰すように軽い感じで聞いた
【サンダー】
「・・・虫を何時間も追いかけ回したのは誰だ?」
【ルナ】
「虫じゃなくて蝶々!だって凄く綺麗だったじゃない!光できらきら輝いて・・・」
思い出しただけでうっとりしてしまう・・・
あれは本当に綺麗だった・・・まるで宝石みたい・・・
【サンダー】
「・・・一回寝たら半日寝続けるのは誰だ?」
私の話しを無視する様に、次の言葉を突きつけてくる
【ルナ】
「だって~毎日、毎日、歩いて疲れてるんだよ・・・」
足を止めるのは寝る時とご飯の時だけ
・・・1分でも足を休ませたい
【ルナ】
「・・・サンダーだって人の事、言えないし」
反撃する様に言葉を向けた
【サンダー】
「あ~?」
不愉快そうに睨まれた
【ルナ】
「丸焼きにして食べるとか言って、何処からとも無く鳥を捕まえて来たら、それは大鳥の子供で怒った大鳥の大群に追いかけられるし・・・」
【サンダー】
「俺は肉を食わないと、力が出ないんだよ」
【ルナ】
「あげくの果てには、逃げ回ってる中に方向を見失って道に迷っちゃうし・・・」
【サンダー】
「お前は元々道を知らないだろうが」
あきれたように言い返されてしまった
【ルナ】
「まぁ、そうだけど・・・」
私は道を全く知らないからサンダーに頼るしかない
・・・でも
【ルナ】
「・・・サンダー本当に道、知ってるの?」
全く迷い無く進むから少し心配になってしまう
【サンダー】
「当たり前だ、お前と違って俺は無計画に旅に出たりしない」
・・・まぁ、サンダーって意外としっかりしてるしね
【ルナ】
「・・・そう言えば、サンダーって私に付き合ってくれるまで何処に行こうとしてたの?」
私に付き合わせているから、少し申し訳ない気がしてきた
・・・今更だけど
【サンダー】
「・・・別に」
そっけなく返されてしまった
当ても無い旅だったのだろうか?
【ルナ】
「でも、無計画に旅に出たりしないって言ってなかった?」
【サンダー】
「・・・・・・」
不愉快そうな顔でだんまりしている
・・・サンダーのこう言う反応は、大体恥ずかしい事を隠そうとしてる時なんだよね
【ルナ】
「・・・もしかして、サンダーもルルーカに向かってたとか?」
それなら道を知ってる事も納得できる
【サンダー】
「・・・ちょっと、黙ってろ」
不愉快そうな顔のままそっぽを向いてしまった
・・・きっと私の予想が当たったのだろう




