【49話】雷◾️再出発
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
暮れた日に赤く染められた道のない草原をのんびり歩く
【ルナ】
「ねぇ?本当にもっと休まなくて良かったの?」
隣を歩くルナが心配そうに顔を覗き込んできた
【サンダー】
「問題ない」
あの後、すぐに町を出てまたルルーカへ向かって歩き出したのだ
【ルナ】
「・・・もしかして照れてる?」
ニヤニヤしながら更に顔を覗き込んでくる
【ルナ】
「お礼、言われるの苦手そうだもんね~」
・・・イラつく奴だ
【サンダー】
「・・・金、貰っといた方が良かったんじゃねぇか?」
話を変える様に言葉を向ける
実際、今後を考えたら無いよりはあった方が良いだろう
【ルナ】
「ん~でも、今はファイヤーさんから貰ったお金があるし、無くなったらまた考えたらいいよ~」
お気楽そうにお気楽な事を言う
・・・本当にお気楽な奴は羨ましいな
【ルナ】
「・・・・・・」
が、突然表情を曇らせて黙り込んでしまった
【サンダー】
「・・・どうした?」
【ルナ】
「・・・どっ、どうしようっ・・・私、ファイヤーさんにお礼言うの忘れてたっ・・・」
頭に両手を当てて後悔している様だ
【サンダー】
「アイツも、お前と同じニオイがするからな、多分気にしてないだろ」
【ルナ】
「私が気にするんだよ〜・・・今度はちゃんとお礼しなくちゃ・・・また、会えたら良いけど・・・」
肩を落として誰に言うでもなくつぶやいた
【サンダー】
「でもよ~・・・お前、行かなくて良かったのか?」
【ルナ】
「ん?なんの話し?」
意味が分からない様で俺を見つめて首をかしげている
【サンダー】
「・・・・ファイヤーが連れて行ってくれるって言ってたろ?お前を」
その顔を避ける様に目線を反らした
【ルナ】
「やだぁ・・・サンダー盗み聞きしてたのぉ?」
目線を反らしているが横から不振な眼差しを感じる
【サンダー】
「・・・聞こえただけだ」
できればファイヤーとは顔を合わせたく無かった
・・・ダセェとこ見られたし
・・・あんなに契約しないと断言したのに結局コイツと契約したしな
・・・やっぱ二度と会いたくない
【ルナ】
「ふ~ん?でも、聞いてたなら知ってるでしょ?私の気持ち」
ニコッと笑った
【サンダー】
「・・・まぁ、別にいいけどな」
【ルナ】
「どっ、どうしたの?いつもならここで嫌味が飛んで来るのに・・・」
驚いた様な怯えてる様な顔で俺から身を離す
【サンダー】
「・・・契約の時、言っただろうが、俺がお前をルルーカに連れて行くって」
【ルナ】
「ん~それはそうだけど・・・なんか怖い・・・」
俺の言葉に寒気がするかの様に体を抱え込んでいる
・・・たまに真剣に答えてやると、これか
【ルナ】
「そういえば~契約って何なの?このピアスみたいなのも・・・」
誓錠を指差し不思議そうに尋ねてくる
・・・そういや、ちゃんと説明してなかったな
【サンダー】
「技能者ってのは単体じゃ本来の力が発揮できないんだ、個人差はあるにしろ必ず上限がくる」
【ルナ】
「ん~上限がきたら、いくら頑張っても強くならないって事?」
【サンダー】
「そうだ、でも他の誰かと契約する事によって、その上限が無くなる」
【ルナ】
「つまり、頑張れば頑張るだけ強くなれるって事?」
【サンダー】
「・・・まぁ、そんなとこだ」
・・・なぜかコイツの言葉で言われると、とても幼稚く感じる
【ルナ】
「へ~!凄いねっ!?サンダーは今まで他の人と契約した事あるの?」
何故かとても面白そうに尋ねて来る
・・・契約は一度しかできないし二度と切る事は出来ないが
・・・コイツは知らなくて良い事だな
【サンダー】
「・・・したくない、からしなかった」
【ルナ】
「ん~?なんで?」
【サンダー】
「・・・俺は誰かに懐くのが嫌いなんだよ」
ルナの言葉を流すように適当に返してやる
【ルナ】
「あ~!それ凄く納得っ!サンダーって無駄にプライド高いもんね?」
が、ニコニコしながら納得されてしまった
・・・ッチ!




