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【45話】雷◾️悲鳴のような声




◾️◾️サンダー視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



地面に伏せて顔を上げるどころか目を開けることさえできない


「このクソがぁっ!!」


雑魚が背中を蹴り付けてくる


「どいつもコイツも邪魔しやがって!ムカつくんだよ!」


もう一匹の雑魚に頭を踏まれる


・・・あ~


・・・最高に屈辱だ


・・・契約しても、この程度に魔力しかない奴らになぶり殺しか


・・・絶えられない屈辱だ


・・・もう、死んだ方が良いかもな


「ダメーーーっ!!」


遠くから叫ぶ声が聞こえた


「もう、止めて下さいっ!!」


・・・この声は


「その人を殺さないで下さいっ!!」


・・・ルナ・・・か?


「お願いしますっ!その人には手を出さないでくださいっ!!」


・・・アイツどうやってここまで来たんだ?


「残念だがそうはいかねぇなぁ!コイツは殺さないと気がすまねぇんだよっ!」


・・・なんで戻ってきたんだよ


「やめてっ!代わりに私を・・・私を殴ってくださいっ!!」


・・・逃げてればいいものを


「私、何でもしますからっ!!」


・・・馬鹿が


「その人に触らないでっ!!」


裏返るその声は悲鳴にも聞こえる言葉だった


「おい・・・どうする?」


「コイツを殺してから女を捕まえたらいいだけの話だろうがっ!」


「私、実は凄いモノ持ってるんですよー!!」


「・・・凄いモノ?」


「・・・・・・・」


「すっごいお宝持ってるんですよー!!」


「・・・お宝?」


「・・・・・・・」


「一生遊んで暮らせますよーっ!?」


「・・・・・・・」


「・・・・・・・」


「一つしかないから早いもの勝ちですよーっ!?」


「っ!!」


「っあ!?おいっ!テメぇっ!待ちやがれっ!!」


さっきまで近くに居たであろう足音が走って遠くへと消えて行く


「やった・・・・っ!!」


小さな喜びの声が聞こえた


・・・あんな奴等に殺されかけた事を最高に情けなく恥ずかしく思う


【サンダー】

「っ・・・・・」


そして、ふわっとした風と共に俺の体に何かが覆いかぶさってきた


「サンダーっ!貸してくれてありがとーっ!」


言葉から察するに上着だろう

・・・ほのかにシャンプーの香りがした


「迷惑ばっかりかけてごめんねっ!今までありがとーっ!」


・・・あ~


「絶対、死んだらダメだからねーっ!」


・・・ファイヤーから助けられるのは、まだマシだな


・・・コイツよりは


ゆっくり体を起こし声の聞こえる方へ目を向ける

ルナは屋上から満面の笑顔で手を振っていた


・・・漢字も読めないくせに


・・・たこ焼きも知らないくせに


・・・なにがなんでもするだ


・・・馬鹿が


【サンダー】

「っ・・・・」


かろうじて動かせる左腕を横に大きく広げ


【サンダー】

「ルナーーッ!」


力の限りに全力で叫ぶ


【サンダー】

「飛べーーッ!」


【ルナ】

「っ!?」


ルナは驚いた表情で俺を見つめている


【サンダー】

「会いたい奴が居るんだろっ!?」


その言葉でルナは涙を堪える様に目をつぶった


【サンダー】

「簡単に諦めてんじゃねーよっ!!」


最高に辛そうな顔をして再び目を開け


【サンダー】

「絶対、受け止めてやるからっ!!」


大粒の涙がこぼれた瞬間


ルナは屋上から飛び降りた


・・・今度は、はっきり見える


・・・ルナの背中に広がる羽が


・・・ただし前とは違う


・・・真っ黒な羽だった


ゆっくりと俺の腕の中へと降りてくる


【ルナ】

「っう・・・ごめんねっ・・・ごめんねっ・・・」


泣きながら震えた体で俺にしがみついてきた

その震えをとめるようにしっかり抱きしめてやる


その瞬間、羽は弾けるように消えていった


【技能者1】

「なめやがってぇぇっ!くず共がぁぁああっ!!」


屋上から技能者達が俺達を見下ろし怒鳴りつけてくる


・・・かなりお怒りのご様子だな


【技能者2】


「絶対逃がさないからなっ!!」


・・・少なくとも俺よりは体力が残ってるはずだ

・・・使おうと思えば魔法も使えるかもしれねぇ


【サンダー】

「しっかりつかまっとけよっ!!」


ルナにそう伝え上着を口で持ち、左腕でルナを持ち上げて走り、岩壁の外へと飛び出す


【サンダー】

「ぐっ・・・っ」


木の上を飛び移りながら逃げるが、支えていない右腕は予想以上の激痛を全身にめぐらせる


・・・ルナを受け止めた時一瞬、体が楽になった気がしたが

・・・やっぱ、気のせいだったらしいな


・・・もう、限界だった


できるだけ茂みになっている場所で降りた

そのまま木にもたれかかるように座り込む


【ルナ】

「っ!サンダーっ!大丈夫っ!?」


最高に心配そうな顔をして砕けているいであろう俺の右腕に触れてきた


が、不思議と痛みを感じることはなかった

・・・もう、感覚が麻痺ってしまったのかも知れないな


【サンダー】

「馬鹿がっ・・・大丈夫に見えんのか?・・・これが・・・」


声をだすことさえ痛みを感じる


【ルナ】

「っごめんなさいっ!本当にごめんなさいっ!!」


俺の右腕に顔をうずめるようにして泣きながらうなだれる

・・・さっきから謝ってばっかだなコイツは


【ルナ】

「っ!?」


少し離れた場所で大きな音が響いた

・・・岩壁のある方向だ


おそらく雑魚技能者どもが怒り狂って暴れているのだろう


・・・火事場の馬鹿力ってやつか?

・・・うぜぇな


【サンダー】

「・・・ルナ」


【ルナ】

「っ・・・なに?」


不安そうに顔を上げて俺を見つめてくる


【サンダー】

「・・・今から言う俺の話しを・・・よく聞けよ・・・?」


【ルナ】

「っ!?やっやだっっ!!!」


何故か即完全拒否された


【ルナ】

「私っサンダーの最後の言葉なんて聞きたくないっ!絶対聞かないっ!!」


必死に首を振って拒否してくる

・・・なに言ってんだコイツは


【ルナ】

「生きて帰ったらから揚げ買ってあげるからっ!お願いっ・・・死なないでっ・・・」


かすれるような声で泣きながら願ってくる


・・・本当にめんどくせぇやつだ


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