【40話】白◾️お母さん
◾️◾️ルナ視点◾️◾️
【ルナ】
「っ!?サンダーっ上着返すっ!!」
【サンダー】
「脱ぐなっ!お前はそれ着て下がってろっ!!」
慌てて上着に手をかける私を、また怒鳴りつけて止めてくる
【ルナ】
「っでもっ!!」
【技能者1】
「かっこつけてんじゃねぇぞっ!それ着てないと、まともな防御もできねぇくせによぉっ!!」
私たちのやり取りがカンに障ったのか苛立った様に怒鳴りつけてきた
【サンダー】
「・・・あ~?ようは当たんなきゃ良いんだろ?簡単な事じゃねぇかっ!!!」
サンダーの叫び声と共に激しい落雷の音が響いた
そして、私達と男達との間を閉ざすカーテンの様な稲妻がうねりをあげた
【サンダー】
「お前は母親と窓の前に立ってろ」
そう言って私に耳打ちし私を病室の奥へと突き飛ばした
【サンダー】
「ッチ!」
その瞬間サンダーへと光の閃光が飛んで来て、私とは反対の入り口の方へと避けて行く
【魔術師】
「目くらましか?全然意味ねぇなぁ」
魔術師が笑いながら光の閃光をサンダーへと次々飛ばし
サンダーが避ける度に閃光が壁を壊し砂煙がたち込めてて行く
・・・サンダーが気になるけど
・・・これ以上、迷惑をかける訳にはいかない
とにかく言われた通りにしよう!
あの子のお母さんは私が居るのとは反対の病室の奥の隅に怯えたように座っていた
魔術師を含め男達はみんなサンダーに目を向けていてこちらを見ていない
姿勢を低くしてお母さんに近づき小声で話しかける
【ルナ】
「大丈夫ですかっ!?」
【女の人】
「っ!?・・・」
突然話しかけられて驚きの表情をみせたがすぐに怯えた目で私を見つめてくる
・・・その目は、あの男の子によく似ていた
【ルナ】
「・・・旦那さんと息子さんが貴女の事を待ってます、一緒に帰りましょ?」
少しでも安心してもらえるようにニコッと笑って手を差し出した
お母さんは一瞬、戸惑った表情をしたが
泣きながらうなずき私の差し出した手を掴んでくれた
その手をしっかり握り締め引っ張り窓へと向かい窓から外を見る
【ルナ】
「・・・高い」
3階と言っても各階の天井は高めに作られたいる為、高さはかなりある
飛び降りた所で、その後を逃げる事は出来なくなってしまうだろう
【技能者1】
「おいおい!逃げてばっかじゃつまんねぇぞ!腰抜けがっ!」
技能者の男が見下したように笑いながら叫んだ
【サンダー】
「そう言うお前は何で攻撃して来ないんだ~?」
攻撃を避けながら笑ったような声でサンダーが返した
・・・そう言われてみれば
・・・さっきから攻撃しているのは魔術師の男だけ
2人の技能者の男は、その様子を見ているだけだった
【サンダー】
「あ~攻撃したくても、その怪我じゃまともな魔法が使えねぇか?だっせーなぁ!?」
2人技能者の男達は血の滲んだ包帯をいたる所にしている
・・・そういえば技能者は体力で魔法を使うって言ってたから
外傷が酷いと魔法を使う事が出来ないのかも知れない
【技能者1】
「ッチ!クソ野郎がっ!テメェが、さっさと治せば!こんなカス!俺が殺してやったのによぉっ!!」
技能者の男が魔術師の男に向けて怒鳴り声を上げた
【魔術師】
「あぁ?笑わせてくれるな雑魚が、お前らの為に俺の魔力を使う訳ねぇだろ?」
それに対して魔術師は鼻で笑いながら技能者を睨みつけた
その瞬間、砂煙の中に雷の玉が激しい光と共に出現した
多分、サンダーが作ったものだと思うけど、砂煙と激しい光で姿を確認できない
雷の玉がバチバチと激しい音と共に放電を無差別に放ちだす
【魔術師】
「ッチ!」
魔術師と技能者達が体制を崩し放電を避けている
【ルナ】
「っ!?」
いきなりサンダーが私の前に飛び出してきた
早すぎて私には分からなかったけど、砂煙と激しい光に紛れてここまで来たのだろう
【女の人】
「きゃっ!?」
その勢いのまま、私とお母さんを抱き締める様にして窓から飛び降りた
私達が飛び出した瞬間、病室の中からバチバチと弾く音と共に爆発する音が複数回聞こえてくる
【サンダー】
「くッ!」
廃墟の前に着地した時、サンダーの苦しそうな声がもれた
傷口が傷むのか辛そうな顔をしている
【ルナ】
「大丈夫っ!?」
そう声をかけた瞬間、光の閃光が音もなく私達目掛けて向かってくる
サンダーは私達を抱き上げ、それを避け、入って来た亀裂の前で私たちを降ろした
【サンダー】
「お前はその女を連れて行けっ!」
苦しそうな顔のまま亀裂を指差し私に向かって叫んだ
【ルナ】
「っ!?ダ、ダメッ!サンダーを置いて行けないよっ!」
突然のサンダーの言葉に困惑しながらも首を振って拒否した
【サンダー】
「助けたいんだろ?そいつを」
諭すような声で私を見つめながら言う
その顔は少し優しい表情に見えた
【ルナ】
「っでも!私はサンダーもっ!」
【サンダー】
「俺を助けたいと思うならさっさと行けっ!お前は邪魔なんだよっ!」
私の言葉を止める様に怒鳴りつけ、亀裂へと私を突き飛ばした
【ルナ】
「っい!!」
突き飛ばされ岩壁に思いっきり頭をぶつけた
【女の人】
「っ大丈夫ですか!?」
慌てたようにお母さんが私に駆け寄ってきて、心配そうに見つめてくる
【女の人】
「ッ!?」
そのお母さんの手を握り締め亀裂の外向かって走りだす
・・・サンダーの言う通り、私は絶対邪魔にしかなってない
こんな所で駄々をこねていたら、もっとサンダーに迷惑をかけてしまう
今、私にできる事はお母さんを連れてここから離れる事だけだっ!
夢中でお母さんを引っ張りながら町へと走った




