【37話】雷◾️岩壁に囲まれた廃病院
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
木々で隠れた様な場所に目的の場所を見つけた
【サンダー】
「ここだな・・・」
物音を立てない様に亀裂の前に着地してルナを降ろした
【ルナ】
「・・・本当に入れるのかな?」
暗闇のこの状況では亀裂の中がどうなっているか確認できない
【ルナ】
「・・・・」
不安そうな顔で亀裂の中を見ている
【サンダー】
「・・・行くのやめるか?」
【ルナ】
「ううん!大丈夫・・・行こう!」
不安を打ち消す様に顔を振り、真っ直ぐ前を見て亀裂の中へと歩き出す
【サンダー】
「・・・待て、俺が先に行く」
歩き出したルナを止め先に亀裂の中へと入って行く
・・・コイツの後ろなんてそれだけで危険だ
ルナは黙って俺の後を付いてくる
1メートル程の幅しかない道を、ゆっくり進んで行く
曲がりくねっている為、先を確かめる事は出来ない
が・・・徐々に幅が狭くなってきた、と感じた所で目の前に亀裂の終わりが広がる
開けた空間に空から月明かりが照らしている
ここから見た限りは建物は見えない
・・・ゆっくり亀裂から顔を出し辺りを確認する
入ってすぐ右手に建物が建っていた
コンクリートの4,5階建て
・・・近いな
まぁ悪い事じゃない
こんな広々とした空間で移動すると、すぐに見つかってしまうだろう
状況がつかめるまで移動は最小限に抑えたいが
【サンダー】
「・・・・・」
後ろを振り返りルナを見た
【ルナ】
「なになに?・・・居たの?」
小声で尋ねて来る、その顔は不安が隠しきれていない
・・・こんな奴と一緒だと早々に用事を済ませる、とは行かないだろう
置いて行った所で俺の目的を果たせないしな
・・・ふと、自分自身とても面倒な事をしている事に気が付いた
・・・今更後悔しても遅すぎだな
【サンダー】
「・・・入ってすぐ右手に建物がある、多分そこに居るだろう」
小声でルナに伝えてやる
【サンダー】
「・・・どうする?本当に行くか?」
もう一度確認する
【ルナ】
「うん!」
迷う事なくハッキリとうなずいた
・・・仕方ない、もう進むしかないだろう
【サンダー】
「・・・俺の後について来い」
そう言って亀裂を飛び出し建物に体を寄せる
ルナも俺と同じようについて来ている
建物の影から正面の様子を窺う
・・・誰も居ないな
正面には大きな入り口があり、上には各階に窓がある、窓の数から5階建ての様だ
とりあえず魔力は最小限に抑えておく
【サンダー】
「・・・行くぞ」
ルナに告げて姿勢を低くし足早に入り口へと向かう
そっと入り口から中を覗く
・・・中は廃墟と呼ぶにふさわしい場所だった
ぼろぼろに長椅子に受付のような作りががある
察するに病院やホテルのような場所だったのだろうと推測できた
・・・この階には誰も居ないだろう
なんの魔力も感じない
・・・奴らが魔力を抑えていたら話は別だけど
ゆっくり中に入って行きすばやく右端に作られた階段に近づく
物音を立てない様に、上をうかがいながら上って行く
階段を上がると左手に長い廊下があり
廊下の左手にいくつか部屋の入り口がある
自分の魔力を抑えながら奴らの魔力を探す
が、この階に誰の魔力も感じなかった
念の為身を隠しながら
今上がってきた階段とは、廊下を挟んで反対側に作られた更に上へ続く階段を目指す
・・・どうやらここは病院らしい
各部屋に扉はなく入り口の隣にはナンバープレートは付いている
部屋の中にはベッドが6セット置かれていた
そんな病室を横目に5室過ぎたところで上へ続く階段に到着
再び上を窺いながら階段を上がって行く
後ろを見るとルナが少し遅れながら必死について来ていた
それを確認して3階に上がる
・・・嫌な感じだ
探る事をしなくてもヒシヒシと魔力が伝わってくる




