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【36話】雷◾️普通以下の脚力




◾️◾️サンダー視点◾️◾️

挿絵(By みてみん)



森の中をゆっくり走る

後ろに目をやると必死にルナが走って付いていて居る


【サンダー】

「遅いぞ」


【ルナ】

「サンダーが早いんだってっ!!」


これでもか、って位ゆっくり走ってやってんのに


【ルナ】

「っでもさ!なんで居場所知ってるなら通報しないのかなっ!?」


走りながら喋るのがきついのか、苦しそうに尋ねて来る


【サンダー】

「・・・誰に通報するんだよ?」


【ルナ】

「っだから!国警軍だよっ!」


・・・本当にコイツは、どうやって今まで生きて来たんだ?


【サンダー】

「・・・こんな田舎に国警軍が常備されてる訳ねぇだろうが」


【ルナ】

「っえ!?そうなんだ・・・!」


【サンダー】

「ファイヤーが国警軍だとしても、居場所も分からないしな」


アイツも都会から派遣されて来た奴だろう


【サンダー】

「・・・そう言えば、お前なんであの親父が魔力持ってないって分かったんだ?」


【ルナ】

「っん!?いつっ!?」


【サンダー】

「あの親父を介抱してる時に言ってたろ、魔力のない人間は痛いんだ〜とかって」


【ルナ】

「っだって!魔力持ってないみたいだったからっ!!」


・・・確かにあの親父は魔力を持っていない

魔法を使っていたら下手したら死んでたかも知れない


【サンダー】

「っつても、お前は魔力を感じないんじゃなかったか?」


【ルナ】

「っん!感じないよっ!でも、武器持ってたから魔法使えないんだって思ったのっ!!」


・・・コイツは・・・本当に馬鹿だ


【サンダー】

「あのな、魔力は魔法を使うだけじゃないぞ?魔力を具現化して武器を形成する奴らも居るんだ

その姿は多種多様、見た目はバットでも実は魔力で作った物かも知れないぞ?」


・・・まぁ、具現師はその辺にぞろぞろ居る様な奴らじゃないけど


【ルナ】

「そうなの!?サンダーって意外と物知りだよね!!」


・・・お前が常識がなさ過ぎるだけだよ


【サンダー】

「・・・さて、次は何を話そうか?」


にこやかにルナに尋ねてやる


【ルナ】

「っあのさ!!私!!凄く苦しんだけどっ!?」


【サンダー】

「知ってるぞ?」


ルナはぜえぜえ言いながら必死に走っている


【ルナ】

「じゃ!なんでわざわざ話す事を考えるのっ!?」


【サンダー】

「無言で走るのは面白くないだろ?」


鼻で笑いながら答えてやる


【ルナ】

「っ嘘ばっかりっ!!私が苦しんでるの楽しんでるでしょっ!?」


・・・バレたか


【ルナ】

「っもう話しかけないでっ!!」


ぜぇぜぇ言いながら必死に文句を言って来る


・・・これ以上話すのは無理だな、ルナの表情に余裕がない

黙って走る事にした



しばらく走ると断崖絶壁が目の前に広がり足を止める


【ルナ】

「・・・ここ?」


後か来たルナが息を整えながらそびえ立つ崖を見上げた


【サンダー】

「確かに、ここから見たらただの崖だな・・・」


あの親父の話だと、この崖はただの岩壁で中は空洞になっているらしい

丁度、町から反対側に亀裂があってそこから中に入れると言う話だ


そして中には昔、何かに使われていた建物がある

押しかけてきた技能者達が、ここらしき話をしていたと言ったが・・・


【サンダー】

「・・・この岩壁は何処まで続くんだろうな?」


見た感じかなり広い範囲を囲っている様に見える


【ルナ】

「・・・考えても仕方ないよ!とにかく行こう!」


壁沿いにルナが走り出した

その後をゆっくり追いかける


・・・正直ジャンプして壁を飛び越えた方が早いがルナの為には逃げ道を知って置いた方が良いだろう

コイツには、この壁を飛び越える事は出来ないだろうからな


【サンダー】

「・・・・・」


・・・それにしても

・・・遅い


・・・魔力が無いのは分かるが

・・・こいつの脚力は普通以下だろう


【ルナ】

「ッハア!ハア!」


・・・それでも必死に走ってるな


【サンダー】

「・・・ッチ!めんどくせぇ!」


ルナを片手で持ち上げて肩に担ぐ


【ルナ】

「っうわっ!!!」


突然の行動に体をバタつかせて暴れてくる


【サンダー】

「ジッとしてろ!振り落ちたら自分のせいだからな?」


一応忠告して木々を飛び移りながら目的地を目指した



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