【32話】白◾️何故か居ない母親
◾️◾️ルナ視点◾️◾️
部屋の電気を点けて男の人に近づき様子を伺う
【ルナ】
「あの・・・大丈夫ですか?」
【男の人】
「・・・・・」
目をつぶったまま返答は貰えなかった
・・・こう言う時はどうしたら良いんだろう?
蹴られたのはお腹だから冷やす訳じゃないし
でも、よく見たら顔が腫れてる
もしかしたら一回目にサンダーが蹴ったのは顔かも知れない
【ルナ】
「何か冷やすもの持って来ますね?」
そう言って立ち上がろうとした時
【男の人】
「・・・あんた」
【ルナ】
「はっ、はい?」
男の人に声を掛けられたので再び男の人に近づいた
【男の人】
「・・・アンタは魔力を持ってないのか?」
ゆっくり目を開けて私に視線を向けた
【ルナ】
「はい、私は魔力全然ないんですよ」
安心させられる様に笑顔で答えた
【男の人】
「・・・だったら悪かったな・・・あんなので殴ったりして・・・」
あんなのとはバットの事だろう
確かに思いっきり殴られた様な気がしたけど
・・・痛みが無い
【ルナ】
「ん~・・・私、殴られたのかな?」
目線をサンダーに向け尋ねてみる
【サンダー】
「・・・お前の着てる服は、魔力の無い攻撃は弾くんだよ」
不機嫌そうな顔のまま目を反らし教えてくれた
サンダーから借りた服は私が着ていても効果抜群みたいだ
【ルナ】
「と、言う訳で全然痛くないですから、気にしないで下さい」
ニコッと笑顔で男の人に告げる
【男の人】
「・・・そっちの男は魔術師か?」
【ルナ】
「ん~・・・そんな感じです」
私には説明出来そうに無いので、とりあえず頷いた
・・・横から舌打ちが聞こえた気がしたけど
・・・気にしない事にした
【男の人】
「・・・そうか・・・本当にすまない・・・」
深々と頭を下げる
【ルナ】
「本当に大丈夫ですから!気にしないでください!」
【サンダー】
「謝る位なら最初からしてんじゃねよ!」
私の言葉をさえぎる様にサンダーが怒りの声を上げた
【サンダー】
「大体、子供をおとりに泥棒を撃退するつもりだったのか?最悪だな?」
・・・そう言われてみたら
・・・確か子供がソファーの所に居たから私ソファーに近づいたんだ
【男の子】
「それは違う!あんた達が訪ねて来て二人で隠れてたんだが・・・君の声を聞いたとたんに息子が飛び出してしまったんだ・・・武器を持って連れ戻そうとした時にドアを壊すと言う声が聞こえたから慌ててソファーに隠れたんだ・・・」
男の人が必死に反論するが・・・
【ルナ】
「え!?この子、男の子なんですか!?」
私の後ろにサンダーから隠れる様にしている子供を見る
見た目は完全に女の子だ・・・
【サンダー】
「気にする所、そこじゃねえだろうが・・・」
呆れた声でため息をついた
・・・私的には凄くビックリなんだけどな
【サンダー】
「なんで隠れる必要があるんだ?俺達は客だぞ?」
私ではらちが明かないと思ったのかサンダーが訪ねだした
【男の人】
「・・・あんた達には関係ない話だ」
しかし、男の人は話たくないのか、うつむき言葉を濁した
【サンダー】
「あっそ、まぁ別にいいけど」
【ルナ】
「え!?サンダー気にならないの!?」
【サンダー】
「お前が一番気にしてなかっただろうが!」
睨まれ怒鳴られた
・・・それはそうだけど
改めて聞くと凄く気になってきた
【ルナ】
「ん?」
服を引っ張られて振り向くと男の子が少し怯えながら見つめてくる
【ルナ】
「どうしたの?」
できるだけ優しく聞いてみる
【男の子】
「・・・あのおじさん悪い人?」
怯えた手でサンダーを指差しながら訪ねてきた
【サンダー】
「あぁ?誰がおじさんだぁ?このクソガキがっ!」
男の子を睨みつけて怒鳴る
【男の子】
「うぇーん!ままー!」
サンダーに怒鳴られて泣き出してしまった・・・
【ルナ】
「大人げない・・・」
ケイベツの眼差しをサンダーに向ける
【サンダー】
「俺はな、誰でも平等が信念なんだよ」
迷惑な信念を胸を張って宣言された
【ルナ】
「はぁ・・・あのおじさんはね、口はすごーく悪いけど、実はすこーし良い人なんだよ?だから怖がらなくていいんだよ~?」
ニコッと笑いながら男の子の頭をナデナデしてみる
【男の子】
「うぇーん!まま!まま!ままー!」
が、全然効果なかった・・・
【男の人】
「男の子だろ!いつまでも泣くんじゃない!」
男の人が大声で男の子を叱る
【男の子】
「うぎゃー!!マーマー!!!」
逆効果だったらしく、勢いを増して大泣きしだした・・・
【ルナ】
「えっと~ほらほらクマさんだよ~なかないでぇ~ぼくがよしよししてあげるからぁ~げんきだしてぇ~」
近くにあったクマのぬいぐるみを使って声を変えあやしてみる
【男の子】
「ぇ・・?・・ひっく・・・・うぅ・・」
男の子は不思議そうな目で私を見つめてくる
・・・良かった
・・・ちょっと落ち着いてくれたみたい
・・・目線がクマじゃなく、私に向けられてるのが気になるけど
【サンダー】
「・・・母親はどうしたんだ?逃げられたか?」
サンダーがため息混じりに尋ねている
【男の人】
「・・・そんなんじゃない」
男の人は消えてしまいそうなくらい、弱弱しく嘆いた




