【14話】雷◾️嫌な予感
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
【サンダー】
「・・・・・」
目を覚ますと雨音はもう聞こえなくなっていた
・・・どのくらい寝てたんだろうか?
ゆっくり起き上がり辺りを見回すが女の姿は無かった
焚き火の火は消えているが、もう明かるいので必要ないだろう
よく見ると焚き火の近くの地面に汚い字で何か書いてある
『ちかくかわみつかったいってくる』
汚い字で読めたもんじゃないが・・・多分こんな感じだろう
【サンダー】
「・・・馬鹿が」
今まで何も無かったと言っても、この辺りが安全な訳じゃないだろうが
【サンダー】
「・・・川か」
・・・俺も顔でも洗いに行くか
・
・
・
洞窟から出て音を頼りに川へと向かう
・・・確かに近い事は近いらしい
しばらく歩くと森の中に川を見つけた
が、女の姿は無い
【サンダー】
「・・・チっ!」
考えてみたら行き違いになったかも知れない
川の距離も長く、川沿いに探すと言っても木が邪魔で先が見えない
歩こうにもどちらに居るのか分からない
【サンダー】
「・・・めんどくせ」
考えても仕方ない、辛うじて流れている川の流れに沿って川沿いを歩く
・・・このまま消えるか?
・・・色々面倒だしな
・・・もしかしたらアイツもそれを望んでいるんじゃないだろうか?
普通、森の中を一人で歩いたりしないだろう
・・・でも、それならわざわざ書置きなんてしないか
・・・アイツは普通じゃないしな
一人納得し、しばらく川沿いに森を進む
・・・やっぱりこっちじゃなかったか?
・・・雨宿りした場所まで戻るか?
が、すぐに考えるのを止めた
【サンダー】
「・・・何処まで行ってんだアイツは」
川沿いの先に長い白髪の後ろ姿が見えた
【サンダー】
「あ~・・・だりぃな」
後ろ姿に向かってゆっくり歩きだす
・・・が、近づくに連れて違和感を感じ始めた
何か雰囲気がいつもと違う様な気がする
両手を地面に着けてへたり込んでいる女
表情は見えないが顔は落ち込んだ様に下を向いていた
【サンダー】
「・・・・・・」
一番の違いは服だ
・・・いつもの服じゃない
足は裸足で服は真っ白の短いワンピースの様な服になっている
と、言っても
いつもの服の下に着いたものだろう
近くにはいつもの上着とスカートが乱暴に脱ぎ散らかしていた
・・・嫌な予感がした
【サンダー】
「・・・チッ!馬鹿がっ!」
・・・一人で歩くからこんな事になるんだ
何の為に俺に着いて来た?
危ない目に遭うのが嫌だったからじゃないのか?
いつの間にか走りだしていた
どんどん距離が縮まる
・・・でも
・・・なんて声をかけたらいいだろうか?
距離はもうほとんど無い
アイツは顔を伏せたまま動かない
【サンダー】
「っルナ!!」
大声で名前を叫んで足を止めた
俺の声に反応し顔を上げ
振り返り
俺を見つけて