【9話】雷◾️謎の力
◾️◾️サンダー視点◾️◾️
【ルナ】
「はぁ・・ふぅ・・・へぇ・・・」
後ろなら着いて来る女の鼻息が勘に障る
【サンダー】
「もっと静かに歩けないのか?うるさいんだよ」
少し後ろを振り返り女を睨みつけてやる
【ルナ】
「そんなこと言われても~すごくきついんですよ~」
本当にきつそうに落ち込みながら返して来る
【サンダー】
「歩く事もできないのかお前は?犬以下だな」
【ルナ】
「はぁ・・・次の町まっで後どの位なんですか?限界近いんですけどぉ・・・」
俺の言葉を無視し尋ねて来た
【サンダー】
「お前のペースに合わせたら3日はかかりそうだな」
まったくもって迷惑だ
俺だけなら1日もかからないだろう
【ルナ】
「はぁ・・・もぅ駄目だ・・・」
弱音を吐きながら女は勝手に地べたに座り込んだ
【サンダー】
「誰が止まれと言ったんだ?」
そんな女を見下ろしながら睨みつけてやる
【ルナ】
「・・・ちょっと休憩しましょうよ~」
が、女はお構いなしに近くの木まで這って行き
もたれ掛かる様に座り込んだ
【サンダー】
「却下、さっさと立て」
冗談じゃない
まだ町を出て2時間程しか歩いてないのに休憩などしてたまるか
【ルナ】
「・・・お腹空きません?リンゴあげますから、少し休ませてください」
そう言いながらリュックから取り出したリンゴを俺に差し出してくる
【サンダー】
「・・・・・」
そのりんごを無言で受け取った
・・・女は少し驚いた顔で俺を見ている
【サンダー】
「・・・食ったら行くぞ」
そう言いながら少し離れた木にもたれ掛かる様に座りリンゴを食べだした
【ルナ】
「・・・ねえ?サンダーは旅をしてるの?」
少し沈黙した後、疲れた声で話しかけて来た
【サンダー】
「お前には関係ない」
が、俺は話しをする気はないので適当に返してやる
【ルナ】
「・・・そろそろ本当の名前教えてほしいな~?」
【サンダー】
「嫌だ」
【ルナ】
「リンゴ美味しい?」
【サンダー】
「不味い」
そんな会話が続いた後、諦めたのか女は喋らなくなった
空を見上げると雲に邪魔されない大きな月が眩しく輝いていた
【サンダー】
「・・・・・」
・・・ふと、さっき女が言った『貴方にしか頼みたくない』と言う言葉を思い出した
・・・なんで俺なんだ?
・・・俺が護衛か
・・・結局俺は
・・・絶対なりたくなかったものになろうとしてるのか?
【サンダー】
「・・・・・」
・・・やめだ
深く考える必要はない
ただコイツが何を持ってるのか知る為
それだけだ
【サンダー】
「・・・そろそろ行くぞ」
食い終わったリンゴの芯を投げ捨てて立ち上がる
【ルナ】
「・・・・・」
が、俺の声が聞こえていないように女は無反応
【サンダー】
「・・・おい」
近づきながら再び声をかけるが全く反応しない
少しうつむいた女の顔を覗き込む
・・・こいつ・・・寝てやがる
【ルナ】
「く~・・・く~・・・」
なんとも気持ちよさそうに寝息をたてていた
・・・もたれた木に落雷を落としてやろうか?
【サンダー】
「おい!さっさと起きろ!置いていくぞ!」
そう言いながら手で女の肩を軽く揺すった
【ルナ】
「ぐ~・・・ぐ~・・」
揺すった反動で地べたに倒れこんだが起きる気配なし
【サンダー】
「あ~・・・うぜぇ・・・」
コイツを起こす為に行動するのが面倒だ
諦めて女が持っていたリュックの中から新しいリンゴを取り出す
【サンダー】
「・・・なんでコイツこんなにリンゴばっかり買ってんだ?」
リュックにはリンゴしか入ってない
・・・馬鹿の考える事は分からないな
【サンダー】
「・・・・・」
リンゴを食べながら再び女に目を向けた
・・・やはり魔力は感じない
じゃあ、さっきコイツの首を絞めた時に感じたのは一体なんだったんだ?
・・・場所に魔力が集まっていた?
いや、コイツに触れている時にしか感じなかった
・・・ルルーカになにか関係があるのだろうか?
だがさっきの魔力は闇属性を感じさせた
ルルーカは光属性の都市、闇属性ならルルーカはあまり関係ない気がする
・・・考えても答えは出そうにないな
まぁ・・・そのうち分かるだろう




