表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

第1話

 私、茶山ちゃやま桃花ももかは中学2年生に進級した。

 部活は軽音楽部で担当はベース。と言っても活気づくのは文化祭の前くらいで、あとはおしゃべりしてるほうがメインのような、そんな緩い部活である。

 私は習い事で小学校1年生からバイオリンを習っている。

 けれど、親から習わされているだけでやる気は正直あまりない。

 でもそれなりに出来ることは多くなってきて、やめてしまうのももったいない。

 だから、バイオリンは一応続けつつ、全然違うことをやりたいという理由で、軽音楽部でベースを始めた。

 やっぱり、自分で始めたからか、出来ないことはまだ多いけれどバイオリンよりも楽しい!

 中学生活は、ありがたいことに(私の知る限りでは)いじめも無く平和に過ごせている。

 それだけで十分にありがたいこと、恵まれていることとは自覚している。

 しかし、新しいクラスは落ち着きがなさすぎるようで、教科担任になった先生達から毎日1回は「うるさい」「ちょっとは静かにしないか」と言われる始末である。


「はい、席に着きなさい。あなた達は2年生なんだから、そろそろ落ち着いたらどうなの?」

 今年、異動してきた新しい国語の先生。雨宮あまみや紗霧さぎり先生。

 推定25~27歳(とされているが、誰も正解は知らない。でも雰囲気的に大体あってるとは思う。)

「今日はみんなの今の文章力を見たいから、自己紹介文を書いてもらうわ。テストじゃないし、私がみんなのことを知りたくて書いてもらうから、とりあえず好きなように書いてみて。一方通行じゃ不公平だし、お手本も兼ねて私の自己紹介の文章も後で配るわ。」

 

 柔らかい表情と、優しく心地の良い話し方。

 笛のような高く澄んだ声と、無駄がなくすらりとした身体。

 艶やかな長い黒髪と、透き通るような白い肌。

 一言でいえば、綺麗。そうとしか言いようのない自分の表現力が悲しい。

 折れてしまいそうな花のようにか弱く見える彼女は、綺麗だけれど頼りない。

 だが、しかし。私のこの印象はある日、とある出来事で覆されることとなる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on 小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ