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蘇生魔法なんて取得するつもりはないぞ

 「おい、兎、どうなんだ、やっぱりダメなのか」


 俺が剣聖の妹を見たまま、スケさんと脳内会話をしていたので剣聖が心配になって声をかけてくる、先にダメという言葉が出てくるところが、今まで期待を裏切られてきた証拠なのかもしれない。


 「治せると思う‥」


 剣聖の気持ちを考えれば、ハッキリと言いきってあげたかったけど、まだスケさんからちゃんと条件を聞いていないから、少し言葉を濁してしまった。


 「本当か!」


 それでも、剣聖にとっては飛びつきたくなるような言葉で、俺の肩を掴んで振り向かせて目を合わせた。


 「今すぐには無理だし、俺が条件をクリア出来ればだけど、治す方法はある」


 俺は今分かる事だけを剣聖に伝えた、レジェンド(伝説級)スキル蘇生魔法があるのは間違いないけど、スケさんが取得条件を教えてくれない。


 ユニーク(固有級)スキルの取得条件よりも難易度が高いのは間違いないはず、何故かスケさんはそれを俺に取得させようとしている。


 たぶん、スケさんにはクリア出来ない取得条件をなんだと思う。


 必要なスキルの取得とは言っていたし、蘇生魔法を取得するには、何個かスキルを取得しないといけないんだろう。


 それなら、スケさんが自分で取得しないで、俺に取得させようとするのにも説明がつく。


 「条件ってなんなんだ?俺に手伝える事ならいくらでも手伝うぞ」


 そう言ってくる剣聖を落ち着かせて、黙ったままのスケさんに頭の中で質問する。


 『蘇生魔法を取得するにはどれくらいかかる?』


 『マスター次第ですが、今のポイント獲得量なら1ヶ月もあれば獲得出来ると思います』


 『取得条件は教えてくれないのに、期間は教えてくれるんだな。


 条件を教えてくれたら、剣聖に手伝ってもらえるかもしれないの』


 『剣聖に手伝える事ですか‥‥、最悪の場合はそれも有りですけど、今は必要ないです』


 『なんだよ、ちゃんと条件を教えてくれないのに、そういう事を言われると怖いんだけど』


 『レジェンドスキルですから、それなりの条件はありますよ、本来は普通の人間には取得出来ないスキルですから』


 『俺は普通の人間ではないけど、自信がなくなってくるな、剣聖の為に頑張るけど』


 『ほんの少し知り合っただけの他人の為に、なんでそんな気持ちになれるか分かりませんけど、頑張って下さい』


 「1ヶ月準備をする時間をくれ、取りあえず剣聖に手伝える事はない」


 俺はスケさんに聞いた事を剣聖に話して、剣聖は「1ヶ月か‥‥」と呟いて難しい顔をする。


 「何か不味い事でもあるのか?」


 「いや、来週には妹を安楽死させる予定だったから、両親にどうやって説明すればいいのか考えてた」


 「そうだよな、両親に変な期待を持たせたくないって言ってたもんな。


 俺が条件をクリア出来なかったら、ガッカリさせちゃうもんな」


 「俺もぬか喜びは嫌だから、絶対に条件ってやつをクリアしろよ」


 「頑張るよ」


 そう言って、俺は病室で剣聖と別れて部屋に戻った。


 苦手な30階層で、虫型の魔物を倒してポイントを稼ぐ、群れで現れなければ何とか平常心で戦える。


 「それで、なんで条件を教えてくれないんだ」


 『条件を聞いたら、マスターが取得するのを止めると思いまして』


 「そんな条件なのかよ、どうするんだ剣聖と約束しちゃったじゃないか、失敗しましたなんて言い難い雰囲気だったぞ」


 『そうですね、蘇生魔法を取得しないといけない状況になりましたね』


 「まさか、俺に蘇生魔法を取得させる為に剣聖の妹を利用するつもりか」


 「ひと聞きの悪い事を言わないで下さい、蘇生魔法なら剣聖の妹を治せるのは本当です』


 「なんで蘇生魔法にそんなに拘るんだよ」


 『今よりもワタシがマスターの力になる為に、欲しいんです』


 「スケさんが今以上にってどういう事?」


 『蘇生魔法を取得したらちゃんと話ます、今は剣聖の妹の為にも、ポイント集めを頑張りましょう。


 来週までという、期限まで出来てしまったので時間がありませんよ』


 「なんなんだよ、確かに時間はないけど話してくれたっていいじゃないか」


 俺はいつもよりも長くダンジョンに挑戦する前に、兎達を娘と元嫁の下に帰還させる、あまり遅くなると夜中に兎達がいない事に気がつかれてしまう。


 一応、召喚してもマンションの状況次第で、召喚を拒否出来る様にしてある。


 いきなり、目の前から兎達が消えたりしたら大変な事になってしまう。


 「本当に蘇生魔法を取得したら、ちゃんと説明してもらうからな」


 兎達がいなくなって殲滅速度が落ちるけど、それでも1日で450000ポイントを稼いで、部屋に帰って必要なスキルを選ぶ。


 スケさんに言われるまま、ユニークスキルの精霊魔法と死霊魔法を取得する。


 精霊魔法は聖魔法レベル10が取得条件、死霊魔法は呪魔法レベル10が取得条件になっていた。


 それが蘇生魔法の取得に必要なら、確かにスケさんには取得は無理だ。


 スケさんのスキルスロットは後4つしか残っていない、精霊魔法と死霊魔法を取得するのに、呪魔法と聖魔法も必要だから、それで終わってしまう。


 それと、やっぱり治癒魔法も必要らしいから、スケさんのスキルスロットは全然足りてない。


 今日まで貯めたポイントは、スケさんの空間魔法にだいぶ使ってしまったから、精霊魔法も死霊魔法もレベル5までしか上げられなかった。


 せっかく覚えたスキルだけど、精霊魔法はともかく死霊魔法はあまり使いたいと思わない。


 『魔法は魔法です、何がそんなに嫌何ですか?』


 と言われたけど、スキルとして確立してる魔法に善悪がないだろうと思うけど、なんとなく悪い魔法に思えてしまう。


 そんな俺の考えを話したら、理解は出来ないけど納得は出来たという感じで。


 『まぁ、いいですけど、蘇生魔法を取得する条件はどれもレベル10になってからが重要ですから』


 と言って、明日からはもっとペースを上げるとつもりだと聞いて、本当に余計な約束をしてしまったと反省した。


 次の日からは慣れてしまった、早めに寝て夜中に起きて朝までというダンジョン攻略を続けて、1週間で精霊魔法も死霊魔法もレベル10まで上げた。


 1週間経って、精霊魔法、死霊魔法、治癒魔法を取得したのに、蘇生魔法の取得が出来ない、レジェンドスキルを取得するには他にもクリアしないといけない事があるようだ。


 『それでは、さっそく条件を満たしていくとしましょうか。


 順番が大事なので、気をつけて下さい。


 治癒魔法での条件は1000回以上使う事です、これはもうクリアしているので問題ありません。


 精霊魔法と死霊魔法の条件は、レベル10でしか使えない昇精と死墜を使う事、昇精は人を精霊へと変え、死墜は人をアンデッドに変えます』


 「なんだよ、その条件はそんなのどうすればいいんだよ」


 『はい、マスターならそう言うと思いました、だから最後まで条件を教えませんでした。


 しかも、両方とも一番身近なモノに魔法を使って成功させないといけません』


 「一番身近なって、まさか凛さんや美月を犠牲にしろっていうのか、それなら剣聖やスケさんには悪いけど、蘇生魔法なんて取得するつもりはないぞ」

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだろこの無能な癖に態度でかい主人公とかいうスケさんのおまけ… おっさんの癖に物分かりが小学生くらい悪いし本当に社会人生活してたの?しかも結婚もして子供までいたのにコレ? そりゃ離婚される…
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