スケさんの備忘録5
ワタシのマスターは面倒くさいです。
美月様と凛様は、マスターにとって最重要人物なので、周辺の人物を調べるのは良いんですが、父親の嫉妬というのは如何なものかと思います。
話し合いで、ゴーレムをつけない事になりましたが、心から納得はしていないようです。
一応、保険の意味で茂野という少年には、マスターには内緒でゴーレムを1体つけておきましょう。
マスターは不機嫌ですが、教えたら教えたで面倒くさいのは目に見えています。
モヤモヤした気分の発散は、剣聖に手伝ってもらう事にして、ワタシは集まった情報を整理しないと。
剣聖が組織を辞めた事は驚きましたね、ゴーレムをずっとつけていたのに、そんな素振りはありませんでした。
やはり視界だけの情報収集には限界があります、最近はキッカとオウカに手伝ってもらって、ワタシでは集められない情報を集めてもらっていますけど、まだまだ足りないんですよね。
剣聖からウノハナの名前が出た時は世間は狭いと思いました、マスターは全く気がついていないようですが、卯の花って分かり易いと思うんですけどね。
兎達のプログラムといえばアレですかね、まさか企業が企画とし受け入れるほど、完成に近づいていたなんて驚きです。
兎達では、ソフトは作れてもハードの方は作れないので外に助けを求めたって事でしょうか。
組織を辞めた剣聖が話してくれた、魔道具を作れる能力には興味があります、ワタシが魔道具を作れるスキルを取得するヒントになるかもしれません。
ただ、相手は曲者っぽいので、接触するにしても警戒が必要です、マスターは会いたくないでしょうし。
剣聖と連絡先を交換したので、色々情報を交換出来たら嬉しいですね。
マスターはまた何か難しく考えているようですが、好きな様にすればいいんです、それを可能にする能力がマスターにはあって、ワタシも協力は惜しまないのに。
まだ暴れ足りないのか、珍しくヤル気満々でダンジョンを29階層で武器集めをやめて、30階層に進んだのに、虫型の魔物が出てきた途端に戦意を喪失して、ワタシと兎達に戦いを任せてきました。
前から、虫型の魔物は苦手のようでしたが、体長が大きくなった程度で戦意を喪失するなんて思いませんでした。
少しマシになったと思ったら、キラーアントの群れを見てまた元に戻ったり忙しい人です。
数も獲得ポイントも多いので、倒しがいがあるのに勿体ないです。
たった2時間寂で200000ポイント以上を獲得して部屋に帰りました、ワタシは空間魔法をひたすら練習、一気にレベル5まで上げたのでまだ使いこなせてませんが、使いこなせれば強力なスキルなのは間違いなさそうです。
マスターが起きる少し前に、目が覚めた時にちょうどコーヒーが飲める様に準備を始める。
マスターが起きて、真分身を使って美月様の様子を見に行くと言った時には、コーヒーが冷めるのも構わずに説教をさせてもらいました。
マスターは胸騒ぎがどうとか言ってましたが、どう考えても嫉妬にしか思えません、ただ、能力値を考えると何かの予感かもしれないので、念のため美月様につけているゴーレムの数を増やしておきましょう。
仕事の昼休み、マスターは決心をしたのか剣聖と権田に正体を明かす事にしたようです。
さっそく居酒屋を予約して、2人にメッセージを送っています、無事に顔見せが出来るといいんですけど。
昼休みをのんびり過ごし、マスターが仕事を始めようとした時に、ゴーレムから映像とSOSが届き、急いでマスターに報告する。
茂野が何かしたのかと、馬鹿な事を聞いて来るのでそんな程度の問題じゃない事を説明して、水族館に向かいます。
水族館に着く前に、出来るだけのゴーレムを使って、美月様の安全の確保を行い、美月様の友人の保護、その他大勢の避難を助けないといけません。
何かあれば、自分が悪くなくても落ち込むのがマスターですから、ガラスゴーレムでの誘導は難しいですが頑張りましょう。
水族館が知覚範囲に入った瞬間から追加のゴーレムを投入、水族館内で魔物に近い生き物を見つけては駆除していきます。
小さな魚の魔物でも、ガラスゴーレムも小さいのでなかなか苦戦してしまいました。
マスターが水族館に到着、周りは不思議なくらい何事もなかったかのような態度。
ワタシもさは動印視で魔力の流れを確認して、中のゴーレム達との視覚の共有で得た情報と合わせて、マスターに侵入場所を提案しました。
マスターの侵入と同時に飛び出した水に、まるで今気がついたみたいに周りが騒ぎ始めた。
外の様子は無視してマスターを原因へと誘導する、無数のゴーレムの視界から意思を持った水の塊を発見している、仮にスライムと呼称してマスターに現状を伝えた。
すでにスタッフや飼育員には死傷者が出ている、暴れ始めたスライムの側にいた飼育員や、来客を逃がす為に奮闘したスタッフはワタシのゴーレムでは助ける事が出来ずに犠牲になってしまった。
予定通りに2階フロアで、スライムを迎えうつ事が出来ましたが、マスターは魔物擬きに同情をしているようで動きが鈍いです。
マスターが負けるとは思えませんけど、取り返しがつかなくなると説得して、戦いは順調にスライムを追い詰める事が出来ました。
しかし、魔物擬きを倒して追い詰めたつもりだったスライムは血を吸収して突然変異を起こし、危うくマスターが致命傷を受ける所でした。
使えないと思っていた未来視には感謝しないといけないですね。
再びスライムを追い詰めると、スライムは逃走を選択します、ダンジョンの魔物しか知らなかったので魔物が逃走をする事を忘れていました。
もちろん逃がすつもりはないですが、実に厄介な逃げ方をします、途中でマスターが勝手にダメージを受けていましたが、天井と床に間を逃げるスライムを捕捉し続けて、念動とマジックハンドでスライムの動きも限定して誘導していきます。
周りに人がいるのは分かりますが、何通りがシュミレーションした結果、この方法が一番間違いなくスライムを倒せる。
通気孔から飛び出したスライムをマスターの重力の魔眼と念動で押さえ込んで、ようやくトドメを刺しました。
マスターには申し訳なかったですが、優先順位を考えた結果、姿を晒す事になってしまいました。
ちゃんと逃走経路は確保しておいたので、マスターをちゃんと誘導、無事に凛様の元に辿り着けました。
その後は、ワタシの予想していたよりマスターの状況が悪くなってしまいましたが、あの時にスライムを逃がしてしまうよりは良かったと思ってもらうしかありません。
翌日は気を取り直したようで、前日に決めた事を実行して権田と剣聖に正体を明かした。
マスターは思ったよりもあっさりと受け入れてくれて、売り言葉に買い言葉で剣聖と見慣れた試合を始めた。
権田が先に帰り、剣聖の身の上話を聞いて、マスターは組織の話以上に、剣聖の妹の事が気になるようだったので、助け舟をだす。
話を聞いただけでは、絶対と言えないですが何とかなるかもしれないスキルが1つある。
『マスター、もしかしたら剣聖の妹を助けられるかもしれません、出来れば本人に会って確認がしたいです』
それを聞いたマスターが剣聖と話をつけて、剣聖の妹を動印視と鑑定視で確認しました。
良かったです、ワタシの見立て通り、蘇生魔法なら治す事が可能です、ワタシには取得出来ないので、マスターに頑張ってもらうしかないですが、仕方ないですよね。




